(株)スクロールが29日発表した2021年3月期第2四半期(20年4~9月)連結決算は、売上高が前年同期比14.3%増の433億2800万円、営業利益が同149.6%増の40億7300万円、純利益は同566.4%増の29億7400万円となった。
通販は売上高20%増、利益162%増
同社グループは「収益力のあるDMC(Direct Marketing Conglomerate)複合通販企業戦略の推進」を方針とし、主力である通販事業の収益最大化およびソリューション事業の成長に向けた施策に取り組んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う購買活動の変化や巣ごもり消費の拡大により、両事業を中心とした売上は好調に推移した。
通販事業については、売上高が224億1400万円(前年同期比19.9%増)となり、セグメント利益は38億3300百万円(同 162.1%増)となった。コロナ禍の影響による外出自粛の意識の高まりなどに伴い、ホームウェアをはじめとする在宅商品を中心に売上が増加した。こうした中、商品調達方法の見直しによる原価率の低減や、効率的なカタログ配布による販促費率の低減に取り組むなど、事業効率の向上による収益の最大化を推進してきた。
物流など好調で支援事業は売上21%増
ソリューション事業は、売上高が86億1400万円(同21.5%増)となり、セグメント利益は4億3100万円(同119.7%増)となった。顧客であるEC・通販事業者の巣ごもり消費などに伴う需要拡大により、物流代行、決済代行サービスおよびアフィリエイトをはじめとするメディア事業の売上が増加した。
今後 さらなる成長が見込まれるEC・通販市場で、より多くのソリューションサービスを提供できるよう、引き続き、サービスメニューの拡充に取り組んでいる。また、最大消費地である関東圏で5月に竣工した大型物流センター「SLCみらい」の稼働を強みに、新規顧客獲得に向けた営業活動に注力し、全国通販3PL戦略を推進している。
eコマースはセグメント利益101%増
eコマース事業の売上高は108億9500万円(同8.9%増)、セグメント利益は4億3800万円(同101.2%増)となった。コロナ禍での実店舗の休業や外出自粛の影響で消費動向が変化する中、インテリア・雑貨などの巣ごもり需要商品や、アウトドア用品の商品提案に取り組んだ。また、防災用品・備蓄品などの需要増に対して、特に自治体向けの営業を強化した。加えて、販促活動の効率化を追求し、収益力強化に向けた事業基盤の構築に注力した。
健粧品と旅行は減収減益
一方、健粧品事業と旅行事業は、コロナ禍で市場回復が十分でなかったことから、前年同期比で減収減益となった。健粧品事業に関しては、インターネットを中心とした販売拡大に努めるとともに、顧客基盤の構築を進めている。
通期業績を上方修正、純利益12億円増見込む
第2四半期累計期間の実績が前年実績を大きく上回ったことに伴い、7月に公表していた通期(20年4月~21年3月)の業績予想を上方修正した。前回は据え置いた売上高は750億円から800億円(前期比10.1%増)に、営業利益は34億円から44億円(同105.1%増)にと大幅に更新。純利益も20億円から32億円(354.7%増)を見込んだ。
通販事業とソリューション事業を中心とした売上の好調、および売上原価の低減や販促費のコントールなど、事務効率の向上に向けた施策の実行を踏まえて修正したとしている。
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