2021.11.26 コラム
「ブランディング」とは?意味や目的、成功させるための手法を考える
ブランディングとは企業や商品の価値を高めることで他社との差別化を図るためのマーケティング手法の一つです。ただ利益を上げるだけでなく、社内意識の統一や採用の効率化などの効果があります。今回はブランディングの意味や目的、手法について解説します。
Q.ブランディングとは?
ブランディングは英語の「Branding」から使用されている言葉で、企業やサービスのブランドを構築するという意味です。マーケティングにおけるブランディングの本質とは、「企業や商品の存在意義を明確化し、その意義が生み出す提供価値を求めている人々に想起させること」にあります。
ブランディングは商品を効率よく売るためには欠かせない戦略ですが、その種類や領域にはさまざまなものが存在します。例えば「企業自体のブランディング」「商品のブランディング」「社内に向けたブランディング」「採用ブランディング」などです。
いずれのブランディングの場合も、他社製品やサービスとの差別化を図ることが重要となり、商品デザインやブランドロゴ、キャッチコピーや商品名、キャラクターなどの要素を組み合わせて、それぞれの企業のブランドを形成していきます。
後述で詳しく解説しますが、これらのブランディング領域について正しく理解をし、必要なブランディングが何かを考えていく必要があります。
ブランディングの目的や対象
まずはブランディングの目的や考えられる対象について理解しましょう。 ブランディングの目的は「企業の利益を上げるため」「企業価値を向上させる」といった2つが主になります。
またブランディングの対象は社外向けと社内向けに大きく分けることができ、それぞれ「アウターブランディング」「インナーブランディング」と呼ばれます。 それぞれについて解説していきます。
Q.ブランディングを行う目的とは?
(1)企業の利益を上げる
ブランディングを上手に活用することで競合他社との差別化を行うことができます。差別化に成功すると、そのカテゴリの商品購入をユーザーが検討した際に自社商品を想起させることができます。 結果として、ブランディングができていない場合と比べると企業全体の利益率を高めることになり、中長期的に売り上げを述べしていくことが期待できるでしょう。
(2)企業価値を向上させる
「どのような企業なのか」「どういった思いで商品を作っているのか」など企業からのブランドメッセージを配信することで、ユーザーだけでなく社内の従業員からの安心や信頼につなげることができます。 企業の信用が高まると株価の安定や求人数の増加など、広い領域や分野において貢献することができます。商品だけではなく企業の評価を高めることが期待できるため、ブランディングの重要性は非常に高いといえるでしょう。
Q.ブランディングの対象とは?
一般的に社外ユーザーへのブランディングのイメージが強いかもしれませんが、ブランディングの対象は「アウターブランディング」と「インナーブランディング」の2種類に分けることができます。
◇アウターブランディング
ユーザーや他企業を対象とした「外部」へのブランディングをアウターブランディングといいます。 ユーザーの目線からすると「聞いたことがある企業」「テレビCMで見た企業」というのは無意識に信頼してしまうものです。この信頼を得ることがアウターブランディングの目的といえます。
◇インナーブランディング
主に従業員に向けた企業ブランディングをインナーブランディングといいます。 企業理念や経営方針、企業が何を求めているのかを明確にすることで、社員の意識の統一やモチベーションの向上の効果が期待できます。
最適なインナーブランディングを実施することで、社員の作業効率や生産性が高まり、企業の業績向上につながるケースが多くあります。また、インナーブランディングに成功することでアウターブランディングに積極的に取り組むようになるなどの相乗効果も見込めるでしょう。
続いてブランディングの役割を企業側とユーザー側に分けて解説します。
企業がブランディングする4つの目的
企業側のブランディングの役割には以下のようなものがあります。
1. 市場での差別化
市場における競合他社サービスとの比較材料となり、自社サービスについて優れたブランディングが行われている場合、ユーザーの購買行動を促進させる役割があります。
2. 顧客ロイヤリティの向上
顧客が自社サービスを購入することに価値を感じてくれるようになります。また新規ユーザーからの信用にも良い影響を与えます。
3. 広告コストの削減
ブランディング戦略を上手く構築できると、新規ユーザーの獲得につなげることができます。そのため新規ユーザー獲得のための広告費を削減できる可能性があります。
4. 利益率の向上
広告コストの削減や価格の引き上げなどが実現すると、結果的に利益率の向上につながります。中長期的な見方が必要ですが、利益率を上げることが業績アップにつながるためブランディングの役割は大きいといえるでしょう。
ユーザー側のブランディングの役割
また、企業がブランディングを行うことでユーザー側から見た役割も生まれる可能性があります。
【品質保証】
知名度の高いブランドや評価の高いブランドを購入する際に、品質に対する安心感が生まれます。品質重視で購買するユーザーに対しての大きなポイントとなります。
【意思決定までの時間短縮】
数多くのショップから商品を選定する時間を削減することができます。特定のカテゴリの商品が欲しいと思ったタイミングで、そのブランド商品を購入することをイメージできるようになります。
【ステータス向上】
ブランド商品を手にすることで、周囲へのステータスをアピールすることにもつながります。これは高級ブランドに限ったことではなく、多くの人が愛用するブランドや品質などの評価が高いブランドにも当てはまります。"
Q.ブランディングの3大メリットとは?
