ユニクロを運営する(株)ファーストリテイリングが13日発表した2022年8月期(21年9月~22年8月)連結決算は、売上収益が前期比7.9%増の2兆3011億2200万円、営業利益が同19.4%増の2973億2500万円、当期利益は同60.9%増の2733億3500万円となった。
国内ユニクロ事業の売上収益は前期比3.8%減
増収増益となり、過去最高の業績を達成した。コロナ禍が収束に向かう中、服に対する需要が回復。グローバルで継続的にLifeWear(究極の普段着)のブランディングを強化したことや、生産・物流の環境変化への機動的対応で、各国・各地域で売上が着実に回復した。期首に比べて大幅な円安が続くが、為替影響を除いても過去最高の利益となった。
「グローバルNo.1ブランド」をめざす事業成長の1つに掲げる「店舗とEコマースが一体となった購買体験の構築」では、国内ユニクロ事業のEC売上高構成比が16.2%(前期は15.1%)となったほか、特に、海外ユニクロ事業はグループの成長の柱として、ECの強化を図り、業績に貢献している。
国内ユニクロ事業は、売上収益が前期比3.8%減の8102億円、営業利益は0.6%増の1240億円と、減収増益。ECを含む既存店売上高は、同3.3%の減収となった。
上期は冬物売れ筋商品が欠品し、ユーザー需要に応えきれなかったことで、前年同期比9.0%減収となった。下期は、外出ニーズの高まりに伴い、感動ジャケット・感動パンツやシャツの販売が好調だったことに加え、7月以降は気温が高く推移したことから夏物商品が好調となり、同4.7%増収となった。
EC売上高は前期比3.1%増の1309億円
通期のEC売上高は前期比3.1%増の1309億円。売上総利益率は、原材料や輸送費の高騰で原価率が悪化した一方で、販売価格のコントロールの徹底で値引率が改善したことから、同2.5ポイント改善。売上高販管費率は、ブランディング強化のために広告宣伝費を増やしたことや、自動倉庫への戦略的な投資を実施していることで、同1.5ポイント上昇した。
海外ユニクロ事業の売上収益は前期比20.3%増の1兆1187億円、営業利益は同42.4%増の1583億円となった。円安が進んだことで、売上、営業利益とも押し上げられているが、現地通貨ベースでも増収、大幅な増益を達成した。地域別では、コロナ禍に伴う行動規制の影響を大きく受けたグレーターチャイナを除く、すべての地域で大幅な増収増益となった。
ジーユー事業の売上収益は前期比1.4%減の2460億円、営業利益は同17.4%減の166億円と減収、大幅な減益となった。上期は、生産や物流の遅延の影響で売れ筋商品に欠品が発生したことなどで、販売に苦戦。下期は、マーケティングの強化などで、カラースラックスやスウェット風のTシャツなどマストレンドを捉えた商品の販売が好調で増収となった。また、値引きの抑制で売上総利益率は改善、販管費率も改善し、大幅な増益となった。
来期は売上収益15.2%増の見込み
23年8月期の通期業績予想については、売上収益が2兆6500億円(前期比15.2%増)、営業利益は3500億円(同17.7%増)、当期利益は2300億円(同15.9%減)を見込んだ。当期利益は、為替影響を除くと前期比で増益の水準。各事業とも増収と増益、黒字化を見込む。
次期は攻めの姿勢で事業構造を変革し、グローバルNo.1ブランドの基盤づくりの1年とする。海外ユニクロ事業を中心に新規出店を加速させ、期末の店舗数は国内ユニクロ事業で809店舗(フランチャイズ店含む)、海外ユニクロ事業で1740店舗、ジーユー事業で469店舗。その他、グローバルブランド事業で729店舗(同)の計3747店舗となる見込みを示した。
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