MMD研究所がSquare(株)と共同で実施した「実店舗における消費者のキャッシュレス決済利用動向調査」によると、キャッシュレス利用者の3割以上がキャッシュレス未対応が理由で来店をやめたことがあると回答。AirペイのCMのように、「じゃあいいですぅ~」と来店した客が店舗を出るといったシーンが、実際に多くの店舗で起きていることがわかった。
直近3カ月の支払方法、現金90%・クレカ72%・スマホ決済36%
調査は11月21~23日。予備調査では18~69歳の男女2万人、本調査ではキャッシュレス決済を現在利用している1500人を対象に聞いた。同研究所は、消費者のキャッシュレス決済の普及体感や期待などを分析。今回を「第1弾」とし、年明けに「第2弾」として、実店舗を運営するオーナーに聴取した「運営店舗のキャッシュレス導入状況」などの実態を明らかにするという。調査結果は一部、1月調査と比較している。
2万人に、普段と直近3か月の支払い方法(複数回答)を聞いたところ、普段は「現金」が90.4%、「クレジットカード」が72.0%、「QRコード式のスマホ決済」が36.0%。直近3か月では「現金」が86.2%、「クレジットカード」が65.6%、「QRコード式のスマホ決済」が32.9%だった。「現金」(91.3%)、「クレジットカード」(78.1%)とどちらも最も多かったのは60代女性で、10~20代男性と比べると、「現金」は10.9pt、「クレジットカード」は31.3ptの差があった。
現金のみの対応で来店をやめた人が31%
キャッシュレス化への認識は、「とても進んでいると思う」が10.7%、「やや進んでいると思う」が50.6%。1月の調査では両方の回答を合わせて48.9%で、12.4pt増。「キャッシュレス化が進んで欲しいか」という問いには、「とてもそう思う」が19.4%、「ややそう思う」が40.9%となり、60.3%が期待している結果となった。1月調査は同じく54.9%で、5.4pt増となった。
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キャッシュレス決済を利用している1500人に、「現金のみ対応の店舗で来店をやめたことがあるか」を聞いたところ、31.5%「ある」と答えていた。
来店客:ここってカード使えますか?
店員:現金だけなんです
来店客:じゃあいいですぅ~
キャッスレス決済未対応の店舗は「悪印象」が57%
キャッシュレス決済に対応していない店舗は古いと思う人は22.8%、「ややあてはまる」が27.9%と、合わせて50.7%が古いと思っていた。キャッシュレス決済に対応していない店舗に対しての印象は、「悪印象」が7.8%、「どちらかというと悪印象」が49.9%だった。
今後普及して欲しいキャッシュレス決済(複数回答)は、約8割が「ある」と回答し、最も普及して欲しいのは「ICチップ、タッチ決済対応マーク両方があるタイプ」が40.7%、カードタイプの電子マネーが21.3%、スマホタイプの電子マネーが19.9%だった。実店舗で利用したいのは、「クレジットカード」が52.7%と最も多く、次に「QRコード式のスマホ決済」が19.1%、「カード型の交通系以外の電子マネー」が10.6%となった。
共同調査したSquareのエコノミスト、フェリペ・シャコン氏は、「依然として現金が日常的に使われているものの、政府の推進政策や新型コロナウイルス感染症とそれに伴う消費者行動の変化で、潮目が変わり始めたことが見て取れた。決済手段のキャッシュレス化や現金離れは、キャッシュレス先進国のように定着すると推測する」とコメントしている。
■AirペイCM
https://airregi.jp/payment/gallery/
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