(株)ヴァリューズが6日発表した『アフターコロナの中国における家電購入実態調査』の結果によると、日本に比べて中国の家電購入はオンラインが優勢。中国ブランドは「信頼」、日本ブランドは「憧れ」が主な購入理由となっていることが分かった。
中国産家電の信頼性が向上、日本ブランドに「憧れ」も
近年の中国家電メーカーは、新製品の開発を加速させ、デザイン性・機能面ともに優れた商品を中国人消費者向けに提供している。その結果、「中国産の家電製品が良い」という考え方が広がってきている。調査は2021年12月13日~20日。直近1年以内に、指定したブランドの500元以上の炊飯器を購入した中国人400人を対象とした。指定ブランドはSUPOR、Midea、Joyoung、MI、Panasonic、ZO JIRUSHI、TIGER、TOSHIBAでそれぞれ50人。
炊飯器についての認知率と購入検討率では、全体的に中国ブランドの認知率が高い中、パナソニックが82.5%の認知率を得ていた。購入理由は、中国ブランドは「ブランドへの信頼、性能の高さ」、日本ブランドは「ブランドへの憧れ」といった要素が選定に寄与。「信頼できるブランド」は、日本ブランド購入者が36.0%で、中国ブランド購入者が50.5%。「メーカーの炊飯器に憧れがある」は日本ブランド購入者が24.0%で、中国ブランド購入者が18.5%1だった。
「とにかく安い」より「良いもの・納得できるもの」選ぶ傾向に
日本での爆買いが起こった背景には、日本製品の品質の高さや安心感、コストパフォーマンスの高さがあったと言われているが、コロナ禍で国内ブランドに目を向けるようになった結果、中国ブランドへの信頼が高まっていると言えそうだ。また、「とにかく安いもの」よりも、「良いもの・納得できるもの」を買おうという消費者意識がうかがえる。
これらに基づいたグループ分けでは、日中ブランドの棲み分けをよく表しているのが「ブランド重視クラスター」と「機能重視クラスター」。相対的にブランドへのこだわりが強く、価格にも敏感な「ブランド重視クラスター」は、購入ブランドの上位を日本ブランドが占めている。日本ブランドへの憧れと商品のコストパフォーマンスの高さが、選ばれる要因になっているようだ。
直近1年間の購入チャネルはオンラインが85%に
一方で、ブランド志向に加えて機能面でのこだわりが強い「機能重視クラスター」には、中国ブランドが選ばれやすいことが分かった。中国ブランドへの信頼と商品の優れた機能が、中国人消費者に向けた主な訴求軸になっているのかも知れない。
また、地方都市を意味し、中国の3級都市以下の都市や農村を指す「下沈(かしん)市場」の在住者にも注目。大都市在住者に比べて自由に使えるお金が多く、欲しいと思ったものはそのまま購入に至りやすいという消費者意識が明らかになっている。
それが「下沈市場のプチセレブ」クラスターで、機能・ブランド・トレンドの3項目が高く、価格を問わず、品質が良い家電を購入する人のイメージが浮かび上がった。購入した炊飯器で1、3、4位を日本ブランドが占め、「憧れ消費」の実現に積極的な様子がうかがえた。
範囲を家電一般に広げた、直近1年間の購入チャネルは、オンラインが85.0%、オフラインが69.3%で、日本ブランドは国美オンライン、Pinduoduoでよく購入されていた。国美Onlineは家電小売企業の「国美電機」が運営し、ビックカメラと提携するなど、家電領域に強いサイト。PinduoduoはPanasonicなどの日本企業も公式旗艦店を開設しているECサイトだ。
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