2022.07.02 コラム
直帰率を正しく説明できますか 離脱率との違いや計算方法・改善方法
WEBサイトを運用していると「直帰率」というワードをよく耳にします。しかし、直帰率の意味や改善方法を知らない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は直帰率について離脱率との違いや計算方法・改善方法まで詳しく解説します。
直帰率とは?
直帰率とは、WEBサイトを訪問したユーザーが最初の1ページでサイトを離れてしまう割合のことを指します。
例えば、以下のケースがあったとします。
【20人ユーザーがWEBサイトに訪問したケース】
・15人がページ1を見てページ2に移遷した。
・5人がページ1を見て、そのままサイトを離れてしまった。
この場合、直帰した人が20人中5人のため、直帰率は25%です。
ちなみにGoogleアナリティクスなどのツールで直帰率を見る場合、基本的にはセッション数という単位で分析されています。
セッション数とは、特定期間内にユーザーがWEBサイトを訪問した回数を示し、アクセス解析の場面ではよく出てくる単語のため、このセッションという定義も覚えておきましょう。
直帰率と離脱率の違い
直帰率と似た言葉に「離脱率」がありますが、両者には明確な定義の違いがあります。
直帰率は先ほど紹介した通り、ユーザーが最初のページで離脱した割合を示しています。
一方で離脱率は、サイトに訪問したユーザーがそのサイトから離脱した割合です。
そのため、両者の大きな違いは「ページ単体」からの離脱か「サイト全体」からの離脱かという点にあります。
両者では定義が違うため、指標としての活用方法も異なってきます。
業界ごとの直帰率の平均数値
直帰率は業界によっても変わってくるため、自社の関連する業界の平均値と比較して現状を把握することが望ましいでしょう。
海外のマーケティング会社の報告によると、2015年〜2016年におけるGoogleアナリティクスのデータを解析したところ、全体の直帰率平均値が58.18%であり、以下のように業界ごとの平均値が算出されています。
・金融:53%
・病院、ヘルスケア:54.96%
・医療機器、医薬品:55.33%
・不動産:57.47%
・コンピューターソフトウェア:60.76%
・フィットネス、健康関連:63%
・IT関連:64.21%
・コンサルティング:67.49%
参考:Brafton 2017 Content Marketing Benchmark Report
最も低い平均値だった金融業界と高い平均値のコンサルティング業界では14%以上の差があるため、取り扱う商品やサービスによって直帰率に差があることがわかります。
自社に近い業界の数値を参考にし、直帰率を改善するかどうかの目安としましょう。
直帰率のGoogleアナリティクス確認方法
ここでは、直帰率をGoogleアナリティクスで確認する方法を解説します。
具体的にはサイト全体とページ単体の2種類の確認方法があり、それぞれの詳細を以下で解説します。
・サイト全体の直帰率の確認方法
・ページ単体の直帰率の確認方法
サイト全体の直帰率の確認方法
サイト全体の直帰率は以下の手順で確認します。
▽左側のメニューから「ユーザー」タブをクリック
▽「概要」をクリックすると、サイト全体の直帰率が確認できる
ページ単体の直帰率の確認方法
ページ単体の直帰率は以下の手順で確認します。
1、左側のメニューから「行動」タブをクリック
2、「サイトコンテンツ」から「すべてのページ」をクリック
3、ページごとに直帰率が表示されているため、該当ページの直帰率を確認する
直帰率の計算方法
直帰率は基本的に解析ツールで自動的に算出されますが、以下の計算式で算出されています。
直帰率=ページの直帰数÷ページから閲覧がスタートした全セッション数
例えば、あるページから閲覧を開始したユーザーが50人いて、そのページで直帰したユーザーが25人だった場合は以下の直帰率となります。
50%(直帰率)=25人(ページの直帰数)÷50人(ページから閲覧がスタートした全セッション数)
直帰率が高くなる要因
ここでは、WEBサイトの直帰率が高くなる要因について解説します。
・タイトルとページ内容が合っていない
・サイトの読み込み速度が遅い
・内部リンクが少ない
・サイトの視認性が悪い
▲タイトルとページ内容が合っていない
WEBサイトのコンテンツのタイトルとページ内容が合っていないと直帰率が高くなる傾向があります。
基本的に、ユーザーはタイトルから内容を判断し、興味があれば閲覧するという流れです。
そのため、タイトルとページ内容が一致していない場合、ユーザーから関係ない情報だと認識され、直帰される要因となってしまいます。
▲サイトの読み込み速度が遅い
サイトの読み込み速度が遅いことも、直帰率の高さにつながります。
サイトが読み込まれる速度が遅いと、表示されるまで待ちきれず、他のサイトで情報収集しようとるユーザーが多くなり、直帰するユーザーが多くなってしまうのです。
