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2023.04.27 事件・トラブル

10億円以上の損失も!?ECサイト構築を炎上案件にしないためのポイント

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 2022年、美容健康商材を扱うA社のECサイト構築の開発が頓挫し、億単位に上る大損害が発生した。開発頓挫の最大の原因は発注者と開発ベンダーの”知見不足”と”コミュニケーション不足”だった。1000件を超すバグが発生し、予定より2年遅れても完成できず、開発そのものが頓挫したーー実はECサイト構築の開発が”炎上”してしまうのはEC業界あるあるの1つだ。開発が進まずに中断したり、使い物にならないECサイトが出来上がったりするなど、深刻な事態に見舞われるケースは少なくない。ECサイト構築に詳しいDigital-Free(株)の柴田裕之社長によると「十数億円の損失を生む炎上案件もザラにある」というほどだ。なぜ、このようなことが起こるのだろうか。本稿ではECサイト構築を炎上案件にしないために抑えるべきポイントを探る。



なぜECサイト構築は炎上するのか?

 ECサイトの開発・構築を請け負うベンダーは星の数ほど存在する。新たにECサイトを構築したい発注企業側は、どのベンダーも自社が希望するECサイトを構築してくれると思いがちだが慎重に進める必要がある。ベンダーの力量不足によって、ECサイトの開発中断を余儀なくされることは珍しくない。欠陥だらけのECサイトが出来上がったために、別のベンダーに“救助”の依頼を余儀なくされるケースすらある。その結果、数億~十数億円ものの損失が発生することも起きている。



 ここでECサイト構築に失敗した2つの事例を紹介する。どちらも“業界あるある”の典型例とも言えるものだ。

▲炎上事例1:要件定義からクラッシュ…億単位の損失

 冒頭でもふれた美容健康商材を扱うA社のECサイト構築の開発頓挫を改めて紹介する。A社はECサイト構築を大手広告代理店の子会社Bへ発注した。B社はさらにECサイト構築ベンダーC社へ発注した。A社→B社→C社の3社間のコミュニケーションが不十分で、要件定義もきちんと整理されないまま、開発が無理やり進んだ。その過程では1000件を超すバグが発生し開発は遅延に遅延を重ねた。その上、予定より2年遅れてもECサイトは完成できず開発そのものが頓挫してしまった。

 どうして、このような事態に陥ったのだろうか。B社とC社で編成された開発チームは寄せ集めのメンバーで構成された。そのためA社が希望したEC構築プラットフォームに精通したエンジニアが一人もいないという始末だった。それどころかスキルとしてはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を制作するレベルにとどまり、決してECサイト構築の開発を行うプロフェッショナル集団とは呼べる代物ではなかった。当然、A社が望むECサイトを手がけることは困難。ベンダーの選定を誤った代償としてA社は億単位の損失を生むことになった。

▲炎上事例2:大手ベンダーでも知見不足…開発中断

 2つ目は、ある大手中古販売業者D社がグローバル展開も手掛ける名の通った大手ITベンダーE社にECサイト構築を発注した事例だ。

 E社も前例と同様に高度なECサイト構築の専門知識を持つプロフェッショナルが少なく、開発要件の全体をカバーし切れなかった。これが原因となり、開発中断を余儀なくされ、発注者に多額の損失が発生した。

開発前に確認すべき事項は「20」

 前述した2つの事例が意味することは何だろうか?まずA社の事例は、大手広告代理店の子会社ということで、全幅の信頼を寄せていたと考えられる。D社のケースは名の通った大手ITベンダーということで「任せれば問題ない」と油断したのではないだろうか。

 前出のDigital-Free柴田社長は「大手ベンダーだからと言って必ずしも安心はできない」と警告する。大手ベンダーであっても、多岐にわたる各種のECプラットフォームに精通しているとは限らず、ましてベンダーが編成するチームメンバー全員がプロフェッショナルとも限らないからだ。

 充分に機能するECサイトを構築するには、ベンダーの選定がもっとも重要となる。大事なポイントとして「大手だから安心」「有名企業だから間違いない」といった安易な考え方は大損害を生みかねない。では、どのような点に注意すればよいだろうか。

 柴田社長は「EC構築の開発に取り掛かる前に事前に確認すべきポイントは20項目ほどある」という。「どれ1つ見逃しても、失敗につながりかねない」(柴田社長)と指摘する。そのうち、ここでは特に重要なものをいくつか紹介する。

△発注先にECのプロはいるか?

