2023.01.17 コラム
LPO対策の方法とは?抑えておくべきポイントを解説
LP(ランディングページ)を公開しただけで、そのままにしていませんか?LPは公開したら終わりではなく、定期的に改善・見直しなどを行って最適化する施策「LPO」が必須です。 本記事ではLPO対策の基本から注意点、やり方など、LPOの対策について悩んでいる方に向けて、専門家の監修のもと詳しく解説していきます。
そもそもLPOとは
LPOとは、「Landing Page Optimization」の略語で、日本では「ランディングページ最適化」という意味です。LPOの目的は、CVRを上げることです。LPOを実施することで、LPの費用対効果向上が期待できます。
企業のWebサイトの多くは、SEO対策やリスティング広告などの方法でLPにアクセスを集め、ユーザーに商品購入や資料請求などのアクションを促します。しかしユーザーの訪問先であるLPに不備があったり、ユーザーにとって魅力が感じられないものであったりすると、たとえアクセスは集められたとしてもCVにはつながりにくいです。
そのような場合に改善策として有効なのが、LPOです。LPOによってLP内の情報を見やすくしたり、興味を引くコンテンツを増やしたりすることによって、ユーザーの直帰率が下がってCVにつながりやすくなります。
SEOとの違い
LPOとSEOはよく混同されますが、明確に異なるものです。具体的には、SEOはアクセス増加を目的としているのに対して、LPOはCVRの向上を目的としています。簡単にいえば、SEOは入口を大きくして、LPOはユーザーをきちんと出口まで誘導するものです。
SEOは、Googleを始めとした検索エンジンでコンテンツを上位表示させることが目的です。コンテンツは検索エンジンで上位表示されることで、より多くのユーザーの目に留まります。ただし、SEOでアクセスを増やしたとしても、それだけでCVRが上がるわけではありません。
その一方でLPOでは、ユーザーの到達点となるLPの改善をおこない、離脱率と直帰率を下げます。しかし、そもそもLPへのアクセスが少なければ効果を発揮しません。
SEOとLPOでは、このように役割が異なるため、同時に施策をおこなうことが好ましいです。そうすることで、相乗効果が期待できます。
LPO対策を始める前に
LPO対策を始める前に、自社サイトの分析をおこないましょう。なぜなら、WebサイトによってLPO対策の向き不向きがあるためです。具体的なLPOの向き不向きの特徴は、以下のとおりです。
LPOを行う必要があるWebサイトの特徴
- 商品・サービスの提供をおこなっている
- 資料請求・問い合わせなどがCVポイントとなっている
- コンテンツが豊富で、ユーザーが求めている個々のニーズに合わせたページを提供しやすくなっている
LPOを行う必要が低いWebサイトの特徴
- 企業名やニッチなキーワードのみで検索されている
- コンテンツ量が少ない
商品やサービスの提供、資料請求、問い合わせがCVポイントとなっている場合は、LPOの効果が表れやすいです。なぜなら、コンテンツの質やユーザビリティの高さがCVに直結するためです。またコンテンツが豊富な場合も、LPOによってそれぞれのユーザーに適したものを表示できるようになるため、CVにつながりやすくなります。
その一方で、そもそもアクセスが少ない場合は、LPOの効果が表れにくいです。アクセスが少ない場合は、LPOよりもSEO対策をおこなった方が良いでしょう。
また、コンテンツ量が少ない場合も、LPOの効果が期待できません。なぜなら、LPOによる改善の余地が少ないためです。この場合も、SEO対策によってユーザーの流入を増やした方が良いでしょう。
LPO対策の進め方〜離脱率を下げCVRを上げる〜
LPO対策の手順は、下記のとおりです。
- 現状把握をする
- 施策を考える
- 検証する
では、それぞれについて解説します。
現状把握をする
まずはLPのCVRや、コンテンツのどの部分がよく見られているのかなどを分析しましょう。なぜなら、現状を把握することで初めて効果的な施策を打ち出せるためです。
LPの分析には、「Googleアナリティクス」や「ヒートマップ」などが使えます。Googleアナリティクスでは、CVRやセッション数、直帰率や滞在時間などを数値で分析できます。
一方でヒートマップツールでは、ページ内でどの部分がより多くクリックされているのか、どのエリアが長い時間閲覧されているのかなどの分析が可能です。
分析の際に見るべきポイントの例として、以下のものが挙げられます。
- ユーザーがどんな検索キーワードで流入してきているか
- どの部分がよく見られ、どの部分で離脱されることが多いか
- CVRはどのくらいか
こうして分析をすることで、LPの弱点が明確になるため、それを改善するための施策を検討できます。
またLPだけではなく、ターゲットの分析も大切です。ターゲットを明確にしないと、誰にも刺さらないぼやけたコンテンツになってしまいます。
ターゲットは地域や年齢、行動、ライフスタイルなどで分類できます。そのうえで、商品やサービスのコンセプト、競合との差別化ポイントや強みなどを考慮してターゲットを絞るとより効果的です。
施策を考える
LPの分析ができたら、課題解決のための施策を立案します。では、施策の例を見ていきましょう。
1つ目は、ファーストビューを魅力的にするという施策です。ファーストビューが魅力的でないと、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。特にユーザーがコンテンツから離脱をするかどうかの判断に要する時間は、時代が進むとともに短くなっている傾向があるため、ファーストビューでユーザーの興味を引かなければスタートラインにすら立てないと考えたほうが良いでしょう。
2つ目は、商品の強みを記載するという施策です。当然ながら、商品の強みはLPにきちんと記載しないとユーザーに伝わりません。しかしただ単に記載するだけでは効果が期待できないため、余計な情報をそぎ落とし、ユーザーにとってわかりやすいように情報をまとめましょう。
