約1万2,500件の情報が寄せられる

　21年度の調査件数は374件。そのうち新規案件は205件を占めた。21年度中に外部から約1万2,500件の情報が寄せられた。

　処理状況は「指導」が172件で最多。次いで「措置命令」が41件、「打ち切り」が39件などだった。

　処理案件の商品・サービス別のトップ3は、「食品」「保健衛生品」「住居品」。コロナ禍を背景に、除菌製品やマイナスイオン発生器で除菌効果をうたった景表法違反事件が多数発生した。痩身効果や豊胸効果などを標ぼうした健康食品の不当表示も目立った。

　課徴金納付命令は前年度と同数の15件。返金措置計画は認定・不認定ともにゼロだった。課徴金額が150万円未満など、課徴金納付命令の要件を満たさない案件は過去3年で合計56件に上った。

注目の行政処分取り消し訴訟などが決着

　行政処分取り消し訴訟などの動向を見ると、（株）だいにち堂、ティーライフ（株）、大幸薬品（株）が起こした裁判が決着。また、レック（株）、（株）ユニクエストが21年度中に提訴した。

　だいにち堂が消費者庁を相手取り、措置命令の取り消しを求めた訴訟は、東京地裁、高裁ともに原告の訴えを棄却。最高裁へ上告したが受理されず、今年3月に原告の敗訴が確定した。同社は、目の健康効果をうたったサプリメントの広告で措置命令を受けていた。

　ティーライフも措置命令の取り消しを求めて提訴したが、今年4月、東京地裁は原告の訴えを退けた。同社は、健康茶の広告で著しい痩身効果をうたっていた。

　社会的な関心を集めたのが、除菌製品の効果を表示していた大幸薬品による提訴。昨年12月、東京地裁に措置命令の差し止めと仮の差し止めの申し立てを行った。地裁は4商品について申し立てを却下、高裁では残り2商品についても同社の抗告を棄却した。今年4月下旬、同社は訴えを取り下げた。