ソフトバンクグループ(株)とソフトバンク(株)、ヤフー(株)が共同出資するPayPay(株)は19日、運営するキャッシュレス決済サービス「PayPay」の加盟店向け決済手数料を、10月から最低1.6%(税別)に有料化する方針を明らかにした。サービス開始の2018年10月から無料で規模拡大を図ってきたが、「普及と収益」を探る分岐点を迎えたと言えそうだ。
「PayPayマイストア ライトプラン」加入で決済手数料が1.6%に
PayPayによると、年商10億円以下の中小加盟店の決済手数料を、ユーザーが「PayPay」を利用して決済を行った取引金額の1.60%からとする。1.98%と合わせた2種類の有料プランに切り替え、どちらもキャッシュレス決済業界最安水準に設定したとしている。手数料は、店舗の集客に活用できる「PayPayマイストア ライトプラン」への契約状況に応じて変動する。
月額1980円の「PayPayマイストア ライトプラン」は、「PayPayクーポン」の発行など、加盟店が販売活動に活用できる加盟店向けのサービスだ。契約することで手数料は1.60%となり、プランに未加入で決済機能だけを使う場合は1.98%になる。
『3%振り込みますキャンペーン』で決済手数料を倍返し
「PayPayクーポン」は、大型チェーン店から街のお店まで、さまざまな加盟店が独自のクーポンをアプリ上で発行できる機能で、登録ユーザー数4100万人を超えるユーザーに活用できる。「PayPayマイストア ライトプラン」には今後、「PayPayクーポン」以外にも、店舗の販売活動に活用でき、デジタル化やDXを推進する機能を追加していく予定という。
PayPayは、有料化によるPayPay離れを防ごうと、『3%振り込みますキャンペーン』を開始した。申込期間中に「PayPayマイストア ライトプラン」を契約し、エントリーした加盟店を対象に最大6か月間、決済額の3%を指定口座に振り込む企画だ。また現在、「PayPayマイストア ライトプラン」のトライアルキャンペーンを実施しており、通常1980円の初期費用と、1か月当たり1980円の月額利用料最大2か月分が無料になる。
『3%振り込みますキャンペーン』の申込期間とキャンペーン期間は、8月19日~9月19日が、10月1日~22年3月31日の6か月間。9月20日~10月19日が、11月1日~22年3月31日の5か月間。申込期間によってキャンペーン期間が異なり、「加入は早めがおトク」と案内している。
PayPayの直近決算は営業損失719億円、有料化で赤字幅削減へ
PayPayの21年3月期の決算は、営業収益が前期比227.4%増となる299億8900万円で、
営業損失が719億8500万円(前期は834億6000万円の営業損失)を計上。大幅増収の一方、赤字幅は縮小したものの多額の営業費用を要していた。
有料化の決断にPayPayは、サービス開始から21年9月末までの手数料を無料とし、それまでキャッシュレス決済を導入していなかった街のお店を応援し、キャッシュレス化を推進。「PayPay」の登録か所数は約3年で340万か所を超え、PayPayが進めるキャッシュレス化に向けた取り組みが、加盟店やユーザーに受け入れられた結果と振り返っている。
年商10億円以上の法人も、10月以降は有料となる。なお、20年4月1日以降に加盟店となった年商10億円以上の法人の場合は、すでに有料としていた。
■PayPay『3%振り込みますキャンペーンページ』
https://paypay.ne.jp/store/camp/3percent/
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