(株)ICT総研はこのほど、1日からポイントの還元がスタートした「マイナポイント事業の利用状況」などをまとめ、公表した。集計時点での登録者は17%弱、登録したキャッシュレス決済はPayPayが20%を超えてトップだった。
マイナポイントの「内容を把握している」は36%
マイナポイント事業は、9月から来年3月末まで、自分で選択したキャッシュレス決済を利用すると、上限5000円までのポイントが還元される国の事業だ。マイナンバーカードの普及促進やポイント利用による個人消費の下支えになることなどを目的としている。
調査は、事業開始前に実施した「マイナポイント利用意向調査」(6月29日発表)の続編として、8月19~20日に実施。マイナポイントについての認知度の変化や、登録状況の実態を把握することを目的に、ネットユーザー1万708人へWebアンケートした。
それによると、認知度・理解度については「内容を把握している」が36.8%、「聞いたことはあるが、内容把握していない」が50.7%、「聞いたことがない」が12.5%だった。「聞いたことがある」とした回答者は合計で87.5%となり、前回調査時と比較して34.8ポイント上昇した。また、「内容を把握している」とした回答者も、同22.7ポイントアップ。事業の申し込みが始まったことでプロモーションを目にする機会が増え、認知度や理解度が大幅に上昇したとみられる。
登録済の決済サービス2位はWAON、3位は楽天カード
では、実際の登録者は――。16.6%が「登録している」とし、「登録していない」が83.4%という結果だった。登録していない8934人のうち、3002人が「今後、登録・利用したいと思う」と答えており、「登録している」人と合わせると4776人となり、全回答者の44.6%にあたる。
還元を受けるためには、マイナンバーカード取得後に、任意のキャッシュレス決済を1つ登録する必要がある。登録済みの回答者の選択は、PayPayが22.3%でトップ、WAONが12.0%で次点、楽天カードが11.0%で続いた。以下、d払い6.7%、au PAY 6.4%、楽天ペイ4.3%、nanaco 3.6%、Suica 3.4%、楽天Edy 3.3%、イオンカード 3.0%、dカード 3.0%、メルペイ 1.4%、LINE Pay 1.4%という結果だった。電子マネーやクレジットカードなどと比べて、QRコード決済を選択した回答者が全体的にやや多いことが分かった。
還元サービスより「ふだん使い」の決済サービスを選択する傾向に
登録したキャッシュレス決済を選択した理由では、「ふだん利用しているキャッシュレス決済だから」が72.3%で最多。「国からの還元以外の特典が魅力的だから」が22.3%、「多くの店で使えると思ったから」が17.9%、「信頼できる事業者だと思ったから」が7.7%、「登録が簡単そうだと思ったから」が6.9%、「よく聞くキャッシュレス決済だと思ったから」が5.2%と続いた。
トップのPayPayを選択した回答者は、「多くの店で使えると思ったから」を挙げた比率が27.5%と、他のキャッシュレス決済と比較して多かった。同様に、次点のWAONを選択した回答者は、「国からの還元以外の特典が魅力的だから」を挙げた比率が41.3%と多かった。
ICT総研は、「利用意向者がまだ存在しており、登録可能なキャッシュレス決済の選択肢も増えていることから、登録者はさらに増加していくことが予想される」とした上、今後もマイナポイントの動向やキャッシュレス決済の市場について調査を続ける方針を示している。
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