(株)ニトリホールディングスが9日発表した2023年3月期(22年2月21日~23年3月31日)連結決算は、売上高が前期比16.8%増の9480億9400万円、営業利益が同1.3%増の1400億7600万円、純利益は同1.6%減の951億2900万円となった。
国内通販売上高は28.3%増の911億円
同社は決算期を2月20日から3月31日に変更。経過期間にあたるため、今期は13カ月11日となり、対前期増減率は比較対象期間が異なるが参考数値として記載。
ニトリ事業の売上高は前期比21.0%増の8217億8200万円、営業利益は同0.0%増の1353億2900万円となった。急激な円安の進行や原油高に起因する輸入コストの上昇などにより売上原価は増加した。
累計の国内通販売上高は前期比28.3%増となる911億円。「ニトリライブ」をニトリネット内に公開しているライブコマースの配信は計86回を数え、視聴者数は260万人を突破した。アプリ会員は順調に増加し、今期末現在で前期比21.8%増の1601万人。24年3月期は、ライブコマースの人員を追加して配信強化を図るほか、アプリ会員は1900万人をめざす。
ニトリライブで顧客接点を拡大
ニトリライブ内ではクーポンの配布を行うなど顧客接点の拡大を進めたほか、自宅にいながら無料で窓まわりの商品購入に関する相談ができる「カーテンオンライン相談サービス」を開始。22年11月からはニトリネット内に、気になるインテリアが自宅の部屋に合うか、色や柄の組み合わせを確かめた上で買い物ができる「お部屋deコーディネート」を導入した。
物流施策として、川上から川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進。第1弾として、石狩DC(北海道石狩市)を22年5月に竣工し、9月より道内への商品供給を開始。11月に竣工した神戸DCは、23年3月より関西圏への商品供給を開始した。さらに、次年度以降の稼働を計画している名古屋DCを22年7月に、幸手DC(埼玉県幸手市)を8月にそれぞれ着工している。
内製化による効率化を進めているラストワンマイルの配送網の整備においては、従前より東京23区を中心とした地域でワンマン配送を行っていたが、その対象地域を関西圏にも拡大し、物流コストの抑制と配送の効率化を進めている。
ニトリ事業の国内店舗出退店については、出店が127店、退店が23店で、今期末で849店舗(前期末は745店舗)となった。
24年3月期は増益の見込み
海外については、中国のロックダウンの影響で、最大32店舗が営業停止になるなど厳しい状況だったが、22年6月より全店で営業を再開し、北京市への初出店を果たすなど出店を加速。今期末までに21店舗を出店した。東南アジア地域では、マレーシアへの店舗展開が順調に推移し、今期末には7店舗体制となった。シンガポールへも初出店を果たしている。
島忠事業の売上高は前期比1.7%減の1346億6400万円、営業利益は同35.6%増の41億1200万円。22年4月より、全店舗とECサイト「シマホネット」でニトリポイントの付与・利用が可能となったほか、ニトリグループの配送網を活用した全国一律料金での配送が可能となった。商品の品揃えについても見直しを進め、PB商品の開発は順調に推移している。店舗の出退店については、退店が3店で、53店舗(前期末は56店舗)となった。
24年3月期の通期業績予想は、売上高が前期比1.7%減の9320億円、営業利益が同3.6%増の1451億円、純利益は同5.1%増の1000億円を見込んだ。独自のビジネスモデル「製造物流IT小売業」を通じ、相互繁栄をめざす。既存事業での魅力ある品揃え・品質・価格の実現、ホームセンター事業でのグローバル展開の加速を進める。
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