Amazonは15日、『Eコマースにおける知財、その保護と活用によるブランドマネジメントとは』をテーマに、第8回『Amazon Academy』をオンライン形式で開催した。知的財産に携わる専門家やAmazonで自社ブランドの商品を販売するブランドオーナーらが登壇し、保護や活用の視点からブランドマネジメントに取り組んでいくことの意義について話し合った。
ブランド保護に向け、AmazonとIIPPFが模倣品対策で協業
議論を通じ、知的財産を活用してブランドを確立し、事業の成長を促進するためには、ブランドオーナーとEC事業者が協働で保護に取り組むことが重要との認識を共有。Amazonからは、ブランドオーナーや販売事業者、業界団体、法執行機関とEC事業者との協力で実現するブランド保護の取り組みについての戦略や、最新状況の説明があった。
基調講演で、国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)インターネットプロジェクトチームで幹事を務める(株)バンダイの岡崎高之氏は、模倣品などの知的財産権侵害問題の解決をめざす官民一体型のフォーラムとして、政府機関や業界を超えたブランドオーナー、EC事業者との積極的な情報交換に取り組むIIPPFが、2021年10月にアマゾンジャパンと模倣品対策における情報交換および協力関係に関する覚書を締結したことを紹介。
さらに、アマゾンジャパンとより深い討議を行うため、今年7月にはIIPPFインターネットプロジェクトチーム内に有志のワーキンググループを設置することを明らかにした。
4つのブランド保護ツール・サービスを開始
同じく基調講演でAmazonは、同社のブランド保護における4つの戦略である、堅牢で積極的な防止策、強力なツール、悪質業者に対する法的責任の追及、顧客の啓発と支援について説明。日本でも、模倣品の撲滅を目的とした4つのブランド保護ツール・サービス「Amazon ブランド登録」「Amazon IP アクセラレーター」「Project Zero」「Transparency」が、ブランドオーナーに利用してもらえるようになったことを紹介した。
さらに、模倣品からブランドを守ることは業界全体に関わる世界的な課題となっていることを踏まえ、「この課題に対処するためには、各ステークホルダーとの協力関係が重要になる。ブランドオーナー、販売事業者、業界団体、法執行機関などと協力して情報を共有し、模倣品対策を強化することで、今後も安心して買い物をしてもらえる環境を提供する」と述べた。
IIPPF岡崎氏「業界全体として仕組みを改善していくことが重要」
Amazonは21年、顧客とブランドオーナー、販売事業者、Amazonストアを、模倣品や詐欺、その他の不正から保護するために9億ドル以上を投資し、機械学習のサイエンティストやソフトウェア開発者、専門調査員など1万2000人以上がこの活動に取り組んだという。
パネルディスカッションでは、バンダイ・ IIPPFの岡崎氏が、ECサイトでの模倣品対策について「企業、EC事業者がバラバラに対応しているだけでは侵害業者につけ込まれてしまう。ブランドオーナーとAmazonが互いに深いレベルで情報を共有し、企業間や業界全体としての仕組み自体を改善していくことが、今後は一層重要になっていく」と強調。
数年前から「Amazonブランド登録」「Project Zero」を利用しているという、キヤノン(株)の豊田氏はブランドオーナーの立場から、Amazonとのさまざまな情報交換により、模倣品業者への対応を進めている。一つひとつが地道な取り組みだが、ブランドオーナー、EC事業者、顧客を巻き込んで、対策を進めていくことがポイントだ」と話した。
また、(株)アメイズプラスの鈴木宏典氏は中小企業の立場から、「Amazonブランド登録」と「Transparency」の利用でブランド保護が強化されたことに加え、ブランド保護のために費やす時間を大幅に削減することができ、売上につながるビジネス施策に注力できるようになったと、ブランド保護ツールの活用を含めた自社のブランド保護の取り組みを紹介した。
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