また、Googleも検索エンジン上でのアルゴリズムとして、ページの表示速度の速さを評価基準として置いています。
サイトの読み込み速度が遅いことで、直帰率が高まるだけでなくSEOの観点からも評価されにくくなってしまい、WEBサイトへの集客成果が出づらくなるでしょう。"
▲内部リンクが少ない
内部リンクの少なさは直帰率の高さにつながります。
内部リンクが少ないことで、ユーザーは最初にアクセスしたページから次のページに移るきっかけがなくなってしまい、サイトを離脱してしまうでしょう。
直帰率が高い場合には、WEBサイト内の内部リンク数を見直し、サイト内で複数のコンテンツを見れる動線を確保する必要があります。
サイトの視認性が悪い
サイトの視認性が悪いことで、直帰率の高さにつながってしまいます。
特に注意したいのがスマホの画面でも見やすい構成になっているかどうかです。
基本的にWEBサイトのコンテンツ作成はパソコン上で行われることが多く、スマホでも見えやすい形に整えていないと、スマホに表示した時にデザインが崩れてしまうことが多くあります。
WEBサイトのデザインが崩れた状態では、ユーザーから使いにくいサイトだと認識され、直帰数の多さにつながってしまうでしょう。
直帰率が高い場合の改善方法
ここでは、直帰率が高い場合の改善方法について解説します。
・ユーザーニーズに沿った内容にする
・文字の見やすさなどデザイン面を修正する
・サイトの読み込み速度を改善する
・ユーザーの行動する動線を見直す
・直帰率を改善する際のポイント
◎ユーザーニーズに沿った内容にする
まずは、ユーザーニーズに沿ったコンテンツとなっているかを確認して改善しましょう。
先ほど紹介した「タイトルとページ内容を一致させる」ことはもちろん、検索されるキーワードを把握し、その検索意図に合わせたコンテンツとすることも大切です。
検索意図の判別方法ですが、検索キーワードを入力するユーザーの心理は以下4つに分けられるとGoogleは提唱しています。
・知りたい
・行きたい
・やりたい(やり方を知りたい)
・買いたい
参考:Google「The Basics of Micro-Moments」
自社のWEBサイトに掲載するコンテンツが上記のどの検索意図に該当するかを見極め、検索意図に答えたコンテンツとしましょう。
◎文字の見やすさなどデザイン面を修正
WEBサイトの文字の見やすさなどデザインも改善しましょう。
視認性に優れたデザインのサイトは、ストレスの少ないブラウジング体験をユーザーに与えられ、WEBサイトの滞在時間の長さに影響を与えます。
コンテンツを読みやすい色使いやフォント、表示される画像や動画の種類など項目は多岐にわたり、客観的に優れたデザインかを常に意識していく必要があります。"
◎サイトの読み込み速度を改善する
サイトの読み込み速度が遅い場合、読み込み速度の改善が必要となります。
なぜならば、ユーザーはニーズを満たすコンテンツをよりスピーディーに把握したいと考えているからです。
そのため、サイトの読み込み速度が遅いことは、それだけでコンテンツの価値を下げてしまっています。
サイトの読み込み速度はGoogleが「PageSpeed Insights」というツールを提供しており、一度自社サイトの読み込み速度を確認して置いた方が良いでしょう。"
◎ユーザーの行動する動線を見直す
直帰率が高い場合、ユーザーの行動する動線を見直しましょう。
コンテンツに問題がないのに直帰率が高い場合、ユーザーの行動する動線が確保されていない、もしくは分かりにくい場合が多いです。
他のコンテンツに移遷する動線が確保されていなければ、当然ユーザーはそのページを読んで離脱してしまいます。
改善方法としては、ユーザーがサイト内のコンテンツを複数見るきっかけとなる内部リンクの設置や次のページへ進むボタンをわかりやすくするなどの方法が挙げられます。
直帰率を改善する際のポイント
直帰率を改善する際に気をつけたいことは、「改善効果の高いページに優先的に取り組むこと」です。
具体的には、直帰率を改善することでユーザーのコンバージョンにつながるかどうかという視点で見ていくと良いでしょう。
仮に直帰率を改善してもそもそもコンバージョンに全く貢献していないページの場合、コンバージョンの増加につながらず、直帰率を改善する意味が薄れてしまいます。
Googleアナリティクスではページ毎のコンバージョンも確認できるため、コンバージョンが発生していて直帰率が高いページをリストアップし、改善作業に取り組むのがおすすめです。
まとめ
直帰率は、ユーザーが最初のページで離脱した割合を表し、サイトをどのように改善すべきかの指標として活用できます。
ただし、闇雲に全ページの直帰率を改善しようとすると、膨大な作業量となってしまいます。
コンバージョンの狙えるページなど費用対効果の高い箇所を中心に直帰率の改善に取り組んだ方が良いでしょう。
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