(株)ネオマーケティングがこのほど発表した「リアル店舗とオンラインショップ」の使い分けなどをテーマにした調査結果によると、実態はまだ実店舗購入が優勢だが、「本・CD・DVD」「ゲーム・ホビー」など、ジャンルによっては肉薄傾向も。EC購買までのルートとして、SNSを抜いて「YouTubeでのレビューチェック」が伸びていることも明らかになった。
店舗とECを使い分ける層が存在
コロナ禍を機に、実店舗で購入していた衣服や生活用品などをECショップで購入するようになった人は多い。一方、ECを利用してみて、改めて実店舗での買い物の楽しさや便利さに気づくこともあるはず。調査は、実店舗とECそれぞれの選択理由や使い分け、商品購入までの行動などから、オンライン・オフラインならではの価値を改めて探ることが狙い。9月15日~17日の3日間、全国の20歳~79歳の男女1000人に聞いた。
「衣服・ファッション小物」「食品・飲料・酒類」「家電・TV・カメラ」「美容・化粧品」でみると、購入場所はすべてのジャンルで「主に実店舗」が多く、「陳列棚にある商品全体を見たいから」がそれぞれ20%強だった。ただ、一方で「本・CD・DVD」「ゲーム・ホビー」については、「主に実店舗」が28.0%・19.7%、「主にEC」が26.9%・19.0%と接近。偏りがなく、どちらの購入場所にも魅力を感じている人が同程度いることが分かる。
「衣服・ファッション小物」をOLで購入する理由は「大量の商品をゆっくり比較したい」など
「衣服・ファッション小物」「食品・飲料・酒類」では、「商品を生で見て決めたい」が56.8%・42.7%と最多。「食品など」では、「すぐに手に入れたい」(41.7%)が続き、実店舗との親和性の高さをうかがわせた。「美容・化粧品」では、「商品を生で見て決めたい」は39.4%で、「衣服など」より、ニーズは大幅に下がっていた。「家電・TV・カメラ」は、「アフターケア」「販売員の説明・相談」を求める声が17.2%・23.9%に上っていた。
「主にオンラインショップで購入」する理由では、「衣服・ファッション小物」からは、「接客を受けずに・大量の商品をゆっくり比較したい」というニーズが読み取れた。「美容・化粧品」では、「実店舗の接客を受けたくない」は10.2%と、「衣服など」の18.8%より少なかった。また「ゆっくり選びたい」も17.0%と、「衣服など」の31.6%より少なかった。「衣服・ファッション小物」の方が、EC購入ならではの良さを感じている人が多いことが分かる。
「価格」と「緊急性」で店舗とECを使い分け
「家電・TV・カメラ」に「パソコン・スマホ・周辺機器」を加えたジャンルの購入理由については、圧倒的に「実店舗より安い」が多く、40%強だった。
「実店舗とEC半々」という回答では、「衣服・ファッション小物」で、「高級品かどうかで分ける」が16.4%に上った。ハイブランドは実店舗、ファストブランドはオンラインという分け方をしている人が多いのかも知れない。「食品・飲料・酒類」は、緊急性の高いジャンルだが、「クーポンの有無で分ける」(22.0%)も、重要な判断要素であることが分かった。
実店舗・オンラインショップの購入方法の分け方について、多かったのは「価格」と「緊急性」。実店舗で購入した際に良いと思ったことは、「販売員のアドバイスで誤った買い物を避けることができた」という経験や、「買う予定でレジに行ったら服のほつれに気付いて値引きしてくれた」など、実店舗ならではの臨機応変さついての声もあった。
実店舗での購入行動は「販売員に相談する」が27%で最多に
実店舗での商品購入までの行動については、「販売員に相談する」が27.0%で最多だった。一方で、23.6%が「その場でスマホからECショップと値段を比較する」と回答。また、「その場でスマホから店舗商品の口コミを見る」12.4%と、少なくなかった。
オンラインショップでの商品購入まで、最も多い行動は「口コミサイト・掲示板を見る」で32.3%。一方で、「YouTubeで商品レビュー動画を観る」が各SNSでの口コミ検索を抜いて12.7%となった。YouTubeにはゲームやコスメ、衣服など幅広くレビュー動画があるが、購買までのルートとしての重要度は今後ますます加速していくかも知れない。
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