2023.03.04 コラム
JANコードとは? 導入メリットと手順を解説
JANコードとは、世界共通の商品識別番号で、在庫管理システムやPOSシステムなどに使用されています。本記事では、JANコードの概要からメリット、導入手順、注意点について解説します。JANコードの導入を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
JANコードとは
JANコードとは、商品のバーコードの下に記載されている「商品識別番号」を指します。世界共通の識別番号で、100ヶ国以上の国で使用されています。JANを読み取ることで、商品と事業者が瞬時に分かるため、在庫管理システムやPOSシステムに活用されています。
JANコードは、「Japanese Article Number」の略称で、日本国内のみの呼称です。世界的には、GTIN-13やGTIN-8と呼ばれています。また、アメリカやカナダではUPCコード(Universal Product Code)、ヨーロッパではEANコード(European Article Code)と呼ばれており、国や地域によって様々な呼ばれ方をします。
JANコードの数字の意味
JANコードには、13桁で表示された標準タイプと8桁で表示された短縮タイプの2種類が存在します。本項目では、JANコードの数字が表す意味を標準タイプと短縮タイプそれぞれ解説していきます。
▽標準タイプ(13桁)
標準タイプが表す数字の意味は以下の通りです。
・GS1事業者コード(事業者が10桁、9桁、7桁から選択し、左から順に並ぶ)
・商品アイテムコード(GS1コードの桁数に応じて2桁、3桁、5桁が割り振られる)
・チェックデジット(左から13桁目の数字)
GS1事業者コードとは、国と事業者を意味する数字です。日本は、「45」か「49」のいずれかが左2桁に並べられ、そのあとに事業者を表す数字が配置されます。商品アイテムコードは、1つの商品に対して1つのコードが与えられます。チェックデジットは、正しいJANコードであるかを検知するために付加される数字です。
▽短縮タイプ(8桁)
短縮タイプが表す数字の意味は以下の通りです。
・国コード(左から1,2桁目)
・GS1事業者コード(左から3~6桁目)
・商品アイテムコード(左から7桁目)
・チェックデジット(左から8桁目)
短縮タイプは、サイズが小さい商品などバーコードの印刷スペースが限られている商品に使用されることが多いです。
JANコードを導入するメリット
JANコードを導入することによって、様々なメリットが得られます。本項目では、JANコードを導入するメリットを5つ解説します。
◎メリット1:人手不足を解消できる
取り扱っている商品が多い企業では、在庫管理に多くの人手と時間を取られ、他部署や他業務に人手を当てられないケースがよくあります。しかし、JANコードを導入すれば、バーコードを機械で読み込むだけで、素早く商品を仕分けられ、在庫数を一瞬にして把握できます。そのため、他部署に人を回すことやより商品開発やマーケティングなど、より重要な業務に注力できます。
◎メリット2:ヒューマンエラーを防止できる
手作業で在庫管理や検品を行うと必ずヒューマンエラーが発生します。しかし、JANコードでは機械的に商品管理が行えるため、ヒューマンエラーを防止できます。その結果、誤配送の防止やECサイトに出品している商品で、在庫がないにも関わらず商品が購入されてしまう可能性も削減できます。
◎メリット3:販路の拡大に繋がる
近年は、店舗だけでなく、ECサイトや道の駅などでもJANコードの表示が求められます。そのため、自社商品をJANコードに登録しておくと、販路の拡大に繋がる可能性があります。
◎メリット4:業務効率化に繋がる
JANコードを導入すると、毎月の棚卸や検品作業を効率化できます。ハンディターミナルなどの専用機器でバーコードを読み取るだけで棚卸作業が完了するため、非常に便利です。特に、スーパーやコンビニなど食品を扱うお店では、商品の賞味期限を確認して定期的に商品の入れ替えを行う必要があります。そのような場合、特にJANコードは活躍します。
また、店舗や倉庫を複数の場所に構えている企業では、複数拠点の在庫管理システムを統合しておくことで、リアルタイムで他店舗の在庫情報が把握できます。その結果、他店舗から商品の取り寄せを行う場合、スピーディーに取り寄せられます。
◎メリット5:収集したデータをマーケティングに活かせる
JANコードで商品管理を行うことで、売れ行きの良い商品と売れ行きが悪い商品を瞬時に把握できます。これによって、JANコードで管理したデータを基に、次の発注量や生産量を決定したり、売れている商品の特徴を洗い出し商品開発に繋げるなどマーケティングに活かせます。
JANコードを登録する手順
JANコードを登録するのは、難しく、手間がかかりそうという方もいるかもしれませんが、JANコードを登録するだけであれば、難しくはありません。本項目では、5つのステップでJANコード登録手順を解説します。
1.GS1事業者コードの登録
