2022.06.03 マーケティング
OMO施策でメール経由EC売上20倍!?Amazon・Netflix同様レコメンドの威力とは
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小売を取り巻く環境が激変している。特にEC界隈ではここ数年、競争の激化やCookie規制などにより、ネット広告による新規獲得が難化の一途を辿っている。そのため、EC事業の成長には、CVR(コンバージョンレート)の向上やLTV(顧客生涯価値)の最大化がこれまで以上に求められるようになった。さらにコロナ禍のECシフトで実店舗への来店や売り上げが低迷する小売事業者も少なくない。こうした状況を打破するOMO対応や顧客体験改善のポイントなどについて、世界最高水準のレコメンドエンジンをベースにしたレコメンドツール「アイジェント・レコメンダー」を提供しているシルバーエッグ・テクノロジー(株)のCMO執行役員・マーケティング部ディレクターの倉石英典氏とマーケティング部シニアマネージャーの園田真悟氏に聞いた。
シルバーエッグ・テクノロジーのCMO執行役員・マーケティング部ディレクターの倉石英典氏(写真右)と同社マーケティング部シニアマネージャーの園田真悟氏(写真左)
リアル小売りはOMO実現が急務
――コロナ禍や広告規制などによりECのみならず小売を取り巻く環境が激変しています。
倉石氏:ここ数年の大きなトレンドとして、新規顧客1人当たりの獲得コストの高騰と、ウェブ広告の効果の低下があります。
これに加えて、今年4月1日に施行された改正個人情報保護法によってCookieの第三者転用へのユーザー同意が必須となることで、リターゲティング広告の配信が困難になりつつあります。新規顧客のコンバージョン率(購入)はますます下がり、優良顧客化も難しくなっています。
もう一つ、ECを取り巻く劇的な環境変化として、コロナ禍の影響があります。巣ごもり消費の拡大により、リアル店舗の売上が減少し、インターネット販売に頼らざるを得なくなってきました。
CMO執行役員・マーケティング部ディレクター 倉石英典氏
従来、ECはリアル店舗よりも安く買えることが“売り”でしたが、それだけではお客さまに響かなくなってきています。今では、欲しい商品が見つかる、商品に納得して購入できる、という購入体験の質に、お客さまの価値観が置かれるようになっています。オンラインとオフラインを融合するOMO(=Online Merges with Offline)が重視される背景として、こうした流れがあると思います。
園田氏:OMOの観点で言うと、当社のクライアントであるアパレル・生活雑貨・家具などの大手事業者から話を聞くと「コロナ禍でリアル店舗の売上が減り、ECの売上が増えた」と口を揃えます。ECの売上は増加したものの、リアル店舗のお客さまは減少し困っているというのが、各業界の共通認識のようです。
現実の話として、各社ECに注力しているとはいえ、企業全体の売上に対するECの売り上げの割合(EC化率)が20%を超えるような企業は一握りです。仮に20%を超えたとしても、残りの80%のお客さまが離れてしまっては元も子もありません。とはいえ、リアル店舗のお客さまをすべてECに囲い込めるかというと、それも簡単な話ではありません。流動的なお客さまをリアルにせよECにせよ引き戻す方法の決め手に欠けるというのが各社の悩みのようです。
マーケティング部シニアマネージャーの園田真悟氏
OMO実現の処方箋は「レコメンド」
――そんな中、具体的にどのような取り組みが必要でしょうか。
倉石氏:コロナ禍以前は、ECはリアル店舗とは切り離された事業として、ネット通販に適した商品や販売方法を主眼にサービスの構築が進められてきました。しかし、お客さまはリアル店舗もECも区別せずに動き回っているわけです。このため、両方のチャネルを組み合わせて、お客さまにどのような商品を提供できるのかがカギを握ります。OMOやマルチチャネルの話をすると、必ずレコメンドがキーワードとして出てきますが、まずはお客さまが欲しい商品や情報を、最短経路で探しだせるようにすることが重要となります。
当社の取引先には、家具小売り大手の企業様や、複数のブランドを擁するアパレル大手企業様がいらっしゃいますが、デジタル領域で先進的な取り組みをされている企業様は、リアル店舗の店員がECサイトでも情報配信をするなど、リアルとECを滑らかに連携させる取り組みをしています。ECサイトはネット通販を選ぶお客さまのツールという考え方ではなく、ブランド全体で、お客さまをどう惹きつけるかという捉え方で戦略をたてているのです。従来は、オンラインで集めたお客さまを、ECサイト内でどうコンバージョンに繋げていくかという視点でした。しかし現在は、どのようにしてお客さまに常にECまたはリアルの場で買っていただけるようなサイトを作り上げていくか、という視点に変化してきています。
