中国のアリババグループ・ホールディング・リミテッドがこのほど発表した2021年3月期第3四半期(20年10~12月)決算は、売上高が前年同期比37%増の2210億.8400万元(約3兆5816億円)、営業利益が同24%増の490億2000万元(約7941億円)、一般株主に帰属する当期純利益は794億2700万元(約1兆2867億円)となった。
中国経済の回復で堅調、コロナで影響を受けた店舗を支援
中国経済の回復で堅調な四半期となった。中国小売事業、コアコマース事業、クラウドコンピューティング事業が着実な収益成長をみせた。消費を促し、消費者の需要を満たすと同時に、DX・ソリューションの提供で、コロナ禍の影響を受けたマーチャントをサポート。11月の「天猫ダブルイレブン・ショッピング・フェスティバル(W11)」も成功させた。
コアコマース事業の売上高は前年同期比38%増の1955億4100万元(約3兆1678億円)。中国小売事業の売上高は同39%増の1536億7900万元(約2兆4896億円)となった。月間モバイルアクティブ・ユーザー数は12月に9億人に達し、9月時点と比較して2100万人増加。12月31日時点の中国小売市場の年間アクティブ・コンシューマー数は7億7900万人に達し、四半期での純増は2200万人となった。
月間アクティブ・ユーザーが1億超え
新興地域への注力を続行し、タオバオ特価版を通じてコストパフォーマンスの高い商品の供給を拡大することで、さらに多くのユーザー獲得に成功した。12月31日時点のタオバオ特価版の年間アクティブ・コンシューマー数は1億人を超え、さらに12月に月間アクティブ・ユーザー数も1億人を超えた。
天猫(Tモール)における現物商品の取引によるGMVは、前年同期比19%増。主に日用消費財、室内装飾品と家庭用電化製品の成長による。タオバオのGMVも大幅に増加。主にアパレル、家具・室内装飾品、家庭用電化製品のカテゴリーが着実に成長したことによる。
タオバオライブの流通総額は6兆4800億円に
また、ライブコマースプラットフォームのタオバオライブは、ブランド、マーチャント、インフルエンサーが消費者と直接やり取りするための重要なマーケティングツールになった。12月31日時点で、タオバオライブを通じたGMVは4000億元(約6兆4800億円)を超えた。
天猫国際は、天猫海外フルフィルメント(TOF)の提供、グループのロジスティクス機能と規模の優位性を活かし、海外ブランドと中国の消費者との結び付けの強化など、国境を越えたロジスティクス・ソリューションの革新を続けている。ブランドとマーチャントの登録数は前年同期比60%増。TOFを通じた商品の購入額は急増し、GMVは同3桁成長を達成した。
今期、グループは12回目となるW11を開催した。従来は1日だったイベントを11日間に延長し、マーチャントやブランドが消費者と交流して関係を築き、売上を伸ばせる機会を増やした。イベントには25万以上のブランドと500万のマーチャントが参加した。
W11イベントでは26%増、470以上のブランドが売上高1億元達成
11日間のイベントでのGMVは4982億元に達し、19年と比べて26%増加。470以上のブランドの売上高は1億元を超え、アリババエコシステムの包括的なDXによってもたらされた好循環の効果を実証した。イベント期間中、約3000万の新製品が発表され、そのGMVは前年同期比35%増となった。
クラウドコンピューティング事業の売上高は、前年同期比50%増の161億1500万元(約2611億円)となり、初めて調整後EBITAの黒字化を実現。収益の伸びは主にインターネット、小売業界、公共部門の顧客収益の力強い成長による。W11の期間中、アリババクラウドは拡張性と信頼性が高く、かつ安全なパブリッククラウド基盤を提供し、ピーク時には1秒あたり58万3000件の注文を処理した。
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