中国のアリババグループ・ホールディング・リミテッドがこのほど発表した2022年3月期第1四半期(21年4~6月)決算は、売上高が前年同期比34%増の2057億4000万元(約3兆4700億円)、営業利益が同11%減の308億4700万元(約5200億円)、純利益は同5%減の451億4100万元(約7600億円)となった。
コアコマース事業の売上高は35%増
売上高は、主に中国小売事業の着実な伸び(20年10月に合併した大型スーパー運営のサンアート・リテールを含む)、ツァイニャオ・ネットワーク(菜鳥網絡)の物流事業、越境及びグローバル小売事業の着実な収益成長による。当局の規制強化を受け、ネット通販に出店する企業に対して営業コスト削減などの支援を広げたことが利益の圧迫につながった。
コアコマース事業の売上高は、前年同期比35%増の1802億4100万元(約3兆460億円)で、中国小売事業の売上高は、同34%増の1358億600万元(約2兆2900億円)となった。6月末時点で、アリババエコシステムのグローバルにおける年間アクティブ・コンシューマー数は約11億8000万人に達し、3月末時点と比較すると4500万人増加した。
うち、9億1200万人は中国市場から、2億6500万人は中国国外市場から。国外市場にはLazada、AliExpress、TrendyolおよびDarazサービスのコンシューマーが含まれる。6月末時点で、アリババグループの中国小売市場における月間モバイルアクティブ・ユーザー数は9億3900万人に達し、四半期単体では1400万人の純増となった。
タオバオ特価版はユーザ数拡大、天猫618で数千万人の新規ユーザー獲得
今期、タオバオ特価版は、より高品質でコストパフォーマンスの高い製品をコンシューマーに提供することで、ユーザー数の成長を続けている。6月末時点での年間アクティブ・コンシューマー数は1億9000万人を突破。また、C2Cコミュニティおよびプラットフォームの閑魚(シェンユー)も成長を見せ、月間モバイルアクティブ・ユーザー数は1億人を超えた。
天猫618ショッピング・フェスティバル期間では、昨年の2倍以上となる約25万のマーチャントとブランドが参加し、100万を超える新商品を発売。マーチャントとブランドが獲得した新規会員数は数千万人に上る。このセールを通じて、マーチャントとブランドは会員限定キャンペーンや会員特典を提供し、消費者と直接交流することができた。
サンアート・リテールのオンライン注文数が28%増
ニューリテール事業は、マルチモデルによる事業を引き続き拡大。サンアート・リテールのオンライン注文数は前年比で約28%増となった。最も貢献したのは、天猫超市(天猫スーパー)との在庫共有の取り組み。今年から強化を図っているコミュニティーコマース事業の主要サプライヤーでもあり、中国の29省、235都市に実店舗を展開している。
ツァイニャオ・ネットワークの売上高は、前年同期比50%増の116億元(約1960億.5700万円)となった。収益増は主に、越境・グローバル小売事業でサービスを採用するマーチャントが増加したことによる
越境・グローバル小売事業の売上高は54%増
クラウドコンピューティング事業の売上高は、前年同期比29%増の160億5100万元(約2700億円)となった。主にインターネット、金融サービス、小売業界の顧客収益の成長によるが、増加率が前年比で鈍化した主な理由は、インターネット業界における主要顧客あたりの売上単価の減少。今後の売上高は顧客と産業ごとに一層、多様化する傾向が続くとしている。
越境・グローバル小売事業の売上高は前年同期比54%増の108億元(約1825億円)。主に、LazadaとAliExpressの成長によるもので、Lazadaの注文数は同90%超の増加。過去6四半期連続でユーザーアクセス頻度が向上している。越境・グローバル卸売事業の売上高は同37%増の44億元(約743億円)。主にAlibaba.comの有料会員数の増加と有料会員の平均売上高の増加、越境ビジネス関連の付加価値サービスの収益増加による。
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