2023.04.15 コラム
【OMSとは】メリット・デメリット、選ぶ際の基準について解説
OMSは、注文や在庫、顧客などの情報を一元管理するシステムです。本記事では、OMSの概要からOMSを導入するメリット・デメリット、OMSを選ぶ際の基準について解説しています。これからOMSを導入する予定の企業は、ぜひ参考にしてください。
OMSとは
OMS(Order Management System)とは、「オーダー・マネージメント・システム」の略称で、受注管理や注文管理をおこなうシステムです。また、ECサイトと実店舗の注文や在庫、入金、顧客などの情報を一元管理可能です。近年は、ECサイトやECモールなどのオンライン販売が普及しているため、OMSの言葉をよくみるようになりました。
OMSが必要とされる理由
注文情報の管理や受注情報の管理は、OMSよりも前から使用されている一般的な販売管理システムにも存在しました。では、なぜ近年はOMSが求められているのでしょうか。その理由は、販売の多角化です。
インターネットの普及により、オンラインでの買い物が一般的となりました。さらに、一言にオンラインでの買い物と言っても、自社でECサイトを運営している企業やAmazonや楽天などのECモールで商品販売を行っている企業もあります。また、オンラインショップだけでなく、実店舗の運営も行っている企業もあります。
このように、販売が多角化する現代においては、ただ単に「誰が商品を購入したか」や「いつまでに商品を発送しなければいけないか」などの点での管理では不十分となってきました。
そこで、オンラインショップと実店舗の在庫状況や顧客情報を紐づけるなどより複雑な情報管理にも対応したOMSが近年は求められています。
OMSとWMSの違い
WMSとは、「Warehouse Management System」の略称で、倉庫内の情報を管理するシステムです。具体的に、入庫管理、在庫管理、出荷管理などを行う際に使用されます。OMSと違いは、WMSは管理の対象が倉庫内の情報に限られる点です。
OMSの基本機能
具体的にOMSにはどのような機能があるでしょうか。本項目ではOMSの基本機能について解説します。
以下が、OMSの基本機能です。
・受注管理機能
注文内容の確認やこれまでの受注記録を管理する機能です。
・出荷管理機能
出荷指示や出荷日の登録を行う機能です。
・在庫管理機能
どの倉庫にどれくらい在庫があるかを把握できる機能です。
店舗在庫とオンライン在庫を一括管理できます。
・顧客情報管理機能
顧客情報を管理するための機能です。
商品の注文履歴やECサイトの利用頻度などをユーザーごとに表示できます。
・商品管理機能
商品名や商品価格、商品に対する詳細な説明を登録し、管理する機能です。
商品を全て一元管理できるため、商品数の多い企業にとっては非常に役立ちます。
上記の機能のほかに、入金管理機能や見積機能など様々な便利機能がOMSには搭載されています。
OMSのメリット
OMSのメリットは下記のとおりです。
1:利益が増やせる
2:在庫管理がストレスの軽減
3:機会損失回避の精度が上がる
4:ヒューマンエラーが無くなる
5:新たな時間を創出することができる
それぞれ順番に解説していきます。
◎利益増加
OMSを導入すると、導入する前と比較して純利益が増加する可能性が極めて高くなります。 なぜなら、これまでかかっていた人的工数を削減できるからです。 ただし、OMSを導入するイニシャルコストやランニングコストはOMSツールや業者によって変動するため、omsツールと業者の選定は慎重に行いましょう。
◎ 業務負担の軽減
2つ目のメリットは、複数のチャネルや店舗、在庫、顧客を管理していた時に生じていた担当者のストレスが大きく軽減される点です。OMSを導入すると、ECと実店舗の在庫状況や顧客情報の一元管理が可能となります。
業務負担が軽減されると業務の速度と質が担保されるだけでなく、新たな提案や挑戦がしやすくなるため、結果として前述したように利益の増加にもつながる可能性があります。
◎機会損失回避
3つ目のメリットは、機会損失の防止に役立つ点です。 複数の店舗やチャネルで在庫管理をしていると、どうしても突発的な売り切れに対応できない場合があります。これによって、本来なら獲得できていた売上を逃してしまうような機会損失を生み出してしまいます。 しかし、OMSを導入すると各店舗やECチャネルのデータをリアルタイムで精査して瞬時に判断してくれるため、機会損失を回避し売り上げを作るはもちろん、顧客のストレス緩和にも寄与します。
また、顧客とのトラブル防止にもつながります。 つまり、OMS導入は販売機会を最大・最適化するだけに止まらず、組織のブランディングや顧客からの評価の向上にも繋がることを意味します。
◎ヒューマンエラー防止
