(株)セブン&アイ・ホールディングスが7日発表した2023年2月期第1四半期(22年3月~5月)連結決算は、売上高にあたる営業収益が前年同期比57.3%増の2兆4473億1700万円、営業利益が同32.1%増の1023億6700万円、純利益は同51.2%増の650億3900万円となった。
EC売上は軒並み前年割れ
セブン‐イレブン・ジャパン、セブン‐イレブン・沖縄及び7-Eleven,Inc.における加盟店売上を含めた「グループ売上」は、前年同期比33.7%増の3兆8397億5600万円。為替レート変動に伴い、営業収益は1533億円、営業利益は38億円増加している。
主なEC売上は、国内コンビニエンス事業のセブンネットショッピングが前年同期比10.5%減の57億5400万円。スーパーストア事業のイトーヨーカドーは、ネット通販が同35.1%減の8億5800万円、同じくネットスーパーが同0.2%増の88億4900万円。百貨店・専門店事業のそごう・西武のe.デパートが同13.7%減の6億円など。
ニッセンHDは営業利益230%増
また、グループ会社の(株)ニッセンホールディングスは、売上高が前年同期比6.1%増の110億7700万円、営業総利益は同6.1%増の55億700万円、営業利益は同230%増の2億9700万となった。
国内コンビニエンスストア事業は、営業収益が前年同期比1.1%減の2152億4300万円、営業利益は同1.2%減の596億5600万円。自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は同2.0%増の1兆2567億4200万円となった。セブン‐イレブンは、コロナ禍で小商圏化が加速し、個店ごとニーズの違いが顕在化。デリバリーサービス需要のさらなる高まりを受け、注文商品を最短30分で届けるサービス「7NOW」の取扱店舗は着実に増加した。
前年の外出自粛の反動に加え、客層の幅を拡げる新たなファスト・フード商品やDAISO商品の取り扱い店舗拡大と、積極的な販売促進策が奏功して既存店売上は前年を上回ったが、燃料費調整単価の高騰に伴う水道光熱費増加を主因に営業利益は前年同期を下回った。
海外コンビニ事業が好調、イトーヨーカ堂は営業利益18%増
海外コンビニエンスストア事業の営業収益は前年同期比153.8%増の1兆7238億8900万円、営業利益は同283.0%増の678億9100万円。自営店と加盟店の売上を合計したチェーン全店売上は同114.2%増の2兆384億3000万円となった。25年度までに日本及び北米を除く地域で5万店の店舗網の確立、30年度までに日本、北米を含めた30の国と地域での店舗出店をめざし、精緻な戦略マップの策定を進めている。
スーパーストア事業は、営業収益が前年同期比21.2%減の3557億7200万円、営業利益は同39.8%減の35億1700万円。イトーヨーカ堂は、テナントなどの売上が回復し、既存店売上が前年を上回ったことなどで、営業利益は同18.3%増の7億7000万円。ヨークベニマルは、既存店売上は前年を下回ったが、3月1日付で実施したライフフーズとの合併効果で商品荒利率が改善し、営業利益は同26.1%増の44億6200万円となった。
百貨店・専門店事業は、営業収益が前年同期比32.2%減の1129億400万円、営業利益は前年同期と比べて45億2900万円増の10億8600万円となった。百貨店は、衣料売上の回復やラグジュアリーブランドの販売好調などを主因に、既存店売上が前年を上回った。
3月1日付で、保有していたオッシュマンズ・ジャパンの発行済株式の全部を(株)エービーシー・マートに譲渡した。また、そごう・西武については現在、ファイナンシャル・アドバイザーを起用のうえ、ストラテジック・レビューを行っている。
通期業績予想を上方修正
金融関連事業の営業収益は前年同期比3.1%減の475億6000万円、グループ共通基盤システム構築に係る費用の計上で、営業損失は前年同期比62億9400万円増の146億1400万円となった。セブン銀行の国内ATM設置台数は2万6331台(前期末比137台増)、1日1台当たりの平均利用件数は99.4件(前年同期比1.7件増)となり、第1四半期中のATM総利用件数は前年を上回った。現金及び預け金は、ATM装填用現金を含めて9788億円。
また、23年2月期の通期業績予想を上方修正した。営業収益は9兆6530億円から前期比19.0%増となる10兆4130億円、営業利益は4300億円から同19.0%増となる4450億円、純利益は2400億円から同17.2%増となる2470億円を、それぞれ見込んだ。
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