NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(株)は3日、通販化粧品を対象に顧客ロイヤルティを測る指標である「NPSベンチマーク調査2021」の結果を発表した。最もNPSが高い1位企業には「FANCL」が選ばれた。
化粧品としての品質や効果の実感がロイヤルティを醸成
NPSは「Net Promoter Score」の略で、いままで計測が難しかった「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」を数値化することで、企業の顧客との接点における顧客体験の評価・改善に生かされている。
調査対象としたのは、「ASTALIFT」「DHC」「FANCL」「ORBIS」「ドモホルンリンクル」「ドクターシーラボ」「ハーバー研究所」「パーフェクトワン」の8ブランド。1月28日~2月1日に、これらを利用している10~60代以上の女性2689人に聞いた。
業界全体のロイヤルティの要因を18の項目で分析したところ、「効果・効能」「使い心地の良さ」「品質の良さ」といった、化粧品としての品質や効果の実感がロイヤルティを醸成する結果となった。「企業イメージ・ブランドイメージの良さ」「商品の信頼性・安全性」など、企業・ブランドのイメージや信頼性に関連した項目も、ロイヤルティに寄与する要因となった。また、「有効成分の含有量」に対しても利用者の関心が高い傾向となった。
「FANCL」はブランドイメージ、商品の信頼性や安全性で高評価
NPS1位の「FANCL」(2.3ポイント)は、企業・ブランドのイメージ、商品の信頼性や安全性で高評価。キャンペーンやイベントの魅力、会員制度や長期契約者向けの特典といった点でも満足度が高かった。2位は「ハーバー研究所」(-2.5ポイント)、3位は「ORBIS」(-5.6ポイント)。NPS平均は-10.7ポイントで、トップ企業とボトム企業との差は20.0ポイントだった。。
対象の通販化粧品を2年以上利用している利用者に、コロナ禍前と比べてお薦めしたいという気持ちに変化があるか調査したところ、13.1%が「以前よりもお薦めしたいと思っている」と回答した
理由は、「買いに行かなくてもオンラインですぐ手に入るから」(30代)という通販ならではのメリットのほか、「マスク荒れなども無く、肌がしっとりと潤いハリがある状態を保てているから」(10代)、「マスク生活になり肌の負担がさらにかかってきているから」(50代)、「マスク生活などで荒れがちな肌を整えてくれるから」(30代)など。マスク着用の生活が続く中、「マスク荒れ」といった肌荒れを予防として、商品を評価している声が高かった。
スキンケアカウンセリングの利用経験者は9.1%
利用している通販化粧品で、過去1年以内に店舗やオンラインで実施しているスキンケアカウンセリングの利用経験の有無では、全体の9.1%が「有り」。利用経験の有無別にNPSを分析したところ、利用者のNPSは-10.3ポイントとなった一方、「無し」のNPSは-31.1ポイントとなり、カウンセリング経験がある利用者のNPSが高くなる結果となった。
また、対面・オンラインでのカウンセリング経験がある利用者が「求めていること」は、「自身の肌の状態や年齢に合わせた適切な商品の紹介」が最多で62.0%。次いで「スキンケア商品の適切な使い方」「商品の効果や効能、有効成分の含有などに関する知識」となり、自社製品に関する正しく豊富な知識を適切に紹介できることに対してニーズが高かった。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。