シュッピン(株)が7日発表した2022年3月期第3四半期(21年4月~12月)決算は、売上高が前期比28.3%増の308億8500万円、営業利益が同99.8%増の23億3100万円、純利益は同108.7%増の16億3900万円となった
買取価格の自動アシストシステム「AIMD」による最適化が奏功
売上高、営業利益ともに期初計画を大きく上回った。利益面では、EC成長を加速させる仕組みの1つとして、主力のカメラ事業に導入した中古カメラの販売、買取価格の自動アシストシステム「AIMD」による最適化の効果が顕在化。売上高を大きく伸ばしながらも、売上総利益率は引き続き高い水準を維持した。各利益段階では、それぞれが過去最高益となった。
ECの売上高は前年同期比18.3%増の221億1700万円で、構成比は71.6%となった。10月に一時的に前年対比を割ったが、11月以降は順調に伸長。12月は過去最高を更新した。第3四半期単体の自社サイト比率はで前年同期比1.8%減の79.1%となった。越境ECも好調に推移。大きく売り上げを伸ばした11月は過去最高額を更新した。Web会員数は毎月の新規会員数が4000~5000人台で増加し、12月には55万人を突破した。
LINE・YouTubeのアカウント情報を自社ECサイトと紐づけ
また、新たな情報発信の場としてすべての事業でLINE公式アカウントとYouTubeチャンネルを開設。LINEなどの外部サービスのアカウントと同社アカウントを紐付け、同社ECサイトへ簡単にログインできる機能を追加するなど 新たな仕組みへの継続投資を実行した。
カメラ事業は、売上高が前年同期比12.8%増197億5800万円、セグメント利益は同31.7%増の22億2900万円となった。「AIMD」の本格稼働と独自機能やサービスを活用したOne to Oneマーケティングを掛け合わせることで、月平均の価格情報のリクエスト配信数が従来の約6倍となる110万件まで増やすことが可能となり、取引機会の増大が図られた。
時計事業の売上高が83%増
時計事業の売上高は前年同期比83.3%増の102億4400万円、セグメント利益は同315.5%増の7億1600万円となった。新品に比べて売上総利益率の高い中古売上高の構成が上がったことで、全体の売上総利益率が改善。人気ブランド「ROLEX」の買取強化による在庫量とECサイトでの品揃えに注力することでEC売上、店舗売上ともに大きな伸びとなった。
筆記具事業は、売上高が前年同期比16,6%減の2億8400万円となったが、適切な販売価格の設定による売上総利益率の改善と販売費、一般管理費の圧縮で黒字に転換。セグメント利益は180万円(前年同期は1900万円の損失)となった。
通期業績予想を上方修正
自転車事業の売上高は前年同期比4.1%減の5億9700万円と前年水準を維持。セグメント利益は自社ECサイトでの各種施策とコンテンツの拡充で、自社サイト比率を上昇させたことによる利用手数料低減などもあり、同16.3%増の3500万円となった。
こうした業績動向を踏まえ、1月17日付で22年3月期の通期業績予想を上方修正した。売上高は388億3100万円から415億7600万円(前期比22.4%増)、営業利益は19億9600万円から29億6600万円(同83.9%増)、純利益は13億6300万円から20億7300万円(同94.2%増)を見込んだ。主力のカメラ事業でECでの売上が好調に伸長し、時計事業も売上高が前回予想を大きく上回る見通しを示した。
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