2022.12.25 コラム
3C分析とは?やり方やポイント、分析事例などをわかりやすく解説!
売上拡大には、自社を取り巻く環境や自社の現況を把握し、適切な施策を実行することが大切です。事業戦略を考えるフレームワークとして「3C分析」があります。今回は3C分析について、やり方やポイント、分析事例をわかりやすく解説します。
3C分析とは?
3C分析とは、マーケティング環境を・・・
- ・Customer=市場・顧客
- ・Competitor=競合
- ・Company=自社
・・・の3つから分析する手法です。
マーケティングでは市場などの外部環境と自社の内部環境の2側面から戦略を決定する必要があります。
3C分析では、市場・顧客、競合の外部環境と自社の内部環境が分析でき、適切なマーケティング戦略の設定に役出つ手法です。
元々はかつてマッキンゼーに所属していた大前研一氏が1982年に「The Mind of the Strategist」という本の中で提唱した考えで、現在では世界的に広く普及している分析手法となっています。
3C分析の目的
3C分析の目的は、市場・顧客、競合、自社を分析し、自社ビジネスの成功要因を見つけることです。
成功要因を発見できれば、事業でやるべきことや方向性を明確にできます。
自社の内部環境と市場や競合などの外部環境を比較することで、市場における自社の強みや弱みを明確にでき、効率的に成果を出せるマーケティング施策を立案・実行できるでしょう。
3C分析では単に分析するだけでなく、その後のマーケティング施策にどう活かすかまで重要となります。
3C分析のやり方
3C分析のやり方を、以下の3つに分けて解説します。
- ・市場・顧客(Customer)の分析
- ・競合(Competitor)の分析
- ・自社(Company)の分析
▽市場・顧客(Customer)の分析
市場・顧客(Customer)の分析では、以下2つの手法を用いて分析します。
・マクロ分析
・ミクロ分析
マクロ分析では、経済状況や法改正といった社会的な大きな変化を分析対象としており、よく使われるのはPEST分析という手法です。
PEST分析では以下4つの要素を詳細に分析します。
Politics(政治的要因) | 法律の改正、政府の動向など |
---|---|
Economy(経済的要因) | 景気、インフレやデフレの進行、経済成長率など |
Society(社会的要因) | 人口動態、教育、犯罪、健康や文化に関する情報 |
Technology(技術的要因) | 新技術、特許など |
PEST分析では、社会的な外部環境がどういったトレンドなのか読み解くことが可能です。
PEST分析とは?意味や目的、具体的な手順を解説
一方、ミクロ分析では業界における自社ビジネスへの影響を分析します。
よく用いられるのは以下5つの脅威を分析する「ファイブフォース分析」です。
- ・既存の競合他社
- ・新規参入企業
- ・代替品の存在
- ・買い手(顧客)の交渉力
- ・売り手の交渉力
競合との力関係など自社を取り巻く脅威を分析することで、効率的に自社の収益を高められる施策を立案・実行できます。
▽競合(Competitor)の分析
競合の分析では、競合他社が市場でどのような活動をしているか詳細に分析します。
競合他社のビジネスを分析する際、以下の2点を軸とするのがおすすめです。
- ・結果
- ・要因
結果では、競合の売上や利益率、市場シェアなど、ビジネス上の成果を調査しましょう。
公表されていない情報も多くありますが、わかる範囲内で情報を取得していくことが大切です。
要因では、上記ビジネス上の成果がでた背景やプロセスなどを調査しましょう。
具体的には販売ルートや製造工程、開発体制や販売体制などが挙げられます。
上記のように結果と要因の両軸で調査することにより、自社で取り入れるべきポイントや差別化ポイントが明確にでき、競争優位性を獲得しやすくなります。
▽自社(Company)の分析
自社の分析では、市場・顧客、競合の分析結果と比較しながら、自社の情報を把握していきます。
自社の分析でよく使われる手法は「VRIO分析」です。
VRIO分析では、自社の経営資源について以下4つの観点から分析します。
- ・経済的な価値
- ・希少性
- ・模倣可能性
- ・組織
自社の経営資源を上記の観点から把握することで、競合他社に負けない強みを明確にでき、事業戦略の方向性を定めやすくなります。
