2022.07.31 コラム
潜在ニーズとは?顕在ニーズとの違いについて解説
マーケティング施策を考えるうえで、潜在ニーズを抱えている見込み客にどうアプローチするかは重要な点です。今回は健在ニーズとの違いや、潜在ニーズを引き出すための具体的な考え方についてご紹介します。
潜在ニーズとは?
潜在ニーズとは、何かしらの欲求があるものの、顧客自身に明確な自覚がないニーズのことです。潜在ニーズは顧客が認識できていないため、このままの状態ではサービスの利用や、商品の購入には至りません。そのため、何らかの形で潜在ニーズを顧客に自覚させる必要があります。
また潜在ニーズは、後述する顕在ニーズよりもウェイトが大きいとされています。したがって、自社の売り上げを伸ばすためには、潜在ニーズへの訴求が有効です。
潜在ニーズと顕在ニーズの違い
潜在ニーズは、先述のとおり顧客が自覚していないニーズです。その一方で顕在ニーズとは、顧客が明確に自覚しているニーズのことです。顧客は顕在ニーズに対して高い問題解決意識を持っているため、潜在ニーズよりもサービスの利用や商品の購入に結びつきやすいです。
顕在ニーズと潜在ニーズの例として、ジムに通うという行動の元となるニーズを挙げます。ジムに通う目的として、「筋肉をつけたい」「異性からモテたい」というのが顕在ニーズで、「なぜ筋肉をつけたいのか」「なぜ異性からモテたいのか」というのが潜在ニーズとなります。
潜在ニーズを見つけるべき理由
潜在ニーズを見つけた方が良い理由として、次の2つが挙げられます。
1.顧客は大抵ニーズではなくウォンツしか認識していない
2.顧客のより深い悩みにアプローチできる
では、それぞれについて解説します。
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1.顧客はウォンツを知っている
顧客は抽象的なニーズではなく、具体的なウォンツしか認識していません。なぜなら、人間は抽象的なものよりも具体的なものの方が理解しやすいためです。ニーズとウォンツの関係を「モテたいので筋トレをしたい」という例を使って説明すると、下記のとおりとなります。
ニーズ:モテたい
ウォンツ:筋トレをしたい
「モテたい」よりも「筋トレをしたい」の方が具体的でわかりやすいですよね。しかしウォンツしか認識できていない状態では、「なぜそれをしたいのか」が理解できていません。そこで潜在ニーズを見つけることで、ウォンツの内容をより的確なものにできるのです。"
2.より深い悩みにアプローチ
潜在ニーズを把握することで、顧客のより深い悩みにアプローチし、満足度を上げられます。なぜなら先述のとおり、顕在ニーズよりも潜在ニーズの方がウェイトとして大きいためです。
例えば、「異性からモテたいのでジムに通って身体を鍛えたい」という願望を持っている人がいるとしましょう。この場合は、「異性からモテたい」というのが顕在ニーズです。その一方で、「親和欲求を満たしたいからモテたい」「将来一人で寂しく暮らすことにならないようにパートナーが欲しいので異性から選んで貰えるようにしたい」というのが潜在ニーズです。
この例の場合、顕在ニーズはジムに通って身体を鍛えることで満たせますが、潜在ニーズに対しては更なるアプローチができます。例えば親和欲求を満たすためには、同じく筋トレをしている仲間とつながれるコミュニティの利用を勧められるでしょう。さらに将来一人で寂しく暮らすことがないようにしたいという欲求の裏には、「幸福な人生を過ごしたい」という欲求があると考えられるため、人生の幸福度を上げるために健康でいられるよう、筋トレに加え食事管理もできるパーソナルトレーナーの活用を勧められます。
このように、顕在ニーズだけではなく潜在ニーズにもアプローチすることで、顧客のより多くの悩みを解決できます。
潜在ニーズを引き出す手順
潜在ニーズを引き出す手順は、次の2ステップです。
1.ウォンツを把握する
2.ウォンツを深堀する
では、それぞれについて解説します。
1.ウォンツを把握する
まずは、潜在ニーズを引き出すための手がかりとなるウォンツを把握します。ウォンツは顧客が認識していることが多いため、聞き出すのは比較的難しくありません。自社のサービスや商品について興味関心を持ってもらえている場合は、その時点でウォンツは把握できていると考えて良いでしょう。
顧客のウォンツを把握するためには、とにかく市場にいる人達の声を聞くことが重要です。例えば「Yahoo!知恵袋」などを活用すれば、ウォンツは容易に把握できます。"
2.ウォンツを深掘りする
ウォンツの把握ができたら、それをさらに深堀していき、潜在ニーズを見つけ出します。ウォンツの深堀のためには、ウォンツに対して質問を何度も繰り返すことが有効です。例えばジムに通って身体を鍛えたいというウォンツがある場合は、以下のように深堀していくと潜在ニーズを見つけやすくなるでしょう。以下は、あくまで思考パターンを想像するための例示です。
「なぜジムに通って身体を鍛えたいのか?」
↓
異性からモテたいから
↓
「なぜ異性からモテたいのか?」
↓
親和欲求を満たしたいから
↓
「なぜ親和欲求を満たしたいのか?」
↓
一人で生きるのは寂しいから
このようにウォンツを深堀していくことで、顧客が認識できていない深いニーズまで辿りつけます。深いニーズまで満たすことで、より顧客の満足度は上がるでしょう。
潜在ニーズを引き出すための質問の例文
では、実際に潜在ニーズを引き出すための質問の例を見ていきましょう。あくまで思考パターンを想像するための例示です。
■車が欲しいというウォンツ
「なぜ車が欲しいのですか?」
↓
通勤時間を短縮したいから
↓
「なぜ通勤時間を短縮したいのですか?」
↓
朝もっとゆっくり寝ていたいから
↓
「なぜ朝もっとゆっくり寝ていたのですか?」
↓
疲れが溜まっているから
■新しいゲーム機が欲しいというウォンツ
「なぜ新しいゲーム機が欲しいのですか?」
↓
やりたいゲームが新しいゲーム機でないと対応していないから
↓
「なぜ新しいゲームをやりたいのですか?」
↓
暇つぶしがしたいから
↓
「なぜ暇つぶしをしたいのですか?」
↓
時間が余っているが何かしたいから
■栄養ドリンクを飲みたいというウォンツ
「なぜ栄養ドリンクを飲みたいのですか?」
↓
仕事中の眠気を覚ましたいから
↓
「なぜ眠気を覚ます手段として選ぶのですか?」
↓
手軽だし安いから
まとめ
顕在ニーズは満たすのが簡単ですが、それだけでは顧客を根本から満足させるのは難しいです。顧客を真の満足に導くためには、潜在ニーズの解決が有効です。潜在ニーズを解決できれば顧客が根強いファンとなり、企業の売上も増加するため、ぜひニーズの深堀にトライしてみましょう。
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