 重要なチェックポイントの1つが、<ECサイト開発の要件定義、設計、テスト、保守の一連の工程について、それぞれにプロフェッショナルな自社社員を抱えているのか?また、アサイン可能なのか?>だ。



 前述した炎上事例が物語るように、制作チームにプロフェッショナルが1人もいないケースは論外だ。また、専門知識を持つスタッフが少数いたとしても、サイトの規模が大きい場合にはすべてをカバーできないおそれがある。知識が浅いスタッフがチームに入ると、初期段階でミスしたり、調べながら作業をするために大幅な遅延が生じたりする。その結果、開発中断につながりやすくなってしまうのだ。

 「ECサイトは多数の機能をもったサイトを開発することになる。例えば、数億円規模の開発案件の場合、依頼主が希望する要求事項は数百から多ければ千件以上に上る。その1つ1つが、正しく機能するかどうかをベンダーは慎重に検討していくが、詳細な知識を持たないスタッフにはそれができるはずもないことは自明」(柴田社長)だ。

 このため、EC構築に精通したプロフェッショナルの必要十分なリソースが揃っているかどうかを事前に確認することが重要だ。ここで注意すべきポイントとして「一方的な情報を鵜呑みにしないこと」(同)と指摘する。「ベンダーからの一方的な情報だけに頼らず、自らの足を使って詳細情報を集めることがベンダー選びで失敗しないために重要」と呼びかける。

△希望PFの経験と実績は充分か?

 ベンダー選びのチェックポイントとして、<希望するECプラットフォームに対する経験と実績は充分か?>も重視すべきだ。



 ECプラットフォームには、主なものだけでも数種類あるが、どのベンダーにも得意・不得意がある。このため、企業規模や実績数だけでベンダーを選んでしまうと、後悔することになるだろう。採用するECプラットフォームに関する実績が、ベンダー選びの決め手となる。「必ず希望するECプラットフォームの開発経験を慎重に確認する必要がある」(柴田社長)とする。Digital-Freeでは、EC構築の開発を発注する前に確認すべき項目のチェックリストをダウンロード公開している。本記事とあわせて開発に取り掛かる前にチェックしてもらいたい。



「頓挫ゼロ」…中断したEC開発のレスキューも

 今回EC構築の開発案件の炎上事例について解説してくれたDigital-Freeは、米国Adobe社のECプラットフォームである「Magento(マジェント)※」の開発・構築を専門としている。

(※有償版はAdobe Commerce、無償版はMagento Opensorceという名称であり、総じて「Magento(マジェント)」と呼ばれる)

 Magentoは「多機能であるためニーズも多い。その分、開発も複雑になり専門的な知識と経験が必要となる。日本国内には開発経験者自体が少ないという事情もある。Magento開発のプロフェッショナルを名乗れるほど開発知見をもったベンダーは当社しかないのではないか」(柴田社長)というほどだ。そのため、「『Magento』によるECサイト構築をほかのベンダーに依頼したものの、開発が進まなくなり当社へ相談に来るケースも少なくなく”開発のレスキュー”に入ったこともある」(同)と言う。

 Digital-FreeのMagento開発レスキューの1例を挙げると、中堅家具メーカーからの依頼がある。この家具メーカーは、ウェブ制作レベルの開発力しか持たないベンダーにMagentoによるECサイトの構築を依頼してしまった。そのため、ECの心臓部分であるカート機能が搭載されていない「ネット販売が不可能な環境のサイト」が出来上がってしまった。

 柴田社長は「そのベンダーはMagento開発を宣伝していたものの、出来上がったサイトは商品が陳列されているだけの商品紹介サイトという状態だった。そこで当社へ相談が入りリカバリしてカートを実装。Magentoのバージョンアップなどにも対応できるように改善した」と振り返る。

 同社は<絶対に失敗させない>がモットーだ。「開発中断となった案件はゼロ」と豪語する。「確実に完成させる。また、ほかのベンダーに依頼して開発が頓挫した案件のレスキューにも対応ししっかりと軌道修正を行う」(柴田社長)とし、この2点を同社の強みに挙げる。柴田社長は「ECサイトに関する知見を持った人員で社内体制を組む場合、例えば当社では高々10数名だがその100%の人員がECサイト構築のプロである。大手といえども10数名もEC構築のプロを抱えていることは少ない、またはできてない。プロジェクト単位でも1-2名程度のアサインしかできないのではないか」と語る。加えて「当社には大手ベンダーからも提案の技術支援や炎上のレスキュー、開発・保守の乗り換えの相談が相次ぐ。大手ベンダーといえども、体制が十分でないという事実がうかがえる」(同)ともした。「Digital-Freeでは『Magento』開発のプロフェショナルだけでチームを組んでいる。炎上しないのはプロしかいないから」(同)と胸を張った。


Digital-Freeの柴田社長

ECサイト構築事前チェックリストを無料公開

Digital-Freeは、ベンダー選びのチェックポイントをリスト化し、公開している。「Magentoのみならず、全てのECサイト構築に際しこのチェックリストをクリアしなければ、確実に炎上してしまう。開発前ならばリストの全項目をチェックしてほしい」(柴田社長)と呼びかける。EC構築の開発を検討している読者はぜひこのチェックリストを活用してほしい。

 







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