2022.12.25 コラム
バリューチェーンとは?目的や分析方法、業界別の事例について解説
バリューチェーンとは、事業活動における価値の流れを示す言葉です。バリューチェーンをフレームワークとして分析することを「バリューチェーン分析」と言います。本記事では、バリューチェーン分析の目的や分析方法、活用事例について解説します。
バリューチェーンとは
バリューチェーンとは、事業活動で生み出される価値の流れを表す考え方です。日本語では「価値連鎖」と呼び、資源の調達から顧客の元に届けるまでの工程を複数の機能に分類した価値のつながりを表しています。
後述で解説する「バリューチェーン分析」は、自社の事業がどのような価値をもたらしているのかを把握することができます。
バリューチェーンの意味
バリューチェーンは、「バリュー」は価値や値打ち、「チェーン」は連鎖や鎖をいう意味を合わせた言葉になります。これらの意味から「価値の連鎖」といったニュアンスで使用されており、顧客の元へ商品が届く工程の中で、どの部分に価値を生み出しているのかを確認できます。
バリューチェーンの構成要素
バリューチェーンにおける構成要素は、大きく「主活動」と「支援活動」の2つに分けることができます。
「主活動」とは製造から購買までの流れのことを指します。商品の製造から顧客へのサービス提供までの工程を分類したもので、例えば「製造」「物流」「販売」「マーケティング」「サービス」といった内容が主活動に含まれます。
「支援活動」とは主活動をサポートする活動のことを指します。例えば「人事労務」「原材料調達」「技術開発」「その他全体的な管理」などがあげられます。
この「主活動」「支援活動」に利益を落とし込んで考えることでバリューチェーンの構成を理解することができるでしょう。
バリューチェーンと類義語との違い
バリューチェーンにはよく似た意味を持つ言葉があるため混同してしまいがちですが、それぞれの意味をしっかりと覚えておきましょう。
▽サプライチェーンとの違い
サプライチェーンとは、「原材料の調達から製造、販売までの流れ」をいいます。そのためバリューチェーンとほぼ同じ意味と認識されやすいですが、大きな違いは着目しているポイントになります。
バリューチェーンがビジネスにおける「価値」に着目しているのに対し、サプライチェーンは商品が顧客に届くまでの「流れ」に着目して考えていきます。またサプライチェーンは企業間の供給の流れにも着目しますので、自社だけではなく複数の企業で構成されます。
サプライチェーンは日本語で「供給連鎖」ですので、バリューチェーンの「価値連鎖」とは切り分けて考えておくとよいでしょう。
▽ビジネスシステムとの違い
ビジネスシステムとは商品やサービスが顧客に届くまでの工程のことをいいます。ビジネスシステムは「システム」そのものに着目しますので、バリューチェーン分析とは意味が異なります。
ビジネスシステムは自社だけで完結する考え方となります。
▽エコシステムとの違い
エコシステムもバリューチェーン分析などを考える際によく出てくる言葉になります。エコシステムとは、企業同士が共存していく仕組みのことをいいます。例えばスマホのアプリケーションのように各企業が連携することで大きな収益を生む仕組みなどです。
複数の企業間の連携や連鎖によって得られる利益・収益構造に着目しており、業界を超えた関係性から構成されることも多くあります。
バリューチェーン分析とは
バリューチェーン分析とは、自社のビジネスにおいて「どの部分に」「どのような」付加価値が生じているのかを明確にするためのフレームワークです。付加価値とは商品やサービスに価値を付け加えることで、より良いサービスを提供できるようになるものを指します。
バリューチェーン分析の目的
バリューチェーン分析の目的は、ビジネスの各工程で発生している課題やコストを明確にし、どの工程でどのような内容の価値が生み出されているのかを把握することです。価値を把握することにより、マーケティング戦略に活かすことができます。
また分析の結果から過剰なコストの削減を実現したり、競合他社との差別化を図ったり、事業全体を効率化しつつ業績改善につなげることも可能です。
バリューチェーン分析のメリット
バリューチェーン分析のメリットとしては、主に以下があげられます。
- ・コスト削減
- ・自社の強みや弱みの可視化
- ・競合分析や差別化
- ・経営戦略立て
バリューチェーン分析を実施することにより、自社の課題や強み、競合他社との差別化のポイントなどが明確になります。そのため「製造工程の中で無駄なコストが発生していないか」「強豪との差別化を図るために何が必要なのか」「事業全体の課題はなにか」といった自社が抱える問題の課題解決につなげることができるようになるでしょう。
