(株)ファンケルが28日発表した2022年3月期第2四半期(21年4~9月)連結決算は、売上高が前年同期比8.1%減の498億7600万円、営業利益が同6.0%増の51億7100万円、純利益は同13.9%増の40億7000万円となった。
不織布マスクの反動減などで全体では減収
売上高は、主力の化粧品関連事業と栄養補助食品関連事業が増収となったが、前期に販売を開始した不織布マスクの反動減などで、全体では減収となった。営業利益は三島工場(サプリメント工場)、関西物流センターの稼働に伴う減価償却費の増加などがあったが、関連事業の原価率改善による売上総利益の増加や広告宣伝費の効率的な使用などで増益となった。
化粧品関連事業は通販が4%減
化粧品関連事業の売上高は前年同期比1.9%増の282億4400万円、営業利益は同13.6%増の35億1200万円。売上高の内訳は、通信販売が同4.0%減の145億8800万円で構成比は51.6%。店舗販売は同8.3%増の61億900万円で、21.6%、卸販売他が同11.9%増の39億9800万円で、14.3%、海外が同7.2%増の35億4700万円で、12.6%だった。
ブランド別では、ファンケルの売上高が前年同期比1.5%減の202億7100万円で、構成比は71.8%。キリンとの共同研究でリニューアル発売した『マイルドクレンジングオイル』などが好調に推移した。10月発売のエイジングケア製品『ブランシック』の販売チャネルは、国内はECでの定期購入中心に、海外は22年度以降に中国越境ECでの展開を計画している。
アテニアは、4月に発売した『ドレススノー』が好調で、基礎スキンケア利用率が7%アップするなど、売上高は前年同期比20.9%増の70億400万円となった。また、海外向けには『アイ エクストラ セラム』をW11に向けて限定セットを発売。認知と売上向上をめざす。bosciaはリアル店舗向けの卸販売が振るわず、同48.2%減の5億2900万円となった。
栄養補助食品関連事業は健康食品が好調
栄養補助食品関連事業は、売上高が前年同期比2.6%増の184億6000万円、営業利益は同4.9%増の25億2800万円。チャネル別では、通信販売が同2.5%増の83億7600万円で、構成比は45.4%。店舗販売は同19.6%増の32億6400万円で、17.7%。卸販売他が同16.4%減の46億7700万円で、25.3%。海外は同43.3%増の21億4100万円で、11.6%だった。
『内脂サポート』はリニューアル前の買い控えなどで前年を下回ったが、11月から新テレビCMを展開し、新たに女性ユーザーの獲得をめざす。『免疫サポート』はラインナップを拡充。1人ひとりの健康状態に合わせた最適なサプリメントをワンパックで提供するオーダーメイドサプリ『パーソナルワン』のユーザー数も着実に増加している。
OMOの取り組みが奏功、店舗・通販の両チャネル併用ユーザーは購入費が約3倍に
今期は、ファンケルらしいOMOの取り組みが奏功。店舗・通販の両方のチャネル併用しているユーザーの年間購入費は約3倍。10月20日にスマホアプリを統合するなどで、さらなる体験価値の向上を図っている。前期末に新設した情報サイト「FANCL CLIP」では、WEB起点の発信強化でユーザーの変化に即応。閲覧者の購入金額は約1.6倍になっている。
同社は、22年3月期の通期業績予想を修正した。売上高を1090億円から25億円減額し、1065億円(前期比7.3%減)とした。新会計基準を適用した業績予想とし、営業利益と純利益などは適用前後での変更はない。
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