3つ目は、CVへの導線をスムーズにするという施策です。ファーストビューからCVまでに、外部リンクなどの離脱ポイントが多いほど、ユーザーはCVまで辿り着きにくくなってしまいます。もし別のページにユーザーを流したい場合は、LPとは別にコンテンツを用意し、LPはCVへ一直線に進める設計にしましょう。
4つ目は、入力フォームをわかりやすくするという施策で、これをEFOといいます(後述)。入力フォームの項目が多すぎたり、プルダウンがなかったりして手間がかかるようだと、せっかくユーザーが入力フォームまで辿り着いても離脱してしまいます。そうなってはもったいないため、入力フォームまで辿り着いたユーザーは高い確率でCVにつなげられるようEFOを実施しましょう。
5つ目は、CTAの位置や数を適正化することです。CTAは、ユーザーがアクションを起こしたくなるような位置に置かないとクリックされませんし、数が多すぎると目障りな印象を与えてしまいます。CTAの適正化は、ヒートマップの分析内容を参考に実施すると良いでしょう。
検証する
施策の立案ができたら、実行に移します。ただし複数の施策がある場合でも、同時に一つのLPに対して実行するのは避けましょう。なぜなら、どの施策が効果を発揮したのかわからなくなってしまうためです。
施策実行の際には、「A/Bテスト」を使うと効果測定しやすくなります。A/Bテストとは、複数のパターンを同時に運用して成果を比較するものです。LPの場合は、施策を実施したものとしていないもの2つ以上を用意し、同時に運用します。
LPOの一つとして、「行動ターゲティング型LPO」というものがあります。行動ターゲティング型LPOとは、LPにアクセスしたユーザーの行動履歴を分析して、より訴求効果が高いと想定されるLPを表示することでCVRの向上を目指すものです。行動ターゲティング型LPOが有効なケースとして、以下のものが挙げられます。
問題点:直帰率が高い、滞在時間が短い 仮説:LPの内容がユーザーのニーズと合致していない 施策:ユーザーごとに表示する情報を変える
このケースでの施策では、ユーザーを属性やページ閲覧履歴などで分類し、それぞれに合わせたページを表示できるようにします。
施策を実施して一定期間が経過したら、効果検証を行います。つまり、施策によって狙っていた効果が表れたのかどうかを確かめるのです。もし施策の効果が見られなければ別の施策を検討し、効果が見られた場合は他の問題点にアプローチします。
このように何がよかったのか、何が悪かったのかは、PDCAサイクルを回していくことで明確になっていきます。PDCAサイクルとは、「P=Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Action(改善)」のそれぞれの頭文字を取ったものです。PDCAサイクルをLPの至る箇所で回していくことによって、LPの質は向上していくでしょう。
施策実行・検証の段階で役立つA/Bテストについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
必要に応じて入力フォームの最適化「EFO」も実施しよう
EFOとは、「Entry Form Optimization(入力フォーム最適化)」の頭文字を取った言葉です。EFOの具体的な方法には、入力項目の削減やプルダウンの設置、入力エラー箇所の表示などが挙げられます。EFOをおこなうことで、ユーザーが入力フォームで離脱しにくくなり、結果としてCVの増加が期待できます。
LPOはLP全体に対しておこなうものであるため、厳密にはEFOとは別物です。しかし、LPOもEFOもCVRを向上させるための施策であるため、同時におこなうのが好ましいです。入力フォームの使いやすさも、LPの質に関わります。
EFOもLPOと同様に、分析から検証までをおこない、改善を目指します。EFOの詳細は下記の記事で解説していますので、合わせてご覧ください
EFOとは「入力フォーム最適化」!改善方法と施策のポイント
まとめ
今回の記事のポイントを箇条書きでまとめます。
- LPOとはLP最適化のことである
- LPOを実施することでCVR向上が期待できる
- LPOとSEOは別物だが、同時におこなうことで相乗効果が期待できる
- WebサイトによってLPOの向き不向きがある
- LPの分析にはGoogleアナリティクスやヒートマップが有効である
- LPだけではなくターゲットの分析も重要である
- LPの施策実施の際はA/Bテストをおこなうと良い
- PDCAサイクルを回すことでさらなる改善が期待できる
- LPOと同時にEFOもおこなうと良い
今回の記事が参考になれば幸いです。
監修者プロフィール:De-STANDARD株式会社 CMO 村上華子
熊本県熊本市出身。九州大学卒業 九州大学大学院修了。売れるネット広告社に入社し、MAツールを活用したインサイドセールスやセミナー企画・オウンドメディアの立ち上げ・SNSアカウント運用・広報活動等を駆使して、リードナーチャリングと新規受注の拡大に貢献。その後MOLTSに入社。インハウスマーケターして、グループ会社全体の新規案件の引き合いやインバウンド施策、広報・採用に従事。ジェイフロンティアでは、リードジェネレーションやインサイドセールス、MAツール・SFAの導入など、インバウンド型の営業・仕組み化に従事。同社新規事業であるメディカルプラットフォーム「SOKUYAKU」では、カスタマーサクセス・インサイドセールスの双方の立ち上げと仕組み化・BtoB拡大を図る。組織の1→10拡大フェーズにおけるマーケティング支援に特化した貢献がしたいという想いで、De-STANDARD株式会社に入社。同社CMOを務める。BtoBマーケティング・広報PR・採用の支援を得意とする。
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