成功の鍵が「パーソナライゼーション」
――リアル店舗とECを分けて考える時代ではないのですね。
園田氏:例えば、お客さまは店頭で実物を見つつ、スマホでもスペックを確認して購入するなどしています。もはやリアル店舗、ECのどちらで購入するかは問題ではありません。このため、OMOに対するニーズが強まっているのです。
デジタルとリアルの大きな相違点に、視界の広さに差があります。リアル店舗ならば、お客さまは自分自身で商品を見つけることができます。棚から棚へ目を移すことで、探していた商品が視界に入ってくるわけですね。
それがスマホやパソコンの画面だと、どうしても表示領域が小さくなり、リアルのように棚を一覧することはできません。そこで、リアル店舗と同じように、ほしい商品がすぐに見つけられるソリューションがECにも必要になってきます。
そのソリューションこそが「パーソナライゼーション」であり「レコメンド」です。画面上にとりあえず人気商品を並べるのではなく、個々のお客様のニーズに沿ってパーソナライズされた商品を提案しなければなりません。そのためにはAI技術が必要です。そしてその要件を満たしているのが、当社の提供する「アイジェント・レコメンダー」です。
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Amazon・Netflixと同様の機械学習によるレコメンドを提供
――市場には、パーソナライズやレコメンドのツールがたくさん登場しています。そのなかで、貴社の「アイジェント・レコメンダー」にはどのような特長があるのでしょうか。
園田氏:パーソナライズとは、個々のお客さまに、最適な商品を最適なタイミングや経路・手法で届けるということです。MAツールなどは「When、Where、How(最適な時、経路、手法)」への対応が得意で、当社もこうした技術を組み合わせることが不可欠と考えています。
しかし、ターゲティングのセグメントに沿って、「40代男性ならばこの商品」というざっくりとした提案の仕方は、もはやパーソナライズとは言えません。一人ひとりのお客さまに対し、何を提案するかがポイントになります。そのためにはAIを活用し、本当の意味でパーソナライズできるレコメンドが必要となります。
当社では、「Amazon」や「Netflix」が実装しているものと同様の、行動情報ベースの高精度レコメンドアルゴリズムを国内で提供しています。しかも、リアルタイム性が高いという特長を持ちます。つまり、刻一刻と変化するお客さまのニーズにタイムリーに対応できるということです。
お客さまの気分は常に変化します。「偶発的消費」と呼びますが、つい先ほどまではほしいと思わなかった商品を購入するという行動が、当たり前のように発生します。それに合わせて、最適な商品をリアルタイムに提案できる点が、他社のレコメンドエンジンとの違いであり、当社の強みとなっています。
OMO実現はPOS連携で
――リアルとECを連携させることへのハードルはいかがでしょうか。
園田氏:精度の高いレコメンドが可能と言っても、これまではEC限定でした。EC化率が20%とすると、残り8割のお客さまは蚊帳の外という状況だったのです。そこで当社は数年前から、「アイジェント・レコメンダー」にプラスする形で「POS連携オプション」というオプションサービスをスタートさせました。
これを使うと、実店舗のレジなどを管理するPOSの購買履歴とECの販売履歴・閲覧履歴を統合することによって、AIにレコメンドを深く考察させることが可能になります。同時に、店舗でしか購入しないお客さまに対しても、レコメンドを出せるようになります。その結果をAIが再学習し、レコメンドの精度がますます向上していきます。
このシステムでは、リアル店舗とECの一人ひとりのお客さまについて、次にどのようなニーズが発生するのかを予測します。その上で、店舗会員アプリのプッシュ通知や、会員向けメールで、「先週買っていただいたシャツとフィットするパンツはこれです」といったレコメンドを、AIによって完全自動で実現します。今まで店舗内の接客で行っていたレコメンドが、来店前にできるようになるというわけです。
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メール経由EC来客が20倍に拡大も
――「アイジェント・レコメンダー」に対するニーズの傾向は?