初めに、GS1事業者コードの登録を行います。登録には、GS1(一般財団法人流通システム開発センター)申請する必要があります。申請方法は、インターネットまたは登録申請書の記入の2種類から選択できます。インターネットの場合、GS1 Japanの公式サイトにアクセスして必要事項を入力するだけのため、簡単に申請可能です。
また、GS1事業者コードには、3年という有効期限が存在します。そのため、有効期限満了後も継続してGS1事業者コードを利用したい場合は、忘れずに更新手続きを行う必要があります。
2.商品アイテムコードの設定
GS1事業者コードの登録が完了したら、商品アイテムコードを設定します。商品アイテムコードは、自社で好きに数字を決められます。ただし、商品の種類ごとだけでなく、カラーや容量などによってもそれぞれ一意の番号を割り振る必要があります。そのため、違う商品なのに同じ番号を割り振ってしまうなど番号の重複が発生しないように注意しましょう。
GS1事業者コードが9桁の場合は、001~999までの3桁の商品アイテムコードが設定できます。また、GS1事業者コードが7桁の場合は、00001~99999までの5桁のコードが設定可能です。
GS1 Japanは、商品アイテムコードを設定する際は、001や00001など若い番号から順番に設定するのをオススメしています。飛ばし飛ばしで番号を設定した場合、番号の重複が発生しやすくなります。
3.チェックデジットを計算
事業者コードと商品コードが決定したら、最後にチェックデジットを計算していきます。チャックデジットの計算方法は、偶数桁、奇数桁の数字をそれぞれ加算したりと少し複雑です。
しかし、GS1 Japanのホームページには、チャックデジットを自動で算出できるフォームが用意されているため、これを使用すると間違わずにチャックデジットを算出できます。なお、GS1 Japanのチェックデジット自動算出フォームは、標準タイプ(13桁)と短縮タイプ(8桁)の両方に対応しています。
4.JANコードを印刷
JANコードの作成が完了したところで、JANシンボル(バーコード)にして印刷します。印刷は事業者自身でも可能ですが、JANシンボルの印刷に対応したプリンターが必要なため、多くの場合は印刷会社に印刷を依頼します。
また、JANシンボルはJIS規格に定められたサイズ、品質である必要があります。JIS規格から外れたJANシンボルは読み込めない場合があるため、必ず確認しましょう。印刷されたJANシンボルがJIS規格に定められているかの確認は、バーコード検証機を使用するか、バーコード検証サービスを実施している会社に依頼することで確認できます。
5.納品先へJANコードを通知
JANコードの印刷が完了したら、納品先へJANコードを通知します。JANコードの通知を受けた取引先は、JANコードを自社の在庫管理システムに登録します。
これによって、取引先でも自社商品の管理が楽になり、事業者と取引先の両社にとってメリットが得られます。JANコードを取引先へ通知したら、商品を出荷し、販売スタートです。
JANコードを導入する際の注意点
人手不足の解消やヒューマンエラー防止など導入によって、様々なメリットがあるJANコードですが、注意すべき点もいくつか存在します。そこで、本項目ではJANコードを導入する際の注意点を3点解説します。
▲初期コストがかかる
JANコードを導入するためには、バーコードを読み取るためのハンディターミナルや商品情報を管理するタブレットなど専用機器や在庫管理システム等のソフトウェアを準備する必要があります。また、バーコードの印刷代も必要です。このように、JANコードの導入には高額の初期コストが必要となることを事前に頭に入れておきましょう。
▲導入時の手間が大きい
既にJANコードではない在庫管理システムを導入している企業にとって、既存のシステムからJANコードを使用したシステムへの切り替えは、非常に手間がかかります。また、既存の使い慣れたシステムからJANコードを用いたシステムへの切り替えに反対する社員もいるでしょう。
▲マニュアル作成が必要となる
JANコードを導入するにあたって、マニュアル作成が必須となります。マニュアルがないまま、運用を開始するとミスの発生やシステムを上手く活用できないなどのトラブルが発生が予想されます。また、JANコードを導入する意味や定期的なマニュアルの見直しなど社内教育にもコストを割く必要があります。
まとめ:JANコードを登録しよう
本記事では、JANコードについて解説しました。
JANコードは、導入時のハードルは高いものの、それ以上に人手不足の解消や業務効率化など得られるメリットが非常に大きいです。今後も商品販売業務を続けていく企業であれば、JANコードを導入するという選択は、販路の拡大やマーケティングへの活用など将来の売上拡大にもの繋がります。
JANコードの取得手順自体は難しいものではないため、JANコードを取得して、商品販売を行いましょう。
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