(株)ファンケルが4日発表した2021年3月期第2四半期(20年4~9月)連結決算は、売上高が前年同期比18.0%減の542億6500万円、営業利益が同45.2%減の48億7800万円、純利益が同39.1%減の35億7300万円となった。
インバウンド需要の落ち込みで減収減益
売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、国内およびインバウンド需要が落ち込み、主力の化粧品関連事業と栄養補助食品事業が減収となった。営業利益は、広告費の効率的な使用に努めたほか、販売手数料などの変動費が減少したものの、売上減による売上総利益の減少などで減益となった。
化粧品関連事業の売上高は、前年同期比23.9%減の303億4900万円。営業利益は同58.9%減の30億9100万円だった。店舗販売、卸販売、海外が軒並み減少した中、通信販売での売上は同6.6%増の158億4200万円となり、構成比は52.2%だった。
コロナ禍での生活変化に対応する商品に注力へ
全体の構成比75.7%を占めるファンケル化粧品の売上高は、店舗販売から通信販売への積極的な誘導や外部通販の大幅な伸長があったが、前年同期比28.4%減の229億8600万円となった。アテニア化粧品は、中国向け越境ECを強化している海外が増収となったが、同8.2%減の59億500万円。boscia(ボウシャ)は、ECチャネルの強化などにより、同20.4%増となる11億2100万円を計上した。
下期は、コロナ禍でのマスク着用による肌荒れや、生活様式の変化によるさまざなまストレスに対応するため、上期売上が前年同期比25%増となった「ディープクリア 洗顔パウダー」をはじめ、8月発売のエイジングケア美容液「コアエフェクター」、10月発売の新商品「クリーン&バリアシリーズ」の販売に注力する戦略を立てている。
栄養補助食品事業は通販が11%増
栄養補助食品事業の売上高は前年同期比15.1%減の194億8500万円、営業利益は同10.4%増の24億1000万円となった。化粧品関連事業と同様、店舗販売と卸販売などは減収となったが、国内および海外でのEC・通販は好調に推移して増収となった。中でも、越境ECは積極的なマーケティング活動でブランドの認知拡大につながり、売上高は前年度期比で3倍。Tモール国際「海外・健康食品ランキング」で13位、日系メーカー1位(9月)を獲得した。
栄養補助食品事業で、通販全体の売上は前年同期比11.6%増の86億5500万円で、構成比は44.4%となった。コロナ禍という環境下、通販サプリは同11%の伸び。2月発売の「パーソナルワン」は上期計画を上回る9400万円を達成。さらに、ビタミン類や発芽米などの基本栄養とともに、同50%増の「血圧サポート」、同17%増の「内脂サポート」など、生活習慣対策となる機能性表示食品が好調だった。12月には「免疫サポート」を発売する。
店舗の回復が遅れ通期業績予想を下方修正
発芽米、青汁などのその他関連事業は、売上高が同32.7%増の44億2900万円、営業利益が同79.6%増の2億2700万円となった。発芽米の増収とともに、不織布マスクの増収が大きかった。
こうした業績動向は、8月に公表した今期予想を上回る結果となったが、下期もインバウンド需要の回復は見込めず国内外の店舗の回復の遅れもあり、21年3月期の通期(20年4月~21年3月)については、改めて下方修正に及んだ。売上高は1270億円から1200億(前期比5.4%減)、営業利益は145億円から130億円(同8.0%減)、純利益は100億円から90億円(同9.9%減)と、それぞれ前回予想を下回る見込みを示した。
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