アスクル(株)がこのほど発表した2022年5月期(21年5月21日~22年5月20日)連結決算は、売上高が前期比1.5%増の4285億1700万円、営業利益が同2.8%増の143億900万円、純利益は同18.7%増の92億600万円となった。
オフィス用品の需要減少も生活用品・MRO商材が好調
売上高、利益面とも過去最高を更新した。主力分野のBtoB事業は、コロナ禍対策商品の特需の減少や働き方の変化などによるオフィス用品需要の減少があったが、注力分野の生活用品・MRO商材の売上高の伸長で増収を達成。「LOHACO」は23年5月期の黒字化に向け、計画通りの収益改善を図っている。
eコマース事業の売上高は、前期比1.2%増の4186億9800万円、差引売上総利益は同0.2%増の1043億3300万円。うち、BtoB事業の売上高は同0.8%増の3480億2500万円、営業利益は同15.4%減の170億円となった。増収の一方、計画通りではあるが、コロナ禍特需の減少などによる売上総利益率の低下と、BtoB物流センター「ASKUL東京DC」(11月下旬稼働開始予定)の稼働開始前の賃料発生などで減益となった。
ASKUL LOGISTで物流受託が拡大
BtoC事業は売上高が前期比3.0%増の706億7300万円で、「LOHACO」の売上高は同2.8%増の543億3000万円。「LOHAC本店」のリニューアルに伴う固定費削減や、「LOHACO」と(株)チャームの物流費の改善などで売上高販管費比率が同0.1ポイント減少。販売費と一般管理費が899億87百万円となり、営業利益は同4.3%減の143億4600万円となった。
ロジスティクス事業は、売上高が前期比17.6%増の90億3000万円、営業損失は3400万円(前期は11億円の営業損失)となった。ASKUL LOGIST(株)のグループ外の物流業務受託の拡大で、売上高が増加。物流業務受託の準備期間に係る物流センター賃料などの費用が先行発生していたが、営業損益は大幅に改善、下期は営業利益への転換を達成している。
23年5月期の通期業績は、売上高が前期比6.3%増の4555億円、営業利益が同1.3%増の145億円、純利益は同2.1%増の94億円を見込んだ。今期から始動した中期経営計画の最終年度である25年5月期には、売上高5500億円、営業利益率5%の実現を図る。
BtoBはWEBサイト刷新を成長エンジンに、取扱い商品数を拡大
BtoB事業はWEBサイトの刷新を成長エンジンに、取扱い商品数を拡大することで高い成長率をめざす。医療・介護、製造業を2大戦略業種と位置付け、戦略業種向けを中心に、25年5月期には取扱い商品数1800万アイテム、在庫商品数33万アイテム、オリジナル商品数1万2000アイテムまで拡大することを計画している。
22年5月期末時点では、取扱い商品数1179万アイテム、在庫商品数12万9000アイテム、オリジナル商品数8700アイテムとなっており、23年5月期末時点で、取扱い商品数1400万アイテム、在庫商品数15万アイテム、オリジナル商品数1万アイテムをめざす。
WEBサイトの刷新については、購買管理機能、ボリュームディスカウント、検索からの最速購入、パーソナライズドリコメンドを結集・強化し、テレワーク対応の新機能を追加。購買頻度の増加や購入単価の向上、購買集約による定着率向上により、25年5月期までの累計売上高の増加額として500億円超を計画。22年7月に一部機能の先行リリースを予定している。
BtoC事業は「LOHACO」の収益事業化の実現をめざす。ヤフー(株)のシステム基盤を活用することで、サービス品質の向上とコストダウンを図り、23年5月期での黒字化を計画。21年6月に新たにオープンした「LOHACO本店」と「LOHACO PayPayモール店」両店の相乗効果を最大化し、25年5期までの累計売上高の増加額として200 億円超を計画している。
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