これらのメリットを生かすためには、バリューチェーン分析の正しいステップを理解しておくことが重要となります。次に解説する分析のステップについても確認しておきましょう。
バリューチェーン分析の4ステップ
バリューチェーン分析を実施する4つのステップについて解説します。
- ・バリューチェーンの洗い出し
- ・コスト分析
- ・強みや弱みの分析
- ・VRIO分析
☆バリューチェーンの洗い出し
最初に「バリューチェーンの洗い出し」を行います。商品の開発から製造、物流、販売などの事業における工程に分類していきます。その中で「主活動」と「支援活動」のどちらに分けられるかをまとめていきましょう。
そして「主活動」を細分化していくことにより、自社にどのようなバリューチェーンが考えられるのかを把握していきます。
☆コスト分析
それぞれの工程にかかっているコストを把握していきます。工程ごとのコストを明確にすることで削減できそうなコストが可視化されるため、各工程の年間コストなどを記録しておくと後から活用することができるでしょう。
☆強みや弱みの分析
次に自社の強みや弱みについて分析していきます。競合他社との比較を実施することで、より多くの対象との比較を行うことができるため、精度の高い分析が可能です。
自社について分析する際は、できるだけ客観的な視点を取り入れるとよいでしょう。異なる部署からの意見や、より多くの競合他社とのデータを取り入れることもおすすめです。
☆VRIO分析
VRIO分析の「VRIO」とは、「Value(価値)」「Rareness(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」の頭文字を組み合わせたものです。これらの要素ごとに他社との優位性や課題などを分析していきましょう。
バリューチェーン分析の一般的なステップは以上となります。事業内容や規模によって内容が異なる場合もありますが、まずは自社のバリューチェーンを洗い出すことから始めてみるとよいでしょう。
業界別バリューチェーンの特徴
バリューチェーンは業種によってさまざまなパターンがあります。具体的にはバリューチェーンとして細分化できる工程に異なる点があるため、活動内容にも幅が生まれるためです。
例えば、飲食業であれば「味が良い」「立地が良い」、製造業であれば「品質が良い」「最新の製造技術を導入している」といった強みが考えられ、顧客が得られる価値も業種によって異なります。
業界別のバリューチェーンの例について解説していきます。
◎製造業
製造業では、製品を生み出すことが大きな価値と考えられます。そのため主活動としては「製造」「販売」といった活動があげられます。
より製造業で大きな利益を得るためには、原材料にかかるコストや品質を重要視することです。顧客の価値を最大化するためにも原材料の輸入や製造した商品が、安定した顧客のもとに届けられる活動が重要となるでしょう。
◎サービス業
サービス業では、「サービスの提供」や「商品企画」における活動が主活動のメインとなります。そのため顧客のニーズを正確に理解することでより良い商品を生み出すことが大きな価値となります。
サービス業においては顧客との関係性や意見を取り入れるための仕組みづくりも重要となります。業種によって特徴があるため、もっとも価値を生み出せる活動に力を入れていくとよいでしょう。
◎小売業
小売業では、「商品企画」「仕入れ」「集客」「販売」といった活動がメインとなります。より利益を生み出すために、顧客の集客や商品を利用したユーザーの満足度に価値が生まれることが多いです。
商品を流通させるための物流コストや仕入れコストなどで削減できる部分がないか、など課題の抽出や改善も重要な活動といえます。
◎農業
農業では、バリューチェーンの考え方が浸透していない傾向がありましたが、現在では物流や製造における工程での付加価値をつなぎ合わせ、バリューチェーンを生み出している企業が増えています。このような考え方を「フードバリューチェーン」といいます。
フードバリューチェーンを取り入れた活動をすることで、食品の品質改善や効率的な流通経路の開拓などに活かしていくことができるでしょう。
分析を通じて競合他社との差別化を図る
バリューチェーン分析の目的や分析のステップ、業界ごとの特徴について解説しました。バリューチェーン分析は自社の活動のどこに価値が生まれているのかを分析することをいい、自社の強みや弱みを明らかにする目的があります。
どの業界においても競合他社との競争が激しくなっていますが、バリューチェーン分析を活用することで自社の強みを活かした差別化を生み出すことも可能です。
まだバリューチェーン分析について取り組んだことがないという方は、まずは自社のバリューチェーンの洗い出しから実施してみるとよいでしょう。
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