(株)日経BPはこのほど、マーケティング&イノベーション専門メディア「日経クロストレンド」がまとめた、経済インパクトと今後伸びるビジネスの見極めを目的とした『トレンドマップ2022年上半期ランキング』を発表した。マーケティング分野の将来性については『音声SNS』『インフルエンサー』『ライブコマース』が注目キーワードとして挙がっていた。
各分野でスコアを伸ばしたキーワードランキング(2021下半期調査との比較)
抽出した85キーワードのうち経済インパクト・将来性をスコアリング
変化が激しい「マーケティング」「消費」「テクノロジー」の分野では、さまざまなバズワードが飛び交っている。この中から、マーケティング分野で29、消費トレンド分野は29、テクノロジー分野が27の計85キーワードを編集部で選定。3月~4月に外部アドバイザリーボード約50人らに、キーワードの現時点での「経済インパクト」と「将来性」を尋ねてスコアリングした。
それによると、21年8月の前回調査と比較して、「将来性」スコアが最も伸びたのは、マーケティング分野では『音声SNS』『インフルエンサーマーケティング』『ライブコマース』の順。消費トレンド分野では『人生100年時代』『インスタ映え』。また、テクノロジー分野では『空飛ぶクルマ』が注目キーワードの1位になった。
「Clubhouse」ブーム終焉も「Voicy」や「パラレル」は成長を継続
『音声SNS』は「Clubhouse」のブームは過ぎ去ったものの、若者間ではラジオやPodcastなどを聴く習慣が徐々に広がっている。誰でもネットラジオを開局できるサービス「Voicy」や、音声通話アプリ「パラレル」なども成長を続けており、今後、音声広告市場の拡大が見込まれる。
また、『ライブコマース』は日本では冬の時代が続いてきたが、「17LIVE」や「Pococha」といったライブ配信アプリが伸びている。急拡大している個人を中心とした経済圏「クリエーターエコノミー」やD2Cブランドとの相性がよく、本格普及への期待が調査結果に表れた形だ。
今回の調査で新たに追加したキーワードは、マーケティング分野の「メタバース」と、テクノロジー分野の「Web3」、消費トレンド分野の「クリエーターエコノミー」「移動ポイント(エコな移動によるポイント獲得)」の4つ。「メタバース」とはネット上に仮想的につくられた、いわば現実を超えたもう1つの世界。また、「Web3」はユーザーが自らデータを共有・管理しながら運用する分散型インターネットのことで、いずれも世界で大規模な投資が行われている。
しかし、今回の調査では両者とも中程度の評価にとどまっていた。バズワードとして急速に浸透した反動で、現在はビジネスへの影響度を冷静に検討する段階とみられ、今後、さまざまな業界が関わりを持つようになると、一気に成長期待も高まってくると予想される。
トレンドマップ2022上半期のキーワードランキング(上:将来性/下:経済インパクト)
キーワードランク1位は経済インパクト・将来性ともに「EC」
『トレンドマップ2022上半期のキーワードランキング』では、マーケティング分野の「経済インパクト」「将来性」とも、『EC(ネット通販)』が他を引き離して1位だった。「将来性」の2位は『D2C』、3位が『SDGs』と『CRM』。「経済インパクト」でも『SDGs』と『CRM』が2、3位だった。
「経済インパクト」は、マーケティング分野の『SDGs』とともに、「デザイン思考」が浮上し、消費トレンド分野では「サステナブル・エシカル消費」「キャッシュレス決済」、テクノロジー分野では「カーボンニュートラル」「クラウド」が躍進した。
マーケティング分野で「SDGs」、消費トレンド分野では「サステナブル・エシカル消費」、テクノロジー分野では「カーボンニュートラル」が、前回調査よりスコアを大きく伸ばした。これらのキーワードが3分野で並び立つことは、18年の調査開始以来、初めてとなった。
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