楽天グループ(株)はこのほど、「楽天市場」の運営について出店店舗と意見交換を行う「第5回楽天市場サービス向上委員会」を開催し、4つの分科会からの提案や改善案に対する楽天の取り組みや成果、進捗状況の報告があった。
都道府県単位で実施していた店舗運営の勉強会を全国に拡大へ
独立した任意団体の「サービス向上委員会」は、「出店者友の会」と経営陣の意見交換の場として、2021年3月から運営。年2回の委員会と、「地域・コミュニティ」「サステナブル・SDGs」「システム」「物流」についての改善を協議する分科会で構成している。
これまでの各分科会からの提案や改善案に基づき、楽天は取り組みと実績を報告。「地域・コミュニティ」については、地域ごとにナレッジ共有や悩みの相談ができる場として、都道府県単位での店舗運営に関する勉強会を開催。全国に拡大する意向を示した。
地域・コミュニティ分科会では、次世代教育を目的とした「自治体×学校×出店店舗×楽天」による、ECの知識やマーケティングの知見を学ぶ授業を22年4月から実施。22年度は4エリア(兵庫県、神奈川県、新潟県長岡市、熊本県)で12校316人の学生を対象に44コマの授業を展開した。
楽天SOYで「サステナビリティ賞」のエントリー数が前年の約2.8倍に
サステナブル・SDGs分科会は、SDGs ウォッシュ(取り組んでいるように見せて実態を伴わないこと)に対応するガイドラインを22年4月から運用し、社内外からの通報を可能にした。出店店舗向けには ECノウハウを提供する「楽天大学」で、SDGsに関する既存講座の改定と新規講座を22年7月から開始した。
成果の1つとして、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2022」における「サステナビリティ賞」のエントリー数が前年の約2.8倍になった。
システム分科会は、分科会の提案を踏まえ、注文・出荷・配送に要する日数をもとに、送付先エリアに応じた商品の最短お届け可能日が自動計算される機能を、6月ごろに実装を予定。 4月以降の出店店舗ごとのSKU管理の導入への移行に向けて必要事項を周知。実運用を踏まえてさらなるサービス改善に向けた議論を継続的に実施するとした。
「スピード配送賞」は楽天SOYでの表彰を検討
物流分科会は、配送に力を入れる出店店舗の表彰制度として、22年10月から「楽天ショップ・オブ・ザ・マンス」で、「スピード配送賞」を新設。将来的には「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」での表彰も検討している。
出店店舗向けの「楽天スーパーロジスティクス」見学会を22年10月に実施した。定期開催に向け準備している。また、配送に関する勉強会と出店店舗間の配送に関する事例共有会を22年7月以降、継続して開催している。
「楽天スーパーロジスティクス」のサービス強化として、大型セール企画の開催中に通常期と同等のサービスレベルの日数で出荷するための対策を実施した。大型商品取り扱いやメール便翌日お届け対応、熨斗シール貼付など、サービス内容の改定やサービスレベルの改善を適宜、実施予定。利用店舗の出荷作業の負担を軽減するため、大型セール企画の開催中、「日時指定なし」を選んだユーザーにポイントを付与する実証実験を実施する。
4分科会の第1期の活動が終了、第2期は「顧客コミュニケーション分科会」を新設
なお、今回で4つの分科会からなる第1期の分科会活動は終了し、今後は第2期として、「地域・コミュニティ」「システム」「物流」に、「顧客コミュニケーション」を加えた4つのトピックについて協議する分科会を新たに設ける。
「顧客コミュニケーション分科会」では、レビュー基準や不正レビュー対策、不正ユーザー対策、 ユーザー問い合わせ対応機能「R-Messe」の活用などについて議論を行う予定。「地域・コミュニティ分科会」、「システム分科会」、「物流分科会」は、各トピックに関連する注力議題について継続的に議論を行う予定でいる。
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