BEENOS(株)は10日、今年の越境ECの消費動向を振り返る「BEENOS 越境EC世界ヒットランキング 2020」を発表した。越境EC事業を展開してきたBEENOSグループの売上データから、「日本から海外」「海外から日本」の2種類の動向を明らかにしている。
「Buyee」の20年流通総額は48.7%増で過去最高
新型コロナウィルスによる影響で観光業、インバウンド消費が打撃を受ける一方で、越境ECは伸長しており、BEENOSの海外代理購入サービス「Buyee」の20年Q4の流通総額は前年比48.7%増で過去最高を更新。アメリカ、ASEANでの流通も増加している。
今後、海外の消費を取り込むために、オンラインとリアルの併用は有効策と考え、BEENOSは、流通額が大幅に伸長した20年の購買傾向をエリア別で発表することで、日本企業が「海外に挑戦」するための一助となることをめざしている。
日本発の世界売上ランキングをエリア別に集計
「BEENOS越境EC世界ヒットランキング2020 From Japan」は、日本企業と海外のユーザーをつなぐ代理購入サービス「Buyee」の売上データに基づき抽出した日本発、世界で売れている商品のエリア別ランキングだ。
併せて、前年比より今年伸長した商品のエリア別ランキング「世界伸長率ランキング」や、21年のヒット予測も公表した。
■「BEENOS越境EC世界ヒットランキング2020 From Japan」
アメリカ(1)おもちゃ・ゲーム(2)ファッション(3)音楽/ヨーロッパ=(1)おもちゃ・ゲーム(2)音楽(3)ファッション/東南アジア=(1)おもちゃ・ゲーム(2)ファッション(3)自転車・オートバイ
■「世界伸長率ランキング」
アメリカ=(1)おもちゃ・ゲーム(2)ファッション(3)音楽/ヨーロッパ=(1)音楽(2)おもちゃ・ゲーム(3)ファッション/東南アジア=(1)音楽(2)アクセサリー・時計(3)ファッション
20年は「日本ロス消費」の傾向に
20年の消費傾向は「日本ロス消費」――。コロナ禍で、あらゆるライフスタイルが変化を余儀なくされ、買い物のスタイルも大きく変わった。インバウンド需要は、リアルからオンラインに移行し、従来から人気のアニメ、ゲームといったJapanコンテンツ以外にも、ライフスタイルに寄り添う商品も日本からECで購入する時代に。巣ごもりや動画配信サービスなどの影響や自国にはないブランド、品質や信頼などのイメージが消費を後押しした傾向がみられた。
日本のアニメやゲーム、K-POPなど、アジアから多くの世界的ヒットが生まれた20年。コンテンツを通じてボーダレスに世界のファンがつながった。21年はその流れがより加速し、コミュニティ内の熱狂が消費を動かすと期待。5Gで動画配信はさらに盛り上がり、メーカーもコンテンツ起用タイアップに再注目。オンラインでファンがつながり、Japanコンテンツ商品の消費がさらに拡大すると予想される。
■「BEENOS越境EC日本ヒットランキング2020 To Japan」
アメリカ=(1)パーツ・アクセサリー(2)メンズウエア(3)モデルカー/カナダ=(1)モデルカー・公通機関モデル(2)腕時計・パーツ・アクセサリー(3)コレクションカードゲーム/イギリス=(1)車パーツ(2)メンズウエア(3)バイクパーツ/ドイツ=(1)オート・修理パーツ(2)鉄道模型(3)モデルカー
■「日本伸長率ランキング」
アメリカ=(1)DVD・ビデオ(2)占いグッズ(3)コイン・紙幣/カナダ=(1)陶器・ガラス(2)家電製品(3)日用品・ガーデニング/イギリス=(1)ペット用品(2)DVD・ビデオ(3)コンピューター/ドイツ=(1)映画・DVD(2)パソコン・ビデオゲーム(3)コイン
日本では趣味を極める海外からの消費が活性化
おうち時間が増えたことで趣味を極める消費が活発化。海外製カーパーツやモデルカーに加えて、海外版DVDやパソコンパーツ、コレクションアイテムといったおうち需要が高まりを見せた。また、密を避けるアウトドア、釣り、自転車アイテムも人気。レコード、自転車、食器など生活を彩る商品が伸び、暮らしの中で海外気分を味わえるアイテムが人気だった。
外出、旅行、映画、スポーツ……。制限が多かった20年。来年は待望の世界的スポーツ大会も予定され、海外旅行の規制緩和の兆しや、延期になってしまった映画の公開も決定するなど明るい話題が見えてきた。そこで海外限定の映画グッズや、観光後のリピート買いに期待。また、キャンプやスポーツ用品など、今年あきらめてしまった趣味を再開させたい思いが消費に表れると予想される。
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