2022.10.29 コラム
【化粧品OEMとは】化粧品ODMとの違いやメリットを徹底解説
化粧品OEMとは、製造メーカーが自社以外のブランドの製品を製造することです。化粧品ODMを利用すると、販売に専念できるなど様々なメリットが得られます。本記事では、化粧品OEMの概要から化粧品ODMとの違いやメリット・デメリットを解説していきます。
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化粧品OEMとは
化粧品OEMのOEMとは、「Original Equipment manufacturer」の略で、製造メーカーが自社以外のブランドの製品を製造することです。つまり、化粧品OEMとは、依頼を受けた製造メーカーが自社以外の化粧品ブランドの商品を依頼者に代わって製造することを表します。
化粧品業界では、多くの化粧品がOEMを利用して製造されています。また、化粧品業界以外にもアパレル業界や食品業界、家電業界など多くの業界でOEMは活用されています。
◇化粧品OEMと化粧品ODMの違い
化粧品ODMのODMとは、「Original Design Manufactured」の略で、製造メーカーが自社以外のブランドの製品の設計から製造までを行うことです。つまり、化粧品ODMとは、依頼を受けた製造メーカーが自社以外の化粧品ブランドの商品を依頼者に代わって設計、製造することです。
化粧品OEMは、製造メーカーが製造だけを担当するのに対して、化粧品ODMは、製造メーカーが商品の設計から製造までを担当するといった違いがあります。
化粧品OEMのメリット
では、化粧品OEMを活用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。本記事では、化粧品OEMのメリットを5つ解説していきます。
- ◎コスト削減になる
- ◎販売に専念できる
- ◎「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売許可」の取得が不要
- ◎自社工場がなくてもオリジナル化粧品を製造できる
- ◎在庫リスクを低減できる
◎コスト削減になる
自社で製品を製造するとなると、設備費や従業員費など多額の費用がかかります。しかし、化粧品OEMを利用すれば、製造メーカーに料金を支払うだけで、自社製品を代わりに製造してくれます。設備費や従業員費がかからない分、コスト削減になります。
◎販売に専念できる
自社で製品の製造を行っている企業であれば、従業員の確保や設備管理など、商品販売の他に製造にもリソースを割く必要があり、力が分散されてしまいます。
一方、化粧品OEMを活用すれば、商品の販売活動に専念できます。ものが溢れ、ただ単に良いものを作っただけでは売れない時代だからこそ、販売活動に専念できることは、大きなメリットになります。
◎「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売許可」の取得が不要
化粧品を製造するためには、「化粧品製造許可」を取得する必要があり、製造した化粧品を販売するためには、「化粧品製造販売許可」を取得する必要があります。これらの取得には、業者コードの登録や申請書の提出、実地調査を受けるなど非常に手間と時間がかかります。
一方、化粧品OEMを活用する場合であれば、「化粧品製造許可」と「化粧品製造販売許可」は、どちらの製造メーカーが取得済みのため、依頼者は許可を取得する必要がありません。
◎自社工場がなくてもオリジナル化粧品を製造できる
通常自社のオリジナル商品を製造する場合は、自社工場を構える必要があります。しかし、化粧品OEMを活用すれば、自社工場を構えることなくオリジナル商品の製造が可能です。そのため、自社工場を構えるための費用を準備するのが難しい方でも、オリジナル化粧品の開発が可能です。
◎在庫リスクを低減できる
商品販売において避けたいのが、商品が売れ残り在庫を抱えてしまうリスクです。化粧品OEM会社によっては、少ロットから製品を製造してくれるところもあるため、在庫リスクを低減できます。
化粧品OEMのデメリット
化粧品OEM会社を活用するデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。本項目では、化粧品OEMのデメリットを3つ解説していきます。
- ▲スケジュール管理が難しい
- ▲製品開発のノウハウがたまりにくい
- ▲競合が多い
▲スケジュール管理が難しい
デメリットの1点目は、スケジュール管理が難しい点です。依頼者は化粧品OED会社に自社に代わって製品の製造をしてもらう形のため、自社で納品日などのスケジュールを調整するのは難しくなります。
▲製品開発のノウハウがたまりにくい
デメリットの2点目は、自社に製品開発のノウハウが溜まりにくい点です。自社で工場を構えて製品を開発している企業であれば、製品開発のノウハウは自然と社内に溜まっていくものです。しかし、化粧品OEMで製品開発を行っている企業の場合、自社に製品開発のノウハウが溜まりにくく、将来自社で工場を構えて製品を開発する際に、ノウハウがないため上手くいかないケースがあるため注意が必要です。
