ソフトバンク(株)の子会社であるSBペイメントサービス(株)が9月30日に発表した『コロナ禍での新たなEC消費・行動変容調査』の結果によると、長引くコロナ禍の影響で、さまざまな商品購入やサービス利用でオンライン需要が高まっている暮らしぶりが浮かび上がった。
若い世代でEC利用の頻度が増加
調査は7月16日~8月12日。全国の10~90代の男女3606人に聞いた。それによると、ECによる買い物やサービス利用経験者の頻度は、コロナ禍で「増えた」が34.5%で、「コロナ前は利用していない」も1.6%。外出自粛がEC利用を後押し。特に10代女性は61.6%、10代男性と20~30代女性が40%以上と、若い世代でEC利用の頻度が増加していた。
オンラインの新たな使途は、「ライブ・コンサート鑑賞」(15.0%)、「スポーツ観戦」(8.4%)、「飲み会・歓送迎会」(7.4%)など。「人混みなどの感染リスクを避けるため」(52.1%)のほか、生ライブをやらないからなどの声も。臨場感が足りない、味気ないなどの不満はありながらも、オンラインで鑑賞・観戦できるよう、事業者側も対策を行ってきたことが見受けられる。
新たにECで買うようになったものは「ファッション」「食品」「家電」など
コロナ禍で、新たにECで贈るようになったギフトは、「誕生日祝い」(7.7%)、「母の日・父の日・敬老の日のギフト」(6.7%)、「お中元・お歳暮」(5.9%)。「自宅から贈ることができるため」(53.8%)をはじめ、自宅訪問を避けるため、帰省できなくなったため、などが理由に挙げられた。各種ギフトは、相手に直接会ってお祝いの言葉と一緒に渡したいという声が多い一方で、ECギフトが増えつつあることが分かる。
同じく、新たに買うようになったものは、物販カテゴリでは「ファッション・インナー・ファッション小物」(21.0%)、「食品・スイーツ・ソフトドリンク」(20.0%)、「家電・PC・通信機器」(17.2%)など。「自宅から購入できる」(60.6%)のほか、店が営業していない、などが理由に挙がっていた。ECでのアパレル購入は、サイズ感や色・素材などが分かりにくいなどの不安はあるが、、コロナ禍でも快適に過ごすために積極的に購入したいニーズがあることがうかがえる。
決算手段はクレカが64%、PayPay(オンライン決済)が7.6%に
デジタルコンテンツカテゴリでは「動画視聴サービス」(18.9%)、「電子書籍」(12.2%)が上位に挙がった。理由は、「いつでも時間を気にせず購入できる」(50.0%)のほか、おうち時間を充実させるため、人数が触れる可能性のある書籍は衛生面が気になるためなど。電子書籍については、実際の書籍のほうが読んだ実感や達成感がある一方で、手を触れるものが気になるコロナ禍の時代に注目されていると考えられる。
コロナ禍前の1年間(2019年3月~20年2月)と、その後の1年間(20年3月~21年2月)に、買い物やサービスなどのEC利用金額は、「1万円未満」が15.2%から9.9%に減少。また、「1万円以上」のすべての項目で、コロナ禍前の1年間と比較して割合が高くなっていた。
決済手段は、「クレジットカード決済」が64.1%、「PayPay(オンライン決済)」が7.6%だった。決済手段を選ぶ理由は、PayPayやYahoo!ウォレット決済は、「ポイントやキャンペーンなどの還元率」が約30%、代金引換や後払い決済、キャリア決済は「簡単」で33%以上、口座振替は「セキュリティが安心」が21%以上と主な理由として挙げられていた。
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