2022.03.11 マーケティング
勝ち筋は「小紅書×KOL×ミニプログラム」、中国越境EC攻略法を徹底解説
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EC・通販業界で、中国越境EC進出への関心は依然として高い状況だ。2021年の「独身の日(W11)」はお祭り騒ぎ感こそ薄かったものの、引き続き過去最高を更新した。日本企業でもANA系やヤーマン、トランスコスモスチャイナなどが絶好調の成績を叩き出した。まだまだ日本のEC事業者にとっては大きなビジネスチャンスがある、注目すべき市場だ。ただ、これからの参入など後発で成功するにはどうすればいいだろうか。越境ECにチャレンジする企業をトータルサポートする(株)マルウェブの前山和範社長によると「小規模な事業者でもコストを抑えながら成功できる勝ち筋はある」と力説する。本記事では中国越境ECで成功する方法を探る。
マルウェブの前山和範社長
中国進出3パターンのメリット/デメリット
中国向け越境ECを行う場合、方法は大きく分けると3つのパターンとなる。
1つ目は中国のモールへの出店。「京東商城(JD.com)」や「T-mall(天猫)」といった代表的なモールへ出店する方法だ。2つ目は、日本で言う「自社EC」の展開。独自ドメインでサーバーを立てて進出するという方法。そして3つ目が、「WeChat」など現地SNS内でEC販売を行う「ミニプログラム」を活用した展開だ。以下、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説する。
▽モール出店
モール出店については、モール自体に既にユーザーが付いている状況下で商品が検索インデックスに登録されるため、いきなり売れる可能性がある。これが大きなメリットとなる。一方で、ヒット商品があると他社も同じような商品の売り出しが始まる。マルウェブの前山社長は「日本でもヒット商品が生まれるとフォロワー戦略をとるメーカーが続くのは常だが、中国でも同じことが起こる。そして、日本以上のスピードとボリュームでフォロワー戦略が動く」と指摘する。「いわばモール上の “検索汚染”がすぐに始まってしまう」(同)のだという。
モール出店にはもう1つ大きなデメリットがある。それは「参入障壁の高さ」(前山社長)だ。「海外企業だとそもそも出店できない可能性が高く、出店できたとしても保証金が必要であったり、メーカーであることが条件だったりと何かとハードルが高い」(同)からだ。また、「中国のECモールも、出展者側からすると日本のECモール同様の問題を抱えている。それは、顧客は出店者のものでなく、JDやT-mallの顧客であるということ。囲い込みが難しい」(同)というポイントも指摘する。
▽独自ドメインEC展開
独自ドメインECのメリットの最大のメリットは、「顧客が自社につくこと」「独自にカスタマイズしたサイトでEC販売ができること」だ。一方でデメリットとしては国内ECと同様に「集客の難しさ」などがあげられる。さらに中国越境ECにおいては「そもそも独自ドメインECで物が買われていない」(マルウェブ前山社長)ことが最大の壁として立ちはだかるのだという。「米国でも日本でも『DtoCモデル』への注目度が高く、このモデルは世界的に流行りつつある。ただ、中国で独自ドメインのDtoCモデルはまったく流行っていないのだ。中国の人は独自ドメインのECでの買い物に慣れておらず、中国現地ではそもそも独自ECで物を買う文化が根付いていない」(同)ことがネックとなるようだ。
▽ミニプログラム活用
そんな中で前山社長は「中国越境EC進出にはミニプログラム活用を一番推奨する」としている。ミニプログラムとは、いわばアプリ内アプリのことを指す。類語として「ミニアプリ」がある。例えば日本で言う、決済アプリ「PayPay」内から「PayPayモール」にアクセスできるようなものだ。
メリットは「中国現地の多くの人が日常的に使っているアプリ上で販売ができること」(前山社長)だ。「中国でミニアプリ構築ができるアプリとして、日本で言えばユーザーが毎日のように接している『WeChat』がある。これは中国テンセント社が展開するインスタントメッセンジャーアプリで、スマホを使用する中国人のほとんどが利用している。日本で言う『LINE』に近く、LINE上でスムーズにモノを売ることができると思えばメリットがわかりやすいのではないか」と話す。加えて「参入障壁は高くなく、モールとは違い顧客は自社につけることができる。そして何より中国現地の人たちにはミニプログラムでモノを買う文化が根付きつつあり、勢いがある販路だ。ミニプログラムはモール出店や独自ドメイン展開がもつ弱点がないのだ」(同)と優位性を説明する。
勝機は「ミニプログラム」にあり!?