4つ目のメリットは、人的なミスが発生するリスクの回避・防止ができる点です。 どんな業務でも人がする以上、ほぼ100%と言っていいほどいつかはミスやヒューマンエラーが起こります。 この人的ミスが、誤配送や個人情報の流出など顧客に多大なる迷惑をかけてしまい、顧客の信頼を失う結果に繋がる可能性もあります。また、これらのミスが起こる確率は管理する対象が増えれば増えるほど増加していきます。
しかし、OMSを導入すれば、機械的に業務を進められるため、ヒューマンエラー防止に繋がります。 また、人的ミスは、ミスを起こした当人のモチベーションにも負の影響があるため、その防止にもなります。
◎時間を作ることができる
5つ目のメリットは、OMSの導入により「時間」が生まれる点です。 前述したとおり、人的工数を削減し業務自体の簡略化によって、これまでかかっていた時間を大幅にカットできます。 生まれた時間で、マーケティングを実施し、新商品の開発を進めれば、企業の売上拡大にも繋がります。
また、時間的に余裕ができることで、社員の精神的負担や残業時間の削減が実現し、企業への満足度が高まり、パフォーマンスの質が向上します。 このように、OMSの導入により「時間」が生まれることで、中長期的に大きなメリットが得られます。
OMSのデメリット
OMSのデメリットは下記のとおりです。
1:社員の教育が必要になる
2:作業フローの見直しが必要になる
3:システムのコストがかかる
順番に解説していきます。
▲社員の教育が必要になる
新しいシステムを導入する際、OMSを使いこなせる社員が必要になります。そのため、教育は必要不可欠です。また、社員がOMSに精通するまで、時間やコストがかかります。全員が一定レベルの知識やスキルを習得するまで、教育を施し続けないといけません。
▲作業フローの見直しが必要になる
OMSを導入するにあたって、作業フローの見直しが必要となります。OMS導入前は、人によって独自のやり方で業務を進めている場合や経験・勘に頼って作業を進めている場合が少なからずあったはずです。しかし、OMSを導入するとなると作業を自動化しなければなりません。そのためには、現状の作業フローを見直して、明確なルールを構築する必要があります。
企業によっては、作業フローの見直しに大きく手間がかかる場合もあるでしょう。
▲システムのコストがかかる
OMSの導入には、初期コストがかかります。種類や機能によって金額は変動しますが、中には100万円以上かかるシステムもあります。
また、OMSは一度導入すれば終わりではなく、運用コストもかかります。運コストには、通常のメンテナンス費用だけでなく、予期せぬアクシデントが発生した際のシステム改修費用やバージョンアップのための費用も含みます。そのため、OMSの運用には予定よりもコストがかかる場合も多くあります。
自社の規模感的にOMSにあまりコストをかけられない企業は、初期費用やランニングコストが比較的安価なクラウドシステムの利用をおすすめします。
OMSを選ぶ際の基準
OMSには様々な種類があり、性能や機能、コストなど製品によって異なります。そのため、自社に適したOMSを選定しないと期待した効果が得られません。自社に適したOMSを選ぶためには、以下3つのポイントを意識しましょう。
1:既存のシステムと連携できるか
1つ目は、既存のシステムと連携できるかです。既に、在庫管理システムやWMSを導入済みの企業は、既存のシステムと連携ができないOMSを選択すると、既存のシステムを全て捨てる必要があります。
システムを全て心機一転するとなると、高額なコストがかかり、操作手順も全て一から覚え直す必要があります。これでは、非常に効率が悪いため、既に使用しているシステムがある場合は、既存のシステムと連携できるOMSを選ぶのがおすすめです。
2:現場の作業者が使いやすいシステムであるか
2つ目は、現場の作業者が使いやすシステムであるかどうかです。いくら優れた機能を持ったOMSであったとしても、作業者が使いにくい、もしくは使いこなすのが困難では、意味がありません。
OMSによっては、本格的に導入する前に無料でお試しできる期間を設けている製品もあるため、無料期間で作業者が使いやすいか、あるいは使いこなせるかを試してみましょう。
3:現状だけでなく今後も見据えて最適なシステムであるか
導入直後は、最適なOMSであっても、店舗の拡大やECサイトの充実化によって、最適なOMSでなくなる可能性があります。そのため、今後店舗やECサイトの拡大した際でも使用しやすいOMSをあらかじめ選択しましょう。具体的に、昨日の追加や拡張が行いやすいOMSがおすすめです。
まとめ:自社に適したOMSを導入しよう
本記事では、OMSについて解説しました。
本文でも紹介した通り、OMSは製品によって、機能や性能、価格が異なります。そのため、OMSのメリット・デメリットを理解し、自社に適したOMSを導入しましょう。
※「資料掲載企業アカウント」の会員情報では「通販通信ECMO会員」としてログイン出来ません。
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