NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(株)と立教大学教授の斎藤明・研究室が10日発表した『SDGsを意識した消費活動』の調査結果によると、SDGsを意識した消費経験があるのは約3割。「SDGs消費」で価格の増加については「3割増まで」が最多だったが、若年層では「5割増まで」が最も多く、コスト負担への許容意識が高いことが分かった。
「SDGsの認知度」は46%
調査は3月4日~7日。インターネットリサーチ・サービス「NTTコム リサーチ」の登録モニターで、全国の18歳以上の男女1105人に聞いた。
「SDGsの認知度」は全体の46.6%。うち、82.5%が「内容を理解している」。SDGsの説明を提示し、改めて全員に読んでもらった後に、「SDGsについての好感度」を聞いたところ、49.2%が好感を持っていることが分かった。性別では男性が43.1%、女性が55.3%だった。
「SDGsを意識した活動は、よりよい未来を構築するために不可欠」との考えに対し、全体の51.2%が「肯定」。性別で比較すると、男性は45.4%、女性では57.0%となっていた。実際に SDGsを意識した消費(SDGs消費)の経験があるのは27.8%。男性が21.4%、女性が34.2%だった。また、年代別では35歳~44歳、65歳以上でやや高かった。
SDGs消費経験のある品目(複数回答)(単位:%)
具体的な購入品目は「食料品」が65%でトップに
「SDGs消費」の経験者に、具体的な購入品目を確認したところ、「食料品(65.8%)」「日用品など(58.3%)」「衣料品(41.4%)」「電力(34.2%)」の順。男女で購入品目に差がみられ、女性は「食料品」が高く、男性は「電力(再生可能エネルギーなど)」が46.2%となっていた。
「SDGsを意識した消費」と「それ以外の消費」の割合は、「意識した消費」が上回っていたのは57.6%、「同程度」が25.1%、「それ以外の消費」が17.3%だった。男性で「意識した消費が多い」と答えたのは65.6%、同じく女性は57.6%となっていた。
品目別でも男女の差がみられ、女性は「コーヒー」「食料品」「日用雑貨」などでSDGSを意識した消費活動が多く、男性は「アパレル」「自動車」「旅行」など、購入機会がそれほど頻繁で内ようなシーンでも、意識した消費行動がみられた。
これ以上高いと「高すぎて買えない」と思う価格(上:食料品全般、下:衣料品)
SDGs消費での価格増は「3割増」が最多
SDGs消費での価格の増加で、「どこまで負担できるのか」――。代表的な購入品目4つ(食料品全般、日用品など、衣料品、電力)ごとに、これ以上高いと買えないと思う価格について聞いたところ、いずれの品目も「通常商品より3割増」が最多で、「5割増」が続いた。年代でみると、18歳~25歳は「通常商品より5割増」が最も多く、SDGs消費での価格増に対して、若年層では増加に対する許容度が高いことが分かった。
調査母体は、SDGsへの「好感度」「消費経験」のいずれも、男性より女性のほうが10ポイント以上高く、男女での意識の違いが顕著に示される結果となった。「SDGs消費」への価格負担増については、「3割増までなら」が約9割を占めたが、若者層では「5割増まで」とした割合が高いことも分かった。「SDGs」に対しては、女性や若年層を中心とした一定の理解と今後への期待が感じられる結果となった――としている。
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