ウェブサイトで実績のない「通常価格」を表示

　同社は自社ウェブサイトで、カニ・ホタテ・タラコなどの食品を販売。34商品について、例えば「味付け焼きたらこ」では「通常価格：￥4,000税込」「販売価格：￥1,480税込」と表示するなど、「通常価格」と比べて「販売価格」が大幅に安いことを強調していた。

　しかし、消費者庁の調べによると、「通常価格」は自社ウェブサイトで実績のないものだった。

有償なのに「プレゼント」

　また同社は、テレビ番組「イチモニ！」の「新型コロナに負けるな！買って応援北海道」というコーナーで、北海道の特産品をセットにした3商品を紹介。「通常ですね、1万600円相当のお品ですが、今回は35％オフの6,980円で販売いたします」などとうたっていた。3商品についても比較対照の「通常価格」は実績がなく、同社が任意で設定したものだった。

　これに加えて、セット商品の購入者に対し、「北海道産 紅ホタテ（250g）プレゼント」などと無償で商品を提供するかのような表示も行っていた。消費者庁の担当官によると、「無償と思わせていたが、実態はそうではなく、プレゼント商品の価格も販売価格に含まれていた」（表示対策課食品表示対策室）という。

「景表法の理解が乏しい」ことが原因

　消費者庁は同社に対し、合計37商品の表示が景表法に違反する旨を消費者へ周知することや、再発防止策の構築を命じた。

　取材で同社は、「店舗の通常価格をオンラインショップに適応しても、それがいけないという認識が低かった。景表法の理解が乏しいことが大きかった」と説明。再発防止に向けて、「二重価格のルールを社内で研修し、広告・表示を各部署で管理する」（EC部門）と話している。