前山社長が経営するマルウェブでは日本企業のミニプログラム活用による中国越境EC進出を支援している。同社では「WeChatミニプログラム for 中国越境EC」のサービス名で、「We Chat」上のミニプログラムEC構築を提供している。
◇「WeChat」ミニプログラム展開
「WeChat」のユーザー数は12億人といわれており、ビジネスの場でもごく普通に使われているほどのアプリだという。「現地ではEメールの代わりに『WeChat』を使ったり、買い物をしたりするなど、中国の社会インフラの一部となっている。『WeChat』のミニプログラムでのEC展開は日本で例えるなら、『LINE公式』の中にECが入っているというイメージになる。中国では『Alipay(アリペイ)』や『百度(バイドゥ)』といったアプリでもミニプログラムを提供しているが、ミニプログラムが流行っているのは『WeChat』。あくまで印象値だがユーザーの約半数が『WeChat』で買い物をしていると思われる」(前山社長)と分析する。
WeChatミニプログラムの画面イメージ
ミニプログラムではダイレクトに自社の顧客(フォロワー)になってもらえるメリットについては前述したとおりだが、「フォロワーがマーケターとして活躍してくれるケースがある」(同)ことも大きなメリットだという。
「例えば『WeChat』のミニプログラムでは会員カードのような機能があり、ログインするたびにポイントが付与され、プレゼントをもらえるといったインセンティブを用意できる。さらに、買い物をする、または友人や知人を誘うことによってもインセンティブをだすことができる。こうしたインセンティブによってフォロワーがSNS拡散し、新たな顧客を集めてくれるわけです。いわばアフィリエイターのような動き方を期待できる」(同)というわけだ。
またマルウェブが展開する「WeChat」ミニプログラムEC構築では「純粋アフィリエイト機能」が用意されている。「一度、あるフォロワーを通じて商品を買った人は、その後もそのフォロワーを通じて購入したとみなす機能も実装できる。さらに、アフィリエイターがほかのアフィリエイターを呼び込んで(2階層まで可能)、商品が購入されると数%の報酬が入るという仕組みもできる」(同)としており、フォロワーをマーケターとして活躍させることができる仕組みを揃えている。
集客成功の最適解は現地SNSとKOL活用
売り場の次に攻略すべきは集客だ。前山社長は「集約成功の最適解は『現地SNS』と『KOL』の活用」と断言する。同社はもともと中国越境ECでのマーケティング支援を取り組んでおり、現地SNSの運用代行などを手掛けてきた。「日本でも各種SNSの浸透度は高くなっているが、同様に中国でもSNS全盛。やはりどんな形の中国越境ECでも集客の要はSNSとなる」(同)と言う。現地SNSで中心となっているのが、ミニプログラム活用でも言及したメッセージアプリの「WeChat」、中国版Instagramと言われる「小紅書(レッド)」、そして中国版Twitterと呼ばれる「Weibo(ウェイボー)」、そのほかショートムービーアプリの『抖音ドウイン(TikTokの中国版)』などがある。
◇「小紅書」を活用すべき理由
前山社長は後発の中国越境ECを手掛けるにあたって一番活用すべき現地SNSは「小紅書」であると力説する。「現在、中国では『小紅書』が非常に好調。小紅書は、ファッショントレンドを追いかける中国人女性を中心に使用されるSNS。コスパの良い商品の購入で参考にしたり、使用体験をシェアしたりする場として使われている」という。猛プッシュする理由としてはこう語る。「もともと『小紅書』は、インバウンドの爆買いで仕入れられた日本の商品の画像が投稿され、個人間での取り引きなどが行われるマーケットといった傾向があった。こうした経緯があるため、『小紅書』には日本の商品に興味のあるユーザーがそもそも多い」(同)というメリットがあるのだ。
「小紅書」の画面イメージ
「小紅書」の画面イメージ
「『WeChat』のミニプログラムで商品を売る場合でも、外部SNSである『小紅書』や『Weibo』からも集客できる。ミニプログラムEC構築とあわせて現地SNSの運用と集客奏功が中国越境EC成功の勝ちパターン。当社はSNS活用で最もお勧めする『小紅書』のみならず、『WeChat』『Weibo』の3つでSNS運用支援を展開している。ミニプログラム開発から集客としての現地SNS運用まで、これらを包括的にサポートできる」(同)と話す。
◇KOL≒インフルエンサー
ではSNS運用で成功するカギは何か。「ずばりKOL(キーオピニオンリーダー)の起用」(同)と指摘する。KOLとは、日本で言うインフルエンサーに相当するという理解でいい。具体的にKOLを活用してどう集客に結び付けるかについては「KOLも日本から見ると、2つのパターンがある。中国現地にいるKOLを使うパターンと、在日中国人のKOLを使うパターン。在日中国人の場合、フォロワーはKOLが日本に住んでいることを知っているため、日本の商品に興味がある方となる」(同)。
一見すると後者のKOL活用一択のようにも思う。ただ、「どちらがいいかは予算と商材によりケース・バイ・ケース。前提として現地KOLの方が、フォロワー数が多い傾向があり、大きなリーチを稼ぐなら現地KOLのほうが効率的。ただ中国内のKOLの場合、費用が大きくなりがち。商材については、日本の商品ならば在日中国人の方が効果的ですが、そうでないなら、中国内のKOLの方がフォロワー数の多さから効果的」(同)と説明する。
