(株)日経BPは3日、デジタルメディア「日経クロストレンド」が作成した「技術」「マーケティング」「消費」の潮流を見極める「トレンドマップ 2020夏」を発表した。「DX」「デジタル接客」などのキーワードが新たに躍進したほか、「EC」は調査開始以来、マーケティング分野の経済インパクトや将来性で高スコアを堅持し続け存在感を発揮、引き続き経済をけん引している。
消費分野で「ワーケーション」「サブスクリプション消費」が伸長
調査は18年夏、19年冬、19年夏、20年冬に続く5回目。新型コロナウイルスの影響が本格化した20年上半期のトレンド変化を踏まえた初の調査結果となる。7月に実施し、事前に選定した技術26、マーケティング27、消費27のそれぞれのキーワードを認知する人に、現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階でたずねてスコアリングした。
それによると、20年冬の調査と比較し、将来性スコアが最も伸びたキーワードは、技術分野では「ロボティクス」「DX」など。マーケティング分野では「チャットbot」「DMP」、消費分野では「ワーケーション」「サブスクリプション消費」となった。新たに追加したキーワードのうち、将来性スコアが高かったのは、技術分野の「コンタクトレス・テクノロジー」「フードテック」、マーケティング分野の「デジタル接客」、消費分野の「Z世代」だった。
技術分野で小売は「EC」「Zoom接客」「フードデリバリー」が伸長
技術分野で将来性スコアを大きく上げたのは、「ロボティクス」(スコア4.31)、「DX」(4.41)。DXについては、経済インパクトのスコア(3.62)も大きく伸ばした。コロナ禍での注目キーワードとして躍進したDX関連で、最も身近で象徴的な出来事はテレワークの急速な浸透。ZoomやGoogleハングアウト、Microsoft Teamsなどのビデオ会議ツールを利用した在宅勤務が、すでに一般的になっており、多くの企業が働き方の「新常態」として推進している。
また、以前より「人が自宅にいる」ことを前提として、小売りでは「EC」や「Zoom接客」、外食では「フードデリバリー」「店頭ピックアップサービス」などが脚光を浴びている。いずれも各業界のプレーヤーにDX対応を迫るもので、今後もリアルとデジタルの融合はかつてないスピードと危機感で進むことが予想される。なお、技術分野の将来性スコア上位には、「AI」(4.69)、「5G」(4.54)、「自動運転」(4.48)が、前回調査と同じく挙がっていた。
マーケ分野では「デジタル接客」が注目を集める
マーケティング分野で注目されたのは、新たに追加した「デジタル接客」。将来性スコアは「EC」(4.38)に次いで2番目に高い4.19となった。コロナ禍以降、リアル店舗を持つ多くの企業が休業を余儀なくされる中、新たな販路としてECの将来性が見込まれると同時に、リアル店舗のリソースを使いながらオンラインを通じて接客するデジタル接客も注目されている。
もう1つの新キーワード「カスタマーサクセス」も将来性スコアが4.00と高水準だった。自社製品やサービスを利用する顧客に対し、その利用体験を高めるために企業側が積極的に働きかけるマーケティング活動のことで、サブスクサービス市場の拡大とともに、同ビジネスの重要指標である解約率の抑制とLTVの向上に役立つ手法として重要性が増している。「パーソナライゼーション」(4.09)、「D2C」(4.03)も、前回調査に続いて挙がっている。
コロナ禍で多くの経済活動が停滞する逆風下、消費分野で最も将来性スコアを上げたのは「ワーケーション」(3.32)だった。ワークとバケーションを組み合わせた造語であるワーケーションは、自宅などで仕事を行うテレワークよりもさらに発展した概念だ。
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