(株)ファーマフーズがこのほど発表した2022年7月期第3四半期(21年8月~22年4月)連結決算は、売上高が前年同期比30.5%増の440億5000万円、営業利益が同64.6%減の9億3100万円、純損失は2億8400万円(前年同期は15億5300万円の純利益)となった。
過去最高となる261億5800万円の広告費を投入
「ニューモ」に続く主力商品が育ち、前年同期比35.1%増となる261億5800万円と過去最高の広告宣伝費を投入した。新商品では、明治薬品(株)の機能性表示食品とともに、累計出荷50万本を超えたまつ毛美容液、ロート製薬(株)のアイケアサプリメントが売上高の増加に貢献。新規の越境EC事業として、海外販売も売上高の増加に寄与した。
「BtoB事業」の売上高は前年同期比195.5%増の56億9600万円、セグメント利益は同103.0%増の10億400万円の増収増益となった。主力商品「ファーマギャバ」の売上高は前年同期比18.8%減の7億3900万円。機能性表示食品制度による「GABA」の受理件数は685件に達し、引続き第1位の採用実績を維持。食品メーカーの採用拡大が継続している。
越境ECの売上高は2億1900万円に拡大
新規の製造・販売チャネルでは、明治薬品による医薬品製造受託事業の売上高が26億2100万円、機能性食品・医薬品などのドラッグストアチャネルなどでの販売事業の売上高が13億3500万円となった。越境ECでは、TモールGlobalなどのECプラットフォームや現地代理店向けが増加し、売上高は2億1900万円となり、機能性素材の販売減少を補った。
独自の機能性素材を配合したサプリや医薬部外品(「タマゴ基地」ブランド)、化粧品(「フューチャーラボ」ブランドなど)の商品を通信販売で行っている「BtoC事業」の売上高は、前年同期比21.7%増の383億700万円、セグメント利益は同67.9%減の8億2200万円となった。
4月末時点の定期顧客件数は前年同期比24.1%増の98万2458件。特に、明治薬品の「シボラナイトGOLD」は28万4495件(5月末)と急拡大。ネットメディア中心に利用者が増加し、売上高は6億6000万円。受注好調による製造ラインのひっ迫で予約販売を継続している。
「ニューモ」は堅調
「ニューモ育毛剤」の売上高は218億3400万円。定期顧客件数は46万7335件と高水準を維持し、リピート購入の進展で売上と利益の押し上げに寄与した。クロスセルも引続き注力し、サプリメントの売上高は22億1600万円、シャンプーの売上高は5億4700万円となった。「ニューモ育毛剤」の累計出荷件数は4月5日時点で1300万本を突破し、堅調な受注が継続。今期300億円の売上高をめざしている。
「ニューモ」ブランドの水平展開の取組みとして、まつ毛美容液「まつ毛デラックス WMOA」の広告宣伝に取り組み、売上高は18億7100万円を計上。既存商品では、膝関節サプリメント「タマゴサミン」の売上高が19億2100万円となり、利益に寄与した。
バイオメディカル事業の売上高は前年同期比86.6%減の4700万円、セグメント損失は1億9400万円(前年同期は1億2800万円のセグメント利益)となった。独自のニワトリ由来抗体作製技術「ALAgene technology」を活用・高度化し、あらゆる疾患を標的とした次世代抗体医薬品候補となり得るリード抗体の作製を開始している。
通期業績予想を増収減益に修正
これらの業績動向を踏まえ、22年7月期の通期業績予想を修正した。売上高は606億3100万円から609億円(前期比30.3%増)、営業利益は57億7300万円から300万円(同99.9%減)、純利益は40億2100万円から15億円を、それぞれ見込んだ。
下期に入り、「シボラナイトGOLD」の受注が急増し、「ニューモ育毛剤」を超えるペースで定期顧客件数が増加。さらに、想定する4年以内での投資回収が見通せたことから、200億円超の広告宣伝投資を実行。特に「シボラナイトGOLD」には50億円程度を投入する。営業利益は減少する見込みだが、「ニューモ育毛剤」などのリピート購入など、既存事業は維持しているため、営業黒字、経常黒字は確保できる見込みとした。
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