またKOLにもさまざまなタイプがありという。「『小紅書』が得意な人、『Weibo』が得意な人など特性が違う。成功の秘訣は商材や予算に合わせたキャスティングということになる。当社はKOL紹介もできるので悩んだら是非相談してほしい」(同)と呼びかけた。
勝ち筋は「小紅書×KOL×ミニプロ」
ここまでの話を整理すると、中国向け越境ECチャレンジの売り場としてはWeChatの「ミニプログラム」活用した進出がベターであり、集客には現地SNSの運用が必須であり、取り組むべきは「小紅書」攻略。そしてKOLを起用したSNS運用がお勧めということだ。そして、マルウェブでは「WeChat」のミニプログラム開発が可能なだけでなく、「小紅書」「WeChat」「Weibo」といったSNS運用からKOLのキャスティングまでを一括で受けられる。
「自力で取り組む場合は現地企業との契約が必要であったり、中国越境ECは参入障壁が高い。一方で、当社に頼っていただき現地SNSのミニプログラムを活用すれば、中国向け越境ECが容易に実現できる。しかも、費用は当社へのフィーのみで低コストで済む。導入までの時間も比較的短く提供できる、『WeChat』ミニプログラムの開発は3週間から1カ月程度」(前山社長)という。「確かにミニプログラムは支援企業の力を借りずとも実現は出来る。ただ、自力の開発は推奨できない。日本企業が自力でミニプログラムを開発して、中国向け越境ECを行う場合、まず中国独自のICP認証を取得しなければならない。時間もかかり費用対効果が薄くなってしまう。一方で、当社のWeChatミニプログラムは現地EC環境や商習慣に合わせて、「お馴染み」なEC機能が搭載されている。グループ購入、会員カード、スタンプ機能、アフィリエイト機能、ライブコマース、オンラインガチャなど挙げられる。これを活用すればすぐにビジネスを開始できる」(同)。
加えて前山社長はマルウェブのミニプログラム構築のメリットとして、中国越境ECを成功させるエッセンスとしての「ライブコマース」をスムーズに展開できる点にもあると話す。「弊社の『WeChatミニプログラム for 中国越境EC』にはライブコマース機能もある。日本企業が自力でライブコマースを行う場合、中国との安定的なサーバーを用意する必要があるが、弊社提供のサービスあればテンセントのサーバーを通して行うことになるので、安定してライブコマースを行うことができる」(同)と解説した。
参入コストは補助金活用で低減!
ここまで中国越境ECでの勝ち筋を説明した。とはいえ、中小のEC事業者など方法がわかってもコスト面で足踏みすることもあるだろう。この課題について前山社長は「コスト負担への処方箋となるのが各種補助金の活用にある」と話す。EC業界でも名の通ったものだと、「IT導入補助金事業」がある。中小企業や小規模事業者を対象に、ITツールを導入する経費の一部を補助するというものだ。マルウェブが展開する各種越境EC進出支援サービスも補助対象となっている。「当社ではShopifyやMagentoを用いたEC構築、『WeChat』のミニプログラム開発が補助対象として登録されている」(同)。加えて「本年度よりIT導入補助金で90%以上採択するスキームの提供(※別途手数料が発生)も決まっている。まず一度相談してほしい」(同)と呼びかけた。
▽「IT導入補助金」
また、日本商工会議所が展開する「小規模事業者持続化補助金」の活用も「おすすめ」(同)としている。同補助金もマルウェブが展開する越境EC進出支援も対象になるとし、補助率は4分の3、補助上限額は100万円(2022年度は補助率3分の2、赤字企業の場合は4分の3で、いずれも補助金上限額は200万円の予定)。「補助対象となる条件として商業・サービス業が従業員数5人以下、製造業その他が20人以下の事業者。従業員数が少ないEC・通販企業でなければ適用されないが、対象の企業は使わない手はない」(同)と話す。
▽参考情報
・「小規模事業者持続化補助金」
さらに前出の2つの補助金を活用することできる。「例えばIT導入補助金を活用して『WeChat』ミニアプリを構築。小規模事業者持続化補助金で現地SNSの運用代行を導入する、ということも可能」(同)という。なお、マルウェブで『WeChat』ミニプログラムを構築する場合、デザインも含めて約105万円。その中に決済代行の初期手数料、1年間のシステム利用料、デザイン料などが含まれ、月換算で9万円未満のランニングコストとなる。初年度以降はシステム利用料として月4万円程度がかかる。「もともとミニプログラム構築はリーズナブルにできるが、補助金も活用すれば、これらの費用をさらに抑えることができる」(同)。
3/25・4/25・5/25にセミナーも開催
マルウェブでは3月からセミナーを通じて越境EC進出や補助金活用についてさらに詳しく話す場を設ける。「3月25日には中国向け専門の配送業者と当社が、中国のEC、TikTokを使ったマーケティング、補助金を使った中国向け越境ECについて説明する。4月25日には、Magentoをテーマにしたセミナーを、5月25日に中国でのマーケティングに関するセミナーを開催する。そのなかで配送や税金についても説明する」(同)という。本記事を読んで中国越境EC進出や補助金活用に関心を高め、さらに詳しい情報を得たいという読者は聴講必至といえそうだ。
マルウェブの前山和範社長
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