園田氏:いくつか基準はありますが、当社のシステムは、商品数がおよそ100点以上の規模となると、顕著な効果が得られるようになってきます。リアル店舗を運営している企業さまは元来商品数が豊富ですから、ECでも本格的に売上向上を目指したいというタイミングでお声がけいただくことが多いですね。
例えば、ある大手アパレル企業様では、レコメンドのOMO活用で顕著な成功を収めています。同社のお客さまは比較的年齢層が高く、ECの利用が伸びなかったことから、当社のツールを使い、店舗会員向けメールにレコメンド商品を掲載いただきました。これまでは次のシーズンの新商品を紹介する程度でしたが、商品を購入いただいたあとに、それと関連する「このような商品はいかがですか」というレコメンドメールを送ったところ、メール経由でのEC来客が通常の20倍以上に伸びたといいます。また、別の企業では、同様の施策を店舗会員アプリで行い、顧客の来店時の購買単価を150%向上させた実績もあります。
これまでレコメンドは、リアル店舗の店員のような顧客一人ひとりに合わせた接客をECでも実現するために導入されてきました。今後はリアル店舗でもECでも、同じデータに基づき、同じ品質の商品提案を行うことが非常に重要となります。OMOレコメンドで、店舗の再来訪率・F2転換率を高めると同時に、ECサイトにもどんどん取り込んでいく。こうしたことを実現できるのが、当社のOMOレコメンドのメリットです。
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リアル×ECの顧客行動をAIが深く考察
――リアル店舗とECの融合は難しいというイメージがありますが、まずは始めてみることが大切なのですね。
園田氏:その通りです。OMOのニーズが高まる以前は、ネットで注文した商品を店頭でピックアップするためにバックエンドを含めたシステム改修を行うとか、棚や商品にQRコードをつけた実験店をつくるといった、大掛かりな取り組みが主流でした。
しかし、現在はそうではありません。身近にあるデータから始めることが可能です。最も活用しやすいのが、リアル店舗の販売履歴です。当社のシステムを導入し、店舗の会員IDとECのIDを統合すれば、AIが両者の販売履歴や閲覧履歴を組み合わせて分析し、精度の高いレコメンドをお客様に返せます。
倉石氏:店舗会員証アプリの普及も、当社の取り組みを後押ししてくれています。今までプラスチックのポイントカードなどを発行していましたが、モバイルでECに統合してほしいというニーズが増え、有利な状況が生まれています。
プラカードもECのID紐づけでOMO可能
――ちなみにプラスチックカードの店舗会員証でも、IDがあってECのIDと紐づけられれば、対応できるのでしょうか。
園田氏:はい、可能です。実は、先ほどの事例のなかには、会員アプリのリリース前に、店舗会員のメールサービスのみでEC利用率や売上の向上を実現させている企業様もいらっしゃいます。メールからECへの誘導はもちろん、店舗のセールのタイミングで、お客さまが興味を示しそうなセール対象商品をメールで送り、再来店につなげることも可能です。
もちろん、モバイルアプリであれば、アプリ側の機能と組み合わせてより柔軟な提案ができます。たとえば店頭でアプリをひらくと、その店舗に在庫する商品の中から一人ひとりのお客さまのニーズに合わせた商品をポップアップさせ、棚まで誘導するような仕組みも開発できるでしょう。
メール開封時のリアルタイムで画像レコメンドも
――貴社のサービスには「レコガゾウ」といったなどもあります。
園田氏:前述の事例で紹介したレコメンドメールは、当社の「レコガゾウ」の仕組みを活用したものです。一般にレコメンドメールというと、メールマガジンに掲載する商品を1通1通異なるそれぞれのお客様に合わせて変更する必要があります。例えば1万人の会員がいれば、事前に1万通のメールコンテンツを生成させることとなり、かなり手間がかかります。
しかし、当社のレコメンドメールはそうではありません。HTMLメールの画像タグの仕組みを利用し、メール開封直後に、当社のレコメンドサーバーから一人ひとりに異なるレコメンド商品の画像が表示される仕組みとなっています。
ベースの文章は同じで、氏名(〇〇様へ)が変わる程度の自由度を持たせたメールシステムでも、画像タグに認識IDが含まれていれば、メールが開封された瞬間に、そのお客さまがほしい商品を紹介できます。顧客ごとに事前にレコメンドの内容を決め、1通ずつコーディングする手間が無くなるわけです。当社はそうした仕組みの特許を取得済みです。
ご紹介した「アイジェント・レコメンダー」や「レコガゾウ」などを活用すれば、アプリで会員向けレコメンドが柔軟にできます。
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倉石氏:お客さまとの出会いをつくっていく、もっと人間らしいインターネットの世界をデジタルマーケティングのツールを通じてつくっていくことが、当社のビジョンでもあります。引き続き、お客さまにも喜んでいただき、顧客にも喜んでいただける出会いにフォーカスしていきたいと思っています。
――本日はありがとうございました。
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