(株)ファンケルがこのほど発表した2023年3月期第1四半期(22年4月~6月)連結決算は、売上高が前年同期比1.7%増の256億1000万円、営業利益が同42.3%減の17億3700万円、純利益は同47.5%減の11億6800万円となった。
通販で化粧品とサプリの新規獲得数が21%増に
主力の化粧品関連事業、栄養補助食品関連事業が増収。売上増で売上総利益が増加したが、顧客基盤拡大のために広告宣伝費を積極的に使用したことなどで減収となった。一方で広告効果は堅調で、特に通販チャネルが好調。化粧品とサプリを合わせた新規獲得数は前年同期比21%増、全体の顧客数は同5%増となった。
化粧品関連事業の売上高は前年同期比2.6%増の148億8500万円。うち、通信販売は同3.8%増の77億9500万円で、構成比は52.4%となった。店舗販売は同1.0%増の32億8100万円、卸販売他は同18.4%増の23億6400万円、海外は同17.6%減の14億4300万円だった。売上増により売上総利益は増加したが、広告宣伝費の増で、営業利益は同27.2%減の15億1700万円となった。
化粧品は好調も、リアル店舗での販売が苦戦
ファンケル化粧品の売上高は前年同期比3.6%増の108億8200万円。広告宣伝を強化した『エンリッチプラス』の新規獲得数は同121%増、売上高が同13%増。『マイルドクレンジングオイル』の新規獲得数は同55%増、売上高が同4%増となるなど、堅調に推移した。
アテニア化粧品は、海外が中国ロックダウンの影響により減収となったが、国内は『スキンクリア クレンズオイル』、スペシャルケア製品が好調で、売上高全体では前年同期比0.4%増の34億6900万円。ボウシャはリアル店舗向けの卸販売が振るわず、同27.2%減の2億3300万円となった。
栄養補助食品の売上構成比は通販が47%に、『内脂サポート』が売上18%増
栄養補助食品関連事業の売上高は前年同期比2.2%増の91億8200万円。通信販売は同3.9%増の43億3900万円で、構成比は47.2%となった。店舗販売は同12.4%減の13億4500万円、卸販売他は同15.9%増の27億2300万円、海外は同16.5%減の7億7300万円。
製品面では、広告宣伝を強化した『内脂サポート』の新規獲得数が前年同期比23%増、売上は18%増と好調に推移したことに加え、『年代別サプリメント』などが伸長し、増収となった。売上総利益率の悪化に加え、広告宣伝費を積極的に使用したことなどにより、営業利益は同54.9%減の5億9900万円となった。
また、『カロリミット』シリーズは製品ごとの棲み分けを図り、若年層の獲得に成功。下期はターゲット別に新CMの展開を予定している。越境ECでも、特に若い層に向けたプロモーションを展開。『カロリミット』を第2の柱として期待し、育成強化を図っている。
通期業績予想を下方修正
『発芽米』『青汁』などを取り扱う、その他関連事業の売上高は前期同期比8.4%減の15億4100万円。損益面では、減収となったものの、発芽米の売上総利益率の改善などにより売上総利益が増加し、営業利益は1400万円(前年同期は2900万円の営業損失)となった。
これらの業績結果を踏まえ、23年3月期の通期業績予想を修正。いずれも前期比では上回っているが、5月公表時の計画からは下方修正となっている。売上高は1110億円から1094億円(前期比5.2%増)、営業利益が111億円から104億円(同6.4%増)、純利益は77億円から74億5000万円(同0.4%増)をそれぞれ見込んだ。
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