(株)エートゥジェイが20日発表した『ECサイト運営に関する課題調査』のまとめによると、EC事業者の2大課題は「集客」(56.3%)と「リピート購入」(40.0%)であることが判明した。また、半数以上が自社のECサイトでCRMツールを導入していないことも分かった。
CRM導入企業の月額費用は平均70万円
EC事業に携わっている全国の20代~60代の男女400人に、運営業務での課題やCRMマーケティング施策について聞いた。調査結果とともに課題の解決策を紹介している。
それによると、現在のEC業務の課題のトップ3は、1位が「集客」(56.3%)、2位が「リピート購入」(40.0%)、3位は「客単価が上がらない」(26.3%)。次いで「初回購入」(21.0%)、「顧客分析ができていない」(21.0%)だった。いずれもCRM領域の課題が目立つ結果となった。
CRM領域に課題を持っている事業者が多くいる中、51.2%は自社のECサイトでCRMツールを導入していなかった。また、導入している事業者は、導入の際に初期費用として平均約300万円、月額費用として平均約70万円の費用をかけていた。
現在の EC業務の課題(n=400)
実施中のCRM施策は1位が「自動配信メール」・2位が「SNS運用」
このことから、半数以上はカートに付随されている、簡易的な分析や注文完了などのメール配信しかできていないことが考えられる。また、約70万円の費用にも関わらず、課題を持つ事業者が多いということは、機能を使いこなせていない可能性が高いとしている。
CRMマーケティングツールを導入している事業者の51.8%が「集客」と「リピート購入」に課題を抱えていた。集客とリピート購入が課題の事業者が、具体的に行っている施策は、ともに1位が「自動配信メール」、2位が「SNS運用」、3位が「広告」という結果になった。
集客の課題に対して行っている施策は適切だが、リピート購入の課題に対しての施策は「やりたいこと」と「やっていること」にズレが生じていた。また、リピート購入が課題の事業者の3人に1人が、導入しているCRMマーケティングツールを使いこなせていなかった。導入しているツールの割合は、「MAのみ」が26.8%、「BIのみ」が43.9%、「CDPのみ」が19.5%、「総合CRMツールのみ」が9.7%、「メール配信のみ」が0.0%だった。
CRMツールのミスマッチはツール選定の知識不足が背景に
MA、CRM総合ツールを導入している事業者はCRM施策に対してアプローチができているもののBI、CDP、メール配信のツールのみ導入している事業者は細かいCRM施策は打つことができない。そのため、ツールを導入しているが、「リピート施策」という課題が解決されず残ってしまっていることが推測される。
同社は、CRMが課題の事業者は課題に対するツール選定や、マーケティング施策の選択がミスマッチになっている。眼前に広がる課題のための分析や現状把握まではできていても、分析から施策まで落とし込む広い範囲でのツール選定知識の不足が背景にあるという。
売上が自然に上がるような万能ツールは存在しない。CRMツールを使いこなし成果を出すには、ツール選定知識に加えて、ユーザーを引き付けるCRMマーケティングノウハウも必要。そして何よりも継続した運営をしていくリソースの確保が大切だ。これから導入を検討する際は、社内で蓄積されたノウハウを、分析だけでなくしっかりと施策まで一気通貫で落し込めるツール選択を意識してみては、と提案している。
この続きは、通販通信ECMO会員の方のみお読みいただけます。(登録無料)
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。