(株)プラネットが25日発表した『宅配便・宅配サービスに関する意識調査』によると、同社による5年前の調査と比べて、ますます暮らしに直結する存在になったことに伴う「労力やコストへの意識」が随所に表れていた。利用者からはサービスへの感謝の声も届いている。
「ネット通販を利用したことがある」が92%に
コロナ禍の影響も大きく、宅配便の利用機会は増すばかり。今回の調査は7月21日~26日に、ネットで4000人から回答を得た。それによると、宅配便の利用は「月に2~3回」(30.1%)が最も多く、76.4%が月に1回以上の頻度で受け取っていた。
ネット通販の普及・浸透ぶりは、「インターネット通販を利用したことがある」が92.4%という割合に顕著。宅配便を利用するシーンでも、「ネット・通信販売で購入したとき」(88.2%)がダントツで高くなっていた。
宅配便は便利な反面、労働力不足や再配達による業者の負担増加など、先行きに関する不安な実情もある。そんな中、宅配にかかっている「労力やコストを意識している」割合は68.0%に上った。プラネットは2017年にも同様の質問をしている。「意識している」割合は64.3%から微増だったが、女性の割合が減り、男性の割合が上昇し、男女間の差が縮まっていた。
QRコードなどで「ネットで再配達を頼む」が49.4%に
不在時でも宅配を受け取れるよう宅配ボックスを、個人で導入する人もいれば、設置をウリにする集合住宅もあるが、どのくらい普及してのか。宅配ボックスが「ある」の回答は5人に1人、21.2%だった。また、置き配の利用経験は、「ある」が45.2%。利用経験がある人は宅配のコストを意識している人が74.6%、利用経験がない人は62.0%だった。
最近はメールやアプリによる通知で宅配予定を知らせてくれる業者も増えている。宅配便が届く予定があるとき、WEBやアプリで到着予定を「よく調べる」という回答は62.0%だった。受け取り時に不在の場合はどうするのか。最も多かったのは「ネットで再配達を頼む(QRコードやマイページ機能など)」(49.4%)。「ドライバーに電話して再配達を頼む」(42.4%)、「再配達受付センターに電話して再配達を頼む」(36.3%)と続いていた。
5年前の同じ質問では「ドライバーに電話して再配達を頼む」が最多で55.0%、「再配達受付センターに電話して再配達を頼む」が43.0%、「ネットで再配達を頼む」が35.0%だった。電話での再配達依頼が減り、ネットでの再配達依頼が増えていることが分かる。
宅配便を受け取れなかった理由、「荷物の配達を知らなかった」が約20P減少
宅配便を受け取れなかった理由は、「時間指定ができなかった」(38.7%)、「荷物の配達を知らなかった」(37.3%)がほぼ同数。5年前の調査では「知らなかった」が54.0%だったが、今回の調査では20pt近く減少している。事業者による配達通知が実を結んでいるようだ。
宅配便を利用していて感じることやエピソードなどを自由回答で聞いたところ、宅配サービスや宅配員に対する感謝の声が多く寄せられた。属性や年代・性別に関係なく、「生活を支えてもらっている」という意識を、多くの人が感じているようだった。
子どもが小さくて頻繁に買い物に行けない。ネットで頼んで家まで届けてもらえるのは助かる(女性・20代)/生活に不可欠なので、送料が多少値上がりしても許容できる。いつも担当してくれている配達員とささいな会話をするのが楽しみ(女性・30代)/業者によっては「置いていって」と頼んでも、「置き配はできない」と言われたことがある。受け取るほうには何のデメリットもないのに不思議だし、何度も荷物を運ぶのは気の毒になる(女性・50代)。
雨の日も嵐の時にもちゃんと届けてもらえる。感謝しかない。届くのが分かっている荷物は、必ず再配達の手間をかけないようにしている(女性・60代)/日本の宅配サービスは非常にレベルが高いし、信頼がおけるのでずっと存続してほしいと思っている。海外から来た友人もとても驚いていた。現場で作業する人々の待遇をもっと上げるべきだと思う(女性・50代)。
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