(株)ニトリホールディングスがこのほど発表した2023年3月期第3四半期(22年2月21日~11月20日)連結決算は、売上高が前年同期比4.2%増の6317億6900万円、営業利益が同12.0%減の950億4700万円、純利益は同12.3%減の665億3500万円となった。
「ネット限定マーケット」でネット限定商品が好調
ニトリ事業の売上高は前年同期比7.9%増の5447億1200万円、営業利益は同13.5%減の911億1200万円となった。急激な円安の進行や原油高に起因する輸入コストの上昇などにより売上原価が増加した結果、営業利益は前年に対し下回る結果となった。
EC事業(海外を含む)は前年同期比13.8増の605億円。前会計年度に開始した「インスタライブ」に加え、「ニトリライブ」をニトリネット内に公開し、週2回配信。1回の視聴者数が3万人を達成した。開設した「ネット限定マーケット」はニトリネットでネット限定商品の売上構成が17%になった。アプリ会員は順調に増加。11月末には1508万人となり、期首比較で194万人増。今期末の目標を1600万人に置いている。
オンラインとオフラインの融合施策を推進
また、自宅にいながら無料で窓まわりの商品購入に関する相談ができる「カーテンオンライン相談サービス」を開始した。商品の提案だけでなく、採寸に関する案内も行っている。11月からはニトリネット内に、色や柄の組み合わせを確かめた上で買い物ができる「お部屋deコーディネート」を導入。引き続き、オンラインとオフラインの融合施策の推進を図っている。
ニトリ27店舗、デコホーム24店舗と積極的な出店を進めた。なかでも、目黒通り店と池袋サンシャイン60通り店は、部屋型プレゼンテーションを多数展開した都内の旗艦店としてオープン。7月には、353店舗で開店時間を午前11時から午前10時に繰り上げた。
横向き寝がラクなまくら「ナチュラルフィット」などが好調
販売実績としては、横向き寝がラクなまくら「ナチュラルフィット」、背もたれとフットレストをそれぞれお好みの角度に調整できる電動本革リクライニングパーソナルチェア「2モーターLE01」などの売上が好調に推移した。
また、「手にフィットして握りやすいオールステンレス包丁」「UVカット率99%でも明るいレースカーテン」「5層構造ボリューム敷布団スリープメンテ」の3項目で、22年度グッドデザイン賞を受賞した。同賞の受賞は10年連続となった。
石狩DCで9月から北海道内への商品供給を開始
物流施策では、物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトの第一弾となる石狩DC(物流センター)を5月に竣工し、9月より北海道内への商品供給を開始した。11月に竣工した神戸DCは、2023年3月より稼働を開始する予定。また、次年度以降の稼働を計画している名古屋DCを7月に、幸手DCを8月にそれぞれ着工している。
海外では、中国で感染症再拡大で厳しい状況が続いたが、6月より全店で営業を再開、北京市への初出店を果たすなど出店を加速している。台湾では11月に51店舗目を出店。マレーシアには5年間で20店舗、シンガポールには同じく10店舗の出店を計画している。
島忠事業の売上高は前年同期比11.6%減の924億6100万円、営業利益は同29.5%増の34億9400万円。前年度から地域の顧客に支持を得られる商品や売場づくりに、さまざまな実験を繰り返している。4月より島忠の全店舗とECサイト「シマホネット」でニトリポイントの付与・利用が可能となり、グループの配送網を活用した全国一律料金での配送が可能となった。既存店舗の売り場、設備の改装とともに、商品の品揃えについても見直しを継続している。
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