(株)博報堂の生活総合研究所は11日、長期時系列調査として30周年を迎えた『生活定点1992~2022』を発表した。平成初期から令和にかけての調査データの推移から、社会や慣習に縛られず、自律に向かう生活者の様子が見えてきたという。1400項目におよぶデータの中から、22年に「過去最高」「過去最低」を更新した主な項目を紹介している。
2022年に“過去最高”を更新した主な項目
過去最高は「携帯・スマホの必要性」「メールやSNSだけの友人」など
調査は、生活者の意識や行動の変化から将来の価値観や欲求の行方を予測するため、同じ条件の調査地域・調査対象者(首都圏・阪神圏の20歳~69歳)に対し、同じ質問で1992年から2年に1度(偶数年の5月~6月)実施。国勢調査に基づき、22年は3084人に聞いた。
実施年となった今年は、生活者の変化の規模は、金融破綻などが起きた1996年~2000年に匹敵するほど、過去最高・過去最低を更新する項目が目立った。コロナ禍の影響も大きく、生活全般のデジタル化の加速など、従来の慣習によらない新しい体験をとり入れようとする生活者の姿が見えてきたという。
『22年に過去最高を更新した主な項目』は、《情報》「携帯電話やスマホは生活になくてはならないもの」が72.8%に達し、聴取開始時点からの差は38.7pt増となった。《贈答》「自分へのごほうびとしてプレゼントを買ったことがある」(46.5%・17.5pt増)、《消費・お金》「ものを買うとき、ピンとくる・こないという感覚で判断して決める」(34.0%・16.2%増)、《交際》「メールやSNSだけでやりとりする友人がいる」(42.9%・15.6pt増)。
《暮らし向き》「スーパーのレジで並んで待っている時間にイライラしない」(33.3%・14.0pt増)、《食》「調理済み食品(レトルト、冷凍食品、総菜など)をよく使う」(34.3%・13.3pt増)、《家族》「夫も家事や育児を優先すべきだと思う」(38.4%・10.5pt増)、《働き》「高い給料よりも、休みがたっぷりなほうがいい」(51.4%・8.5pt増)――など。
2022年に“過去最低”を更新した主な項目
過去最低は「友人の多さ」「家族で過ごすスペース」など
『22年に過去最低を更新した主な項目』は、《交際》「友人は多ければ多いほどいいと思う」(15.4%・41.8pt減)、《贈答》「お歳暮は毎年欠かさず贈っている」(22.4%・39.4pt減)、《日本の行方》「経済的繁栄は日本の誇りだと思う」(10.3%・35.1pt減)、《恋愛・結婚》「いくつになっても恋愛をしていたい」(27.0%・22.9pt減)。
《住》「個室よりも家族で一緒に過ごすスペースを充実させたい」(30.3%・19.0pt減)、《家族》「夫婦はどんなことがあっても離婚しない方がいいと思う」(14.7%・18.9pt減)、《社会意識》「日本の政治経済に関心がある」(46.8%・12.8pt減)、《衣》「服装は個性を発揮するための手段の1つだと思う」(49.8%・9.1pt減)――など。
30年間・1400項目の調査をまとめたWEBサイトをアップデート。併せて、新しい試みとして、1992年の若者と2022年の若者の暮らしや価値観を表現した「データ・コミック」を特設サイトで公開している。編集協力は、特定非営利活動法人LEGIKA(トキワ荘プロジェクト運営)。
■『生活定点サイト』
https://seikatsusoken.jp/teiten/
■『データ・コミック』
https://seikatsusoken.jp/datacomic/
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