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コロナ禍で巣ごもり需要が拡大したことにより、業績を大きく拡大させている通販会社が増えているが、こうした特需に頼らずに急成長している通販会社が(株)ファーマフーズだ。同社の医薬部外品『ニューモ育毛剤』関連製品の売上は、昨年8月に34億円程度だったが、今年の8月には290億円に達し、1年で約10倍増という驚異的な大ヒットを記録している。特需に頼らず、近年稀にみる急成長がなぜできたのか? 同社のマーケティング戦略に迫った。
『ニューモ』シリーズ商品
ファーマフーズのベースは研究開発
まずはファーマフーズの事業について見ていきたい。同社は通信販売、機能性素材、創薬の3つをメイン事業としている。2006年に東証マザーズに上場し、現在は東証1部に市場を変更している。研究開発に強みがあり、血圧改善やストレス低減の食品原料として世界的なシェアを持つ「ファーマギャバ」、たまごの中に含まれている生命に必要な成分に注目して開発した「i HA」「ボーンペップ」「HGP」などの独自の機能性素材を持つ。
こうした独自素材の良さを消費者に直接伝えるために2012年に通販を開始した。たまご由来の素材を活用した製品シリーズを通販ブランド「タマゴ基地」として展開。その後、製品ラインナップを拡大し、テレビ・ラジオを中心としたマーケティングで順調に市場を拡大。ここ数年で、育毛剤の『ニューモ』シリーズが急成長している。
(株)ファーマフーズ 通販事業部・加納新也次長
通販売上の85%が『ニューモ』に
同社の通販事業部・加納新也次長は「ニューモは2018年12月に発売を開始しましたが、現在では弊社のメイン商品となっています。通販事業部の今期の売上は現在340億円(7月末時点)ですが、ニューモはこのうち290億円で、通販売上の85%を占めています」と話す。
『ニューモ』は3種の有効成分を配合した医薬部外品の育毛剤で、他社の製品と大きく異なるのが、独自成分の頭皮保護成分「HGP」を配合していること。育毛剤は男性向けと女性向けで大きく異なるものが多いが、同社の製品は男女兼用でパッケージも同じで、ユーザーの4割が女性だという。また、『ニューモ』は育毛剤のほか、サプリメントもあるが、同時購入するユーザーも増えている。
他社製品にない特徴があり、差別化された商品力の高さが売りではあるが、それは『ニューモ』が1年で売上10倍を達成した要因とは言えない。『ニューモ』が大ヒットを記録する要因は何なのだろうか?
『ニューモ』大ヒットの3つの要因とは?
加納氏は『ニューモ』大ヒットの要因として、(1)商品のストーリーがわかりやすく、ユーザーの支持を得たこと、(2)コロナ禍に入り、広告費が大きく下がったタイミングで多額のマーケティング費用を投下したこと、(3)消費者に飽きられないために大量のクリエイティブを投下したこと、の3点を挙げた。
(1)のわかりやすいストーリーとは、たまごをあたため、ひよこがフサフサの状態で生まれてくることに納得するユーザーが多いことだ。「『ニューモ』の訴求は、ユーザーに理解されやすいことが大きかった」(加納氏)とし、製品訴求のわかりやすさが購入のしやすさにつながっていることがわかる。
広告宣伝費用が安くなったこと(2)について加納氏は「コロナ禍で多くの企業が広告宣伝を控えるようになり、各種メディアの広告料金がそれまでの3分の1以下に下がりました。元々伸びている商品だったので、ここでアクセルを踏み、ニューモだけで146億円の費用を投資しました。大量の広告を投下したことで、火がついたように一気に売上が拡大していきました」と語った。通販事業自体の宣伝費(子会社を除く)は183億円だったことから、広告予算の約8割をニューモに充てるほど、同商品に賭けて勝負に出たことがわかる。
作成したクリエイティブは月間3000点以上に
注目すべきは3点目の「大量のクリエイティブの投下」だ。加納氏は「クリエイティブは摩耗されがち。お客様には何回か見ただけでもすぐに飽きられてしまいます。なので、バナー広告や小窓の広告など、作成したクリエイティブは月に3000点を超えています。広告に記載する記事は20本以上、最終的にコンバージョンにつなげるLP付のクリエイティブは5本以上用意し、常に変えている感覚ですね。私は他社を含めて15年以上、通販関連のプロモーションに携わってきましたが、ここまで多くのクリエイティブを作成したのは、今回が初めてのことです。常に新しく、変わった見せ方をすることで、多くの人がクリックしてくれるようになりました」と成功の秘訣について語った。
加納氏によると、146億円の広告投資の配分は、「ネット広告」が約50%を占め、テレビ は約30%、紙媒体 は約15%程度で、ラジオは数%だった。ネット広告は運用型の広告や成果報酬型のアフィリエイトなど。
アフィリエイト広告については、過剰な表現が社会的に問題化しているが、この点について同氏は「広告表現については、関連法規に違反していないか社内で厳しくチェックしています。また、アフィリエイトについては、ASP側でもチェックしていただいているほか、アフィリエイターとも覚書を交わし、ルールを守れる方しか利用できないようにしています」と話し、広告表示についても厳格なチェック体制を整えていた。
急成長を支えた決済サービスとは?
また、急成長を陰で支えていたのが決済サービスだ。『ニューモ』の購入者層のメインはシニア層で50~60代が全体の6割を占め、新規購入時には多くの人が「後払い決済」を選択。同社ではクレジットカード、後払い決済、代引き決済、口座振替の4種類の決済サービスを提供しているが、67%が「後払い決済」だった。
同社が導入している後払い決済サービスは、ジャックス・ペイメント・ソリューションズ(株)の「アトディーネ」。加納氏は「以前に使っていた後払い決済は、与信に時間がかかって受注まで持っていけないことが多かったです。決済という注文の最後で離脱することになってしまうため、厳しい状況でした。アトディーネは与信が即座にできるので、その場で受注できる。そこが一番助かりました。出荷までの時間も短縮されています」と話し、アトディーネがニューモの急成長を支えていたことがわかった。
『ニューモ』ブランドのラインアップを拡大へ
今後について加納氏は「『ニューモ』ブランドを拡大させていきたい。9月にはシャンプー、10月にはまつ毛美容液の商品を発売する予定です。最終的な目標は5年後に通販だけで売上1000億円を達成することです」と話した。
通販業界では広告規制の強化などで、近年では売上を年々倍増させるような商品は少なくなってきた。コロナ禍の特需も落ち着きをみせているなか、研究開発をベースにした高い商品力とともに、ここぞとないタイミングでリスクを取った投資を敢行し、着実なマーケティング手法で急成長を遂げた同社。今後もこの勢いは続いていきそうだ。
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(山本 剛資)
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