楽天グループ(株)のクチコミ就職情報サイト「楽天みん就」はこのほど、2022年卒業予定の学生を対象に調査した『楽天みん就 2022年卒就職人気企業ランキング』を発表した。コロナ禍という世情も反映し、業績や安定感、成長性をより重視する傾向がうかがえた。首位は10年ぶりに伊藤忠商事(株)。EC・通販関連企業はトップ20の6割に及んでいる。
就活生の重視ポイントは「経営基盤」「リモートワークの可否」
ランキングは、「楽天みん就」に登録している22年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、20年9月16日~21年2月25日にかけて、公式サイトやオンラインイベント「みん就LIVE」でアンケートを実施し、1722人から回答を得た。学生が調査対象企業約600社から志望する上位5社を選択。各企業の志望理由を「仕事」「会社」「雇用」「社会的責任」「採用活動」の5つの観点から回答したものを、「楽天みん就」がポイント化して集計した。
コロナ禍で学生の企業選びは、景気の先行きが不透明な中、業績や安定感、成長性など、企業のポテンシャルを重視する方向にシフトしている傾向がみられた。重視したポイントは、「経営基盤の安定」が最多で34.3%。次が「リモートワークができる」(27.1%)など、一連の価値観の変化がランキングに大きな変動をもたらしたと考えられる。
伊藤忠商事が10年ぶりの1位に、楽天グループは6位
1位は、商社の中でも好調な業績を維持している『伊藤忠商事』(昨年3位)が、11年以来10年ぶりに返り咲いた。2位は昨年1位の『(株)NTTデータ』、3位は『ソニーミュージックグループ』(同17位)、4位は『味の素(株)』(同2位)、5位は『花王(株)』(同4位)が入った。
6位~20位は次の通り。『楽天グループ(株)』『アクセンチェア』『ソニーグループ(株)』『アサヒビール(株)』『アサヒ飲料(株)』『エイベックス(株)』『大同生命保険(株)』『(株)講談社』『旭化成(株)』『アイリスオーヤマ(株)』『東京海上日動火災保険(株)』『(株)集英社』『サントリーホールディングス(株)』『(株)ポニーキャニオン』『(株)野村総合研究所』。
アイリスオーヤマが45位から15位に
この中には、EC・通販事業、通販支援事業を展開する企業も多い。6位の『楽天グループ』は昨年の11位からアップした。4月1日付で、社名を「楽天」から「楽天グループ」に変えたばかり。ECを中心としたフィンテック、スポーツ、モバイルなどへの領域の拡大とともに、競争力や機動力を伴った成長を加速させている。
大躍進を遂げたのは『アイリスオーヤマ』。昨年の143位から15位に躍り出た。生活家電通販が売上の6割を占めるが、コロナ禍にあって最高益を記録。大規模投資を伴って手がけたマスク製造でも、企画から発売までのスピード感ある事業化が話題を呼んだ。
通年採用やデジタル人材採用などの取り組みに学生が反応
業界別では、『ソニーミュージックグループ』を筆頭に、11位の『エイベックス(昨年49位)、19位の『ポニーキャニオン』(昨年96位)、42位の任天堂(昨年54位)など、音楽やゲーム関連がランクアップ。コロナ禍でエンタメがより身近になり、注目されている。
また、キャッシュレス化の進展でクレジットカード企業の注目度が高まっていることも特徴。同時に銀行もランクアップした。各企業が実施している通年採用やデジタル人材の採用枠増設といった新しい取り組みに対し、学生が敏感に反応したことが要因の1つと考えられる。
■『楽天みん就』
https://www.nikki.ne.jp
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