楽天(株)はこのほど、購買データから読み取った「楽天市場 ヒット番付 2020」を発表した。東の横綱は『応援消費』、西の横妻は『おうちで本格グルメ消費』。いずれも、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた「Withコロナ」時代の消費行動が番付最上位を占め、大関以下も今年を象徴する流行やトレンドとなっている。
『応援消費』で地方支援のWEB物産展売上は6.3倍に
「楽天市場 ヒット番付2020」は毎年、「楽天市場」の購買データを分析し、一年の消費動向や社会情勢を振り返り、その年のトレンドを象徴するキーワードを番付形式で発表している。今年も東西の横綱、大関、関脇、小結の計8つのキーワードと、来年に向けた「期待株」として2つのキーワードを発表した。
東の横綱は『応援消費』。新型コロナウイルス感染拡大の影響で遠方に赴きづらい状況が続いたことで、故郷や旅先に思いを馳せ、消費を通じて、各地域の事業者や生産者を応援しようという動きが活発化した。
観光客の減少から、地域産品の新たな販路として、ECを活用しようとする地方自治体の動きも重なり、「楽天市場」で開催したWEB物産展の4月1日から11月10日までの売上は、前年同期比534%増と拡大した。「楽天ふるさと納税」では、コロナ禍の影響を受けた自治体の支援を目的とする企画に寄せられた寄付金額が、10月に33億円を突破した。
『おうちで本格グルメ消費』で無水調理鍋が売上6倍
西の横綱は『おうちで本格グルメ消費』となった。外出自粛などの影響を受け、自宅で料理する頻度が高まったことにより、「毎日の食事をいっそう楽しみたい」「手間は省きながらいつもと違った味に挑戦したい」、というニーズが高まっている。
売上の前年同期比が508%増(1月1日~9月30日の期間)と驚異的な伸びをみせた「無水調理鍋」や、同248%増の「ホットサンドメーカー」などの調理家電は、食材と調味料を入れて一定の時間火にかけておくだけで、簡単に美味しく煮込み料理などを仕上げることができ、人気を集めている。
大関は東『おうちで本格グルメ消費』・西『韓国エンタメ消費』
【大関】は、東が『おうちアウトドア消費』となり、近年続くキャンプブームが「ステイホーム」期間を経て変化。西は『韓国エンタメ消費』で、「第4次韓流ブーム」を受け、韓国製コスメや韓国の食材の売れ行きが好調だった。
【関脇】は、東が『DIYエクササイズ消費』。在宅時間の拡大により、自宅などで「DIYでエクササイズ」をする人が増加した。西は『おうちオフィス改革』となり、在宅勤務の浸透により、自宅の仕事環境を充実させるニーズが拡大した。
【小結】は、東が「愛でたい消費」がワードとなった。「オフライン」での交流機会が減ったことにより、観葉植物やペット関連商品の売上が拡大した。西は『ワンマイルファッション』。近所に出かける際にも着用できるホームウェアがヒットしたことによる。
期待株は東『ストーリー需要』・西『おうちグレードアップ消費』
【期待株】として挙がったのは、東が『ストーリー需要』、西が『おうちグレードアップ消費』だ。
『ストーリー消費』は、身近にモノが溢れている昨今、作り手の顔が見え、商品ができあがるまでの過程や苦労、生産者の想いなどが分かるような、共感を生む商品に注目が集まっている。「楽天市場」では、長崎県の工芸品「波佐見焼」の売上が前年同期比73%増となったのをはじめ、愛媛県の「今治タオル」が同52%増となるなど、需要が高まりつつある。
おうち時間の質の追求ともいえる『おうちアップグレード消費』は、自宅で過ごす時間が増え、家具やインテリア雑貨の売上が拡大。来年も引き続き、家具や家電のアップグレード、インテリアの定期的な見直しにより気分転換をする人が多く存在すると思われる。
おうち時間をより一層心地良いものにするための消費は、さらに盛り上がると想定され、「間接照明」や「ホームシアター」のほか、「家庭用プール」、「サウナ」などの売上も伸長傾向にある。「楽天市場」の売上では、家庭用プールが前年同期比256%増、「テントサウナ」が同550%増となっている。
■「楽天市場 ヒット番付 2020」
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。