ブランディングを行うことで営業やマーケティング、採用などの部署にそれぞれメリットが考えられます。
・営業活動におけるメリット
・マーケティングにおける
・採用におけるメリット
これらについて解説していきます。
☆営業活動におけるメリット
ブランディングを行うことで世間の認知度が上がると、営業マンが新規顧客を獲得する際の営業活動の効率を上げることができます。テレアポやDMによる営業の場合でも、まったく知らない企業やサービスよりも、聞いたことのあるブランドからの電話やメールの方が、営業される側のハードルも下がるでしょう。
営業効率が上がることで人件費の削減や、他の業務への工数移行などにつながります。"
☆マーケティングにおけるメリット
本来マーケティング戦略を構築する際に、広告媒体の選定であったり、広告媒体への出稿のための広告宣伝費の確保などが必要になります。ブランディングに力を入れることで、ロゴやサービス名を見ただけで商品を想起させることができ、広告費の削減や認知度の向上などの多くのメリットが考えられます。
☆採用におけるメリット
ブランディングは営業活動やマーケティングだけでなく、自社の採用においてもメリットを得ることができます。
有名なブランドの求人に多くの求職者が集まることはイメージしやすいでしょう。直接利益につながることだけではなく、社内の様々な部署にとってもブランディングを行うメリットがあります。
ブランディングの実施手法
ブランディングを行う手法は企業によってさまざまですが、根本的な考え方は大きく変わりません。例えば以下のような手法を活用してブランディングを行うとよいでしょう。
□環境分析
「3C分析」「PEST分析」などが主な手法です。それぞれの分析について簡単に解説します。
・3C分析:Customer(顧客のニーズ)、Competitor(競合の強み弱み)、 Company(自社の強み弱み)の3つの要素から、自社サービスが他社競合の中で優位に立つための要因を分析します。
・PEST分析:「政治的要因」「経済的要因」「社会的要因」「技術的要因」の4つの要因を分析することで、外部からの影響や世間の流れを抑える分析手法です。
□ブランドの方向性を決める
自社商品やサービスをどのように売り出していくかを明確にします。ユーザーニーズや経営方針を上手く掛け合わせることが大切です。
方向性が決まると、誰にどのようなサービスを提供するべきかが明確となり、他社サービスと比較したときの強みを生み出すことにつながります。それらをブランディング戦略に落とし込むことが重要です。
ブランディングを成功させるポイント
ブランディングを成功させるために押さえておくべきポイントは2つです。
〇既存顧客の意見を取り入れる
企業側が考えるブランドイメージを追求することも大切ですが、既存顧客のリアルな意見を取り入れることも大切です。 それにより本当の自社の強みや差別化ポイントが明らかになることがあります。
〇自社のカラーを明確にする
ブランドのイメージを浸透させ、競合との差別化を図るためにはブランドのカラー(ブランドコンセプト)を明確にすることが大切です。具体的には商品やキャッチコピー、広告クリエイティブなど細かい部分を統一することです。一貫性を持ったプロモーションや商品開発を行うことでユーザーの印象に残りやすくなります。
ブランディングで効果的に成長させるカギ
自社で開発した商品がせっかく魅力的なものなのに、売り上げが伸び悩んでいるという企業はブランディング戦略を見直すことをおすすめします。
ブランディングは営業活動やマーケティングの効率を上げるだけではなく、社内の従業員のモチベーションを上げたり意識を統一したりといったメリットもあります。
ブランディングは中長期的に戦略を立てていく必要がありますので、自社商品や市場を深く分析をして、常にPDCAを回していく姿勢が大切になるでしょう。ぜひ自社ブランドの価値を上げるための方法を考えてみましょう。
ブランディングに関連する資料
当サイト「通販通信ECMO」では、ブランディング制作に関する資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。
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まずは情報収集から始めたいという方向けにブランディング制作に関する記事をまとめています。以下のリンクからご確認ください。
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