食事制限・運動なしでも…

　消費者庁の調べによると、同社は2020年11月20日～同年12月28日の期間、自社ウェブサイト「beauty award」で、健康食品「Dr．味噌汁」を販売する際に、景表法で禁止する優良誤認表示を行っていた。

　「僕は今年、コロナウィルスのせいで自粛生活を（…略…）ズボンにどっさりとお肉が…まじでヤバいですよね（泣）」と表示。腹部の肉をつまんだ写真とともに、「半年前までは60キロ台だったのに、いまではこんな姿に…」などと表示。

　これに対比させて、「それは今までとは全く違う、“我慢しない”ボディメイク法で、『これだ！』と思って試してみることに。辛い食事制限や運動ではダメだった僕も、その方法を試してみると…」の説明とともに、細身で筋肉質な上半身の写真を掲載していた。

　これらの表示・写真によって、同商品を飲むだけで著しい痩身効果を得られるかのような印象を与えていた。


『Ｄｒ．味噌汁』の商品写真

裏付け資料は成分に関する資料など

　同社からは表示の裏づけ資料が提出されたが、合理的な根拠とは認められなかった。消費者庁の担当官は「配合成分に関する資料などが提出されたが、客観的に（効果が）実証されたものではなかった」（表示対策課）と話している。

　消費者庁は表示内容が景表法に違反すると判断。同社に対し、表示が違法だった旨の消費者への周知や、再発防止策の構築などを命じた。

同商品に関する事業は昨年9月に譲渡

　消費者庁によると、同商品に関する消費者相談は、2020年6月7日から21年9月28日までの期間に112件寄せられた。効果に関する苦情も含まれていたという。

　取材に対し、同社の担当者は「今回の措置命令を真摯に受け止め、今後同様の問題が出てこないようにする」とコメント。「措置命令について役員をはじめ、全社員に共有する。広告審査体制の見直しとより一層の強化を図り、役員・従業員を対象にコンプライアンス研修を行う」と話している。

　昨年9月、同商品に関する事業を他社へ譲渡したため、現在、同社では販売していない。