(株)ZOZOが29日発表した2021年3月期第2四半期(20年4~9月)連結決算は、売上高が前年同期比16.2%増の664億9200万円、営業利益が同50.2%増の199億500万円、
純利益は同76.1%増の139億4300万円となった。
粗利率の改善や、関連費用・スポット費用の減少で大幅増益
商品取扱高は、前年同期比16.3%増の1856億3100万円。新型コロナウイルスの感染拡大を契機としたデジタルシフトによるプラス影響が第1四半期から継続し、今期計画に対しても好調に推移した。プラス影響は前四半期比で多少弱まったものの、コロナ禍での消費活動の減速によるマイナス影響を跳ね返して着地した。
売上高は、有料会員サービス「ZOZOARIGATO」(~19年5月末)の実施や、会員向けパーソナライズド値引の積極投下など、同社が原資負担をする値引施策を行っていたことが影響し、主に受託ショップで前年同期比で商品取扱高の成長率を上回ったが、ZOZOUSEDやPB事業の事業規模縮小などがマイナスに影響し、全体では前年同期比で商品取扱高と同等の成長率となった。
利益面では、営業利益率が対商品取扱高対比10.7%と前年同期と比較して2.4ポイント上昇。要因として「ZOZOARIGATO」などの割引コストの減少に伴う粗利率の改善や、PB関連費用・スポット費用の減少が挙げられる。これらを受けた営業利益は、半期決算としては過去最高益となった。
ZOZOTOWN事業は好調維持、ZOZOUSEDなど中古関連サービスは苦戦
今期は、商材拡張の一環として才能やセンス溢れる個人とともにファッションブランドをつくるD2C事業「YOUR BRAND PROJECT Powered by ZOZO」を立ち上げ、10月22日から18ブランドの販売を開始。また、また、ZOZOTOWNの新たな決済方法として、PayPay(株)のキャッシュレス決済サービス「PayPay」を8月20日から導入した。
ZOZOTOWN事業は、「受託ショップ」「買取ショップ」「ZOZOUSED」の3つの事業形態で構成。全体の売上高は518億1600万円(前年同期比9.0%増)で、商品取扱高は1654億1100万円(同7.1%増)となり、構成比は89.1%。
各ブランドの商品を受託在庫として預かり、受託販売を行う「受託ショップ」の売上高は470億6700万円(同15.6%増)。商品取扱高は1606億5200(同9.1%増)、商品取扱高に占める割合は86.6%(前年同期実績92.3%)となった。9月末現在、1399ショップを運営している。
各ブランドからファッション商材を仕入れ、自社在庫を持ちながら販売を行う「買取ショップ」の売上高は4400万円(同67.8%減)、商品取扱高は44百万円(同68.7%減)。9月末現在、5ショップを運営している。個人ユーザーなどから中古ファッション商材を買取り、販売する「ZOZOUSED」の売上高は47億400万円(同29.2%減)、商品取扱高は47億1400万円(同33.4%減)となった。
「PayPayモール」の商品取扱高は全体の4.7%に
「PayPayモール」の売上高は25億5400万円、商品取扱高は87億4400万円で、商品取扱高に占める割合は4.7%となった。ユーザー個人の体型に合わせた当社の自社企画アパレル商品を販売する事業を行う「PB事業」は、売上高が1億8400万円(同73.3%減)、商品取扱高は1億8400万円(同73.6%減)だった。ユーザーが身長・体重情報を入力することで推奨サイズの商品を提供する「MSP事業」は売上高、商品取扱高とも5億6000万円だった。
ブランドの自社ECサイトの構築及び運営を受託する「BtoB事業」は、売上高(受託販売手数料)が20億9800万円(同114.8%増)、商品取扱高は106億2500万円(同140.9%増)となった。9月末現在、受託サイト数は54サイトとなっている。
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