(株)イルグルムが提供する広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」が13日発表した『企業のWebマーケティングにおけるCookie利用規制の影響に関する調査」によると、9割近くが規制の影響を実感。主にWeb広告の効果測定で感じていることがうかがえた。
「Cookie」の利用規制が本格化
オンラインにおけるプライバシー保護への関心の高まりから、Webブラウザの閲覧履歴などを保存する「Cookie」の利用を規制する動きが本格化しつつある。EUで施行されたGDPR(一般データ保護規則)をはじめ、Webブラウザにおける3rd party Cookieの利用規制など、Web上のユーザー行動データの収集において大きな変化が起きている。
国内でも今年、改正個人情報保護法が施行されるなどの動きが見られる中、Cookie利用規制の影響について2021年11月、企業で経営・経営戦略、マーケティング・企画、販促・広告の業務に携わる320人を対象に聴取した。
Cookie利用規制に66%が「関心がある」
それによると、「利用規制についての関心度合い」は、66.6%が「非常に関心がある」「どちらかといえば関心がある」と回答。関心度を月間のWebプロモーション費別でみると、広告予算が500万円未満の企業では「非常に関心がある」が19.8%だったのに対し、500万円以上の企業では40%で、広告予算が高いほど利用規制への関心も高くなっていた。
また、Apple社が提供するトラッキング防止機能「ITP」と、トラッキング事前許可通知機能「ATT」に関する影響について、どちらも約6割が「非常に理解できている」「どちらかといえば理解できている」と回答した。マーケティング業界で、Cookieの利用規制に関する認識が広まる一方で、どちらも「非常に理解できている」の回答は約3割に留まっていた。
具体的な影響は「リタゲの効果が悪くなった」「広告計測が正しくできない」など
「日々のマーケティング活動の中でCookieの利用規制の影響を受けていると感じたことはあるか」という質問には、87.1%が「非常に影響を受けていると感じる」「どちらかといえば影響を受けていると感じる」と答え、多くが影響を実感していることが分かった。
具体的に影響を受けている場面(複数回答)としては、「リターゲティングの効果が悪くなっていると感じたとき」(71.8%)、「広告の効果計測ツールで正しく計測できてないと感じたとき」(52.3%)、「媒体の管理画面で成果数が減っていると感じたとき」(31.5%)、「周囲から対策・対応を求められたとき」(19.5%)などが挙げられた。主にWeb広告の効果測定において影響を実感していることがうかがえた。
影響についての対策・解決策への関心度は、66.3%が「非常に関心がある」または「どちらかといえば関心がある」。対策・解決策の実施状況では、68.2%が「実施している」「実施はしてないが、検討している」と回答し、今後対策を実施する企業が増えることが考えられる。
「有効なツールを探している」という声も
「どんな解決策を実施・検討しているか」(自由記述形式)では、「実質的な広告効果測定を可能にできる環境を整備したい」「複数の広告効果の一括管理ができるツールを探している」といった回答があり、Cookieの利用規制の中でも正確な広告効果測定が実施できる環境が求められていることが分かった。
ほかにも、「実質的な広告効果測定を可能にできる環境を整備したい」「複数の広告効果の一括管理ができるツールを探している」「IDを軸としたターゲティングができる媒体の選定」「代替技術の活用」「違うプラットフォームでの提供を開始する」などの回答が挙がっていた。
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