3C分析を行うポイント
3C分析を行うポイントとして、以下の4つが挙げられます。
- ・固定概念は排除する
- ・なるべくスピーディーに分析する
- ・SWOT分析も行う
- ・分析の順番に気をつける
3C分析の際は、上記ポイントを意識しましょう。
▽固定概念は排除する
3C分析の際は、固定概念を排除し分析することが大切です。
特に自社分析の際は要注意で、「ここは競合よりも勝っているだろう」や「弱みはほとんどないはず」などの主観的な判断が入りがちです。
上記のような固定概念があると、正確な自社の業界内でのポジションがわからず、事業の方向性を見誤る可能性があります。
3C分析をする際は、客観的な分析を意識しましょう。
▽なるべくスピーディーに分析する
3C分析では、なるべくスピーディーに分析を終える必要があります。
特に市場や顧客、競合などの外部環境は変化が激しく、分析に時間をかけすぎると正確な分析結果を得られません。
分析結果が現状を反映していないと、その後の施策も成果を出せなくなってしまいます。
3C分析は分析開始時から時間を置かずに終えることが大切です。
▽SWOT分析も行う
3C分析では、SWOT分析も行うことが大切です。
3C分析は自社ビジネスの成功要因を発見できますが、その後の戦略まで3C分析だけでは立てられません。
SWOT分析では、自社を以下の観点から評価できます。
- ・強み(Strebgths)
- ・弱み(Weakness)
- ・機会(Oppotunities)
- ・脅威(Threats)
自社を上記のように内的・外的の両面から分析することで、自社の課題を明確にでき戦略の方向性を見極められます。
自社分析では、SWOT分析も同時に行っておくのがおすすめです。
SWOT分析(スウォット分析)と「クロスSWOT分析」とは?企業戦略を導き出すための分析方法を知ろう
▽分析の順番に気をつける
3C分析は、分析の順番に気をつけましょう。
分析の順番は「Customer(市場・顧客)→Competitor(競合)→Company(自社)」の順番で行うことが大切です。
仮に自社の分析から始めてしまった場合、外部環境を考慮せず自社の情報を認識してしまうため、主観的な分析結果を得にくくなります。
外部環境を分析した後に、自社の内部環境を分析しましょう。
3C分析の事例
3C分析の事例について、以下の2つを紹介します。
・アパレル会社の事例
・コーヒーショップの事例
3C分析を行う際は、上記を参考にしてください。
◎アパレル会社の事例
アパレル会社で3C分析を行った場合、以下のケースが考えられます。
・市場・顧客(Customer)の分析
年々、アパレルはECサイトでの販売が増えている。
年齢など世代ごとに衣服の趣味や嗜好が異なる。
・競合(Competitor)の分析
アパレルのECサイトは「女性限定」などジャンルを絞って販売するケースが多い。
・自社(Company)の分析
子供からお年寄りまで、年齢や性別に縛られず幅広いアイテムを揃えている。
上記のように分析した場合、「幅広い顧客を対象とした商品がある」ことが自社の強みであり、その強みを活かせる顧客アプローチなどの戦略を考える必要があります。
◎コーヒーショップでの事例
コーヒーショップの3C分析では、例えば以下のケースが考えられます。
・市場・顧客(Customer)の分析
学生からお年寄りまで幅広い客層に対応している。
年齢によって好きな商品が異なる。
・競合(Competitor)の分析
コーヒショップは大手チェーンを含め競合が多い。
店舗ごとにコンセプトが異なり、地域に合わせた商品やサービスを提供している。
・自社(Company)の分析
コーヒーショップとしては広くおしゃれな内装である点が強み。
上記の分析結果であれば、コーヒーを飲むことが目的の顧客よりもコーヒーショップで時間を過ごしたい顧客をターゲットにするなどの戦略が考えられます。
まとめ
3C分析は、企業の事業方向性を決め効率的に収益を高める施策を実行するのに重要です。
3C分析では、外部環境から分析した上で自社を客観的に分析することがポイントとなります。
今回の内容を参考に、3C分析を行い自社に最適な事業戦略を実行し売上拡大に努めましょう。
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