▲競合が多い
デメリットの3点目は、競合が多い点です。化粧品OEM会社は複数の企業から化粧品開発の依頼を受けて対応しています。そのため、競合会社も多く、繁忙期などは、他の会社との製造日程が重なり納期が遅くなる場合もあるため注意が必要です。
化粧品OEM会社を選ぶ際のポイント
化粧品OEM会社を選ぶ際どのようなポイントで依頼する会社を決めれば良いのでしょうか。本項目では、化粧品OEMを選ぶ際のポイントを5つご紹介します。
- 1作りたい製品開発の技術力があるか
- 2ロット数の柔軟さ
- 3サポートの充実性
- 4得意分野の把握
- 5トラブル発生時の対応
1:作りたい製品開発の技術力があるか
はじめに考えるべきポイントは、自社で作りたいと考えている製品を開発する技術と設備が依頼する化粧品OEM会社にあるかの確認です。見極めるポイントとしては、これまでにどのような製品を製造してきたか、開発実績を見せてもらうと良いでしょう。
2:ロット数の柔軟さ
ポイントの2点目は、ロット数の柔軟さについてです。例えば、化粧水の製造を化粧品OEM
会社に依頼した際に、A社の再少ロット数は1000本なのに対して、B社の最小ロット数は2000本のように化粧品OEM会社によって、最小ロット数が異なる場合があります。そのため、最小ロット数はいくらかを事前に確認しておきましょう。また、ロット数が少ないと割高になるケースがあるため、料金についても念入りに確認しておきましょう。
3:サポートの充実性
ポイントの3点目は、サポート体制の充実性です。分からないことがあった際はすぐに聞くことができるのか、自分たちの要望を叶えてくれるのか確認しましょう。また、化粧品OEM会社を選ぶ際は、担当の方との相性も大切です。そのため、化粧品OEM会社と契約を交わす前に、依頼する化粧品OEM会社に自ら足を運び担当の人と顔を合わせておくことをおすすめします。
4:得意分野の把握
ポイントの4点目は、得意分野の把握です。A社は「洗顔料や乳液、化粧水の製造が得意」、B社は「クレンジングや美容液の製造が得意」など、化粧品OEM会社によって、得意とする分野は異なります。依頼しようとしている化粧品OEM会社がどのような製品の製造を得意としているか事前に把握しておきましょう。
5:トラブル発生時の対応
ポイントの5点目は、トラブル発生時の対応です。化粧品OEM会社との契約でよくあるトラブルには下記のようなモノが挙げられます。
- ・商品に欠陥が見られる
- ・仕様とは異なる商品が送られてきた
- ・会社の情報が外部に漏れている
上記のようなトラブルが起きた際、化粧品OEM会社はどのように対応してくれるのかあらかじめ確認しておきましょう。また、トラブルを未然に防ぐための行動も重要です。OEM会社と頻繁にやり取りをして状況を逐一確認する、納品スケジュールに余裕を持たせる、モラルが低いOEM会社とは取引をしないなどトラブルが起きないように務めましょう。
化粧品OEM会社を利用する際の流れ
化粧品の製造にかかる期間は4カ月程度が平均となっています。本項目では、化粧品OEM会社を利用する際の流れを解説していきます。
- 1打ち合わせ
- 2企画提案
- 3試作品の作成
- 4仕様の決定
- 5見積・契約
- 6納品
1:打ち合わせ
打ち合わせでは、どのような化粧品を作るかのイメージを依頼者と受託者で共有します。化粧品は、種類が多く、決めるべきことが非常に多いため、化粧品OEM会社との打ち合わせの前にどのような製品を作りたいかあらかじめ決めておくのが良いでしょう。具体的に、打ち合わせでは以下のようなことを話し合います。
→製造する化粧品の種類
・頭髪用化粧品類
・洗髪用化粧品類
・化粧水類
・クリーム類
・パック類
・ファンデーション類
・口紅類 など
→容量と価格
→パッケージデザイン
2:企画提案
企画提案では、打ち合わせで話した内容をさらに具体化し、製造する商品の詳細について詰めていきます。
3:試作品の作成
試作品とは、製品を大量生産する前に生産する製品に問題がないか検証する目的で作られるモノです。企画提案で、固めた製品イメージの試作品をOEM会社に製造してもらいます。試作品に改善点や改良点があった場合は、問題点がなくなるまで繰り返し試作品を制作します。
4:仕様の決定
試作品で問題点がなくなったら、仕様が決定となり、製造する準備に入ります。
5:見積・契約
製造する個数を基に見積書を作成してもらい、契約を行います。
6:納品
製品が無事完成したら納品となります。
以上が化粧品OEM会社を利用する際の流れです。
まとめ
本記事では、化粧品OEMについて解説してきました。本文でも解説した通り、化粧品ODMを活用することで、自社で工場を持っていない企業でも簡単にオリジナル化粧品の開発ができ、コスト削減や販売に専念できるといった様々なメリットが得られます。
自社オリジナルで化粧品の制作を考えている方は、本記事を参考にして、化粧品OEMの利用を検討してみてください。
当サイト「通販通信ECMO」では、OEMに関する記事や資料を多数掲載しています。ぜひご確認ください。
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