ZOZOグループが運営するファッションコーディネートアプリ「WEAR」は20日、直近6年間の女性ファッションの「丈」に関する変化についての調査結果を発表した。ZOZO研究所・福岡の画像解析技術を活用し、ユーザーの投稿データを比較。トップスは「長め」と「短め」に2極化、ボトムスは「長め」へと流行の変化が判明した。
ユーザー調査とコーデ画像で分析
「WEAR」は6月、同じくZOZO研究所・福岡の画像解析技術を活用し、72万件に及ぶユーザー投稿データから2020年春夏の人気急上昇カラーを分析。最旬トレンドカラーは「ピスタチオ」との結論を見い出していた。今回は「WEAR」による調査第2弾といえそうだ。
今回の調査は、15年から20年の各年6月1日~7月29日の期間で、登録性別が「女性」のユーザー累計4900人が投稿した、計3万4250件のコーディネート画像を対象に実施。調査研究を担ったZOZO研究所は、「ファッションを数値化する」をミッションに掲げる研究機関で、グループが保有するファッションに関する膨大な情報資産をもとに、ファッションを科学的に解明するための研究開発を行っている。
短いトップスは18年がピーク!?二極化進む
WEARに投稿されたコーディネート画像を解析した結果、トップスの丈は18年が「短め」のピークで、以降は「長め」と「短め」の2極化が進んでいた。調査はコーディネート画像でトップスが写っている範囲を解析。アイテムの実際の丈ではなく、着こなした上で映る範囲を「丈」としているため、「単に短めの丈のアイテム」が増加しているというだけではなく、トップスをタックインして短く着こなすファッションも流行していることが分かった。
また、長めのトップスが増えている理由として、体型カバーができることや、丈が長くても着ぶくれることなくコーディネートを軽やかに見せてくれるシアー素材(透け感のある生地)などのトップスが流行していることも見えてきた。
ボトムスは年々長めの着用率が増加
ボトムスは、年々長め丈のアイテム着用率が増加していることが分かった。15年から徐々に、「ひざ丈」や「ひざからくるぶしの間の中間丈」が減少。ひざ丈やミモレ丈のスカート、ガウチョパンツなどの流行が去り、ワイドパンツやマキシスカートなど長めの丈が流行していることが要因と考えられる。
「番外」として、コーディネート画像の中から、短めのトップス画像に絞ってボトムスの丈の変化について調べたところ、中間丈が顕著に減少していた。短めのトップスには、ハイウエストでロング丈のボトムスを使用するコーディネートが主流になってきている。
調査には「物体検出」「骨格検出」を使用
ZOZOによると、調査には物体検出と骨格検出の技術を使用した。物体検出は、画像のどこに何が写っているかを予測する技術。
骨格検出は、画像内に写っている人物の関節や目、鼻、耳などがどこに写っているかを検出する技術だ。今回はWEARに投稿されたコーディネート画像からアウターやトップス、バッグなどのアイテムの座標を検出するために用いた。
検出された各関節の点をつなぎ合わせることで、どんな姿勢を取っているかが推定でき、今回は、さまざまなポーズで撮影された被写体の画像内での身長を擬似的に定義するため、画像の鼻からくるぶしまでの距離を「身長」として定義し、測定した。
骨格検出による画像上の身長と、物体検出による画像上のアイテムの丈を検出することで、身長に対するそれぞれのアイテムの丈を計算することができ、着こなしによる丈の変化を定量的に比較できるようにしたという。
ZOZOでは、「WEAR」で調査してほしいテーマを募集している。「今期のトレンドが知りたい!」「20代に人気のあるスニーカーは何?」など、気軽な問い合わせを求めている。「WEAR」は今後も、多くに人のファッションライフに寄り添うトレンド情報を、